【物件概要について】
本物件は,東急不動産が売主,施工は鍜治田工務店,管理会社は東急コミュニティーという陣容です。
特色としては,天王寺区で分譲中の物件のうち,本物件が最安値ということで,価格面での優位性をかなりアピールされていました。天王寺区で総戸数104戸(全戸南向き)としっかりした規模で分譲できるのは東急不動産としても久しぶりということで,スケールメリットをいかして管理費の面でも抑えることができたとのことでした。
天王寺区で,タワーマンションを除いて大規模マンションが建ちにくい理由として,用途地域がおおむね住居系に限られるからということです。というのも,用途地域が準工業や商業でないため,大きな工場跡地や倉庫の跡地がなく,大きなマンションを建てられる用地がまずないので,天王寺区ではせいぜい中規模マンションしか分譲できないということで,非常に説得力がありました。ちなみに,本物件の用途地域は二種住居です。
では,本物件の元地は何なのかというと,JT(日本たばこ産業)の事務所兼配送センターだったそうで,その敷地を北側はスーパーライフと,南側は本物件と分割したということでした。このため,すぐ北隣にスーパーライフがあり,買い物の利便性が非常に高いのも本物件の特色と言えます。
ジオラマ上,透明の建物は隣地の既存建築物等です。本物件の大きなマイナスポイントとしては東側を走行する環状線の音でしょう。とはいえ,バルコニーが環状線に向いているわけではなく,基本的には東から西にくるにつれて電車音は軽減されるのでまだしもマシとは言えます。周囲の状況を見ると,近隣に目立って高い建物は存在しないので,採光については問題なさそうです。眺望については,寺田町から南方向というとハルカスくらいしかないので,抜けているのは抜けているのですが,見えてもどうということはない景色が広がっています。
画像は,北東から南西方向へジオラマを撮影しているものです。左側の2階相当の構造物が環状線です。右側のルーフ部分に車が乗っている建物がライフです。
ゴミ置き場は,マンション1階部分に設置されているので,独立して建屋が設置されているわけではありません。民間業者を入れているので,24時間ゴミ出し可能ということでした。マンションには集会所は設置されていませんが,その分エントランスを広く確保しているので,定例会についてはエントランスで行うことになるだろうとのことでした。規模が小さいマンションでは,管理人室を借りることもあるそうです。管理組合の総会については,どのマンションでも公民館等を借りることが多いらしく,年1回の総会のために集会所を作るよりかは,住戸にしてお金に変える方が最近の主流の考え方とのことでした。エントランスが広々としているのは高級感がありますし,その空間で管理組合の定例会も含めてちょっとした打合せができるのはホテルライクで面白いなと感じました。
この辺りはジオラマで説明できないので,ランドプランを掲載します。
【モデルルームについて】
モデルルームは,環状線に沿った南東側角部屋Hタイプを基本とし,書斎を設けるなどのオプションを入れたものでした。普通は一番広い部屋にすることが多いので,あえて環状線の音が気になり一番不人気そうなHタイプをモデルにしたのは意外でした。担当者の方によると,営業マンの間では,えーっHタイプにするの~…もっといい部屋があるじゃないの…という雰囲気になったそうです。それでも,このモデルルームでお客様に買ってもらわないといけないのがつらいところとおっしゃっていました。
画像は居室アルコーブ部分を撮影したものです。玄関ドアが設置される面はタイル貼りです。側面は一般的な吹き付け塗装です。
とはいえ,ディスポーザーを中心に設備面がかなり充実している旨を伝えると,ほかの天王寺区内分譲中マンションを調査して,導入しているものについてはトイレ内に手洗いカウンターを除いてすべて導入したとのことでした。
さて,問題の防音性能ですが,窓ガラスについてはLow-E仕様ではないペアガラスを採用しているとのことで,サッシの防音等級はT-3のものを導入しているとのことでした。さすがにT-3ともなると,ガラスが重く開閉に力がいるので,リビング側から開けるときは取手がついています。この防音性能を確認すべく,担当者の方がテレビ音量を最大にして,バルコニーに私たちを立たせてガラスを閉めてくれたのですが,音がすぅっと消えていくような印象を受け,T-3サッシの防音性能の高さを実感しました。東急不動産のシミュレーションでも,窓を閉めれば生活に問題ないことは確認しているとのことであり,非常に安心しました。サッシ以外にも,バルコニーに設けられている吸排気口について防音措置が取られており,しっかり対応を図ったことが感じられました。