なんでも雑談「創作しましょ、百歳物語 【完結】」についてご紹介しています。
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さる [更新日時] 2007-01-10 12:27:00

レス番号を年齢に見立てて架空の人物の生涯を語りましょう。
では0番は私から。

0歳。
母親似の健康な女児誕生。
願いを込めて「幸(さち)」と命名。
さてこれから彼女にはどんな人生が待っているのだろうか・・・。

[スレ作成日時]2006-12-08 01:26:00

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創作しましょ、百歳物語 【完結】

  1. 2 おみそ

    1歳。むちむちボディーで周りを悩殺♪
    よちよち歩きがたまらない♪
    う〜ん。ぷりてぃ〜。

  2. 3 匿名さん

    3歳。
    髪型・洋服・すでにこだわりが。
    おしゃまなさっちゃん。
    好みのタイプは、パパ!

  3. 4 匿名さん

    4歳
    口も達者になってくる。
    なんでなんでの質問攻め。
    色々やりたいお年頃。
    後片付けはみんなママ!!。

  4. 5 匿名さん

    5歳
    ある日、幼稚園の先生からTELが・・
    どうやら、気づかないうちに幸はいじめっ子になっていた!

  5. 6 匿名さん

    6歳
    小学校入学。
    しかし、毎週学校からの呼び出し、家庭訪問、父兄からの苦情。
    いったいさっちゃんはどうなっちゃったのでしょう。

  6. 7 匿名さん

    7歳
     2年生になる前の春休み、ママは仕事を辞め妹が誕生。
     お姉ちゃんになったし、いつもママが家にいてくれるので情緒が安定しとてもよい子に。
     掛け算の九九もスラスラ言えるようになりクラスでも大人気。

  7. 8 たまこ

    8歳
     そんな幸も、おませな年頃になってきた。
     どうやら、同じクラスの健ちゃんが好きみたい。
     パパが、その話を聞いて、
     「結婚は反対だ!」
     や〜だ〜ん、パパったら、幸はまだ8歳よ!もう〜パパったら、娘の事になると
     すぐこれなんだもーん。

     肝心のわたしとは最近、すっかり・・・なんだけどネ。

  8. 9 おみそ

    9歳
     頭はいいし、スポーツ万能。かわいいし。
     ああ、なんてうちの子は素晴らしいの!!
     

  9. 10 たまこ

    10歳
     子ども、子どもだと思っていた幸も、最近、ママの言うことをすっかり
     聞かなくなってきちゃった。
     「ママだって、自分の携帯持ってるじゃん。さちも、携帯、買ってよ!」
     仲良しグループの中で、携帯を持っていないのは、幸だけみたい。
     ちょうど、悩んでいたところなのよねえ。

     そうだ!みっちゃんのママに相談してみようかしら。

  10. 11 おみそ

    11歳
     幸が言う。
     「ねぇ、ママ?なんでパパと結婚したの?幸せ??
     私が産まれたとき、どうだった?嬉しかった??」

    咄嗟に答えられない私・・・
     

  11. 12 おみそ

    12歳
     幸もすっかり大きくなり、女の子らしくなってきた。

     ある日。みっちゃんのママと喫茶店。

     みっちゃんのママには、いつも相談にのってもらっている。
     幸に携帯を持たせようか悩んでる時・夫婦ゲンカした時・・・
     この年で親友と言える人ができた。
     でも・・・
     一つだけ、まだ言っていない事がある。
     私は、みっちゃんのママに聞いてもらおうと、今日呼び出したのだった。

        私     「あのね・・・聞いてほしい事があるの・・・」
     みっちゃんのママ 「どうしたの?あらたまって・・・何かあったの・・・?」
        私     「幸のことなんだけど・・・」

    私は、一回深呼吸をして、ゆっくりと話し始めた・・・。

     

  12. 13 匿名さん

    13歳
    幸のお部屋はピンクの小物がいっぱいです。
    でも、一体どこから・・・、お小遣いでは到底賄えないはず。
    私「さっちゃん、かわいいヌイグルミね。買ったの?」
    幸「もらい物」
    私「どこのお友達?みっちゃん??」
    幸「だれだっていいじゃん!それよりも勉強するんだから部屋から出て行ってくれる?」

  13. 14 匿名さん

    14歳
    グレタ幸は学校をサボって渋谷を歩いていたら
    モーム巣の新メンバーのスカウトにあった。
    メンバー入りのビックチャンス!
    家に帰って良く考えることに!

  14. 15 匿名さん

    15歳
    モーム巣のスカウトとは真っ赤な偽物だった。
    でもいいの、カメラの向こう側で、パパたちが喜んでくれている。
    ちょっと足を広げるだけでお金をいっぱいくれる。
    本当のパパよりもこっちのパパの方がいい。
    今度は何をおねだりしようかしら。
    ママは私のことを怒ってばかり、どこ行っているの?、お金はどうしたの?
    そんなことばかりを聞く。
    今度マンションをおねだりしてみようかな。

  15. 16 匿名さん

    16歳
    娘の仕事に気づいたパパは撃沈し、寝込んでしまった。
    ママは、壊れていく家族の絆を取り戻すために、
    もっとも天国に近い神社に行き、神に祈った!
    「間違った娘を、助けてください!」
    そしたら神様が現れた!
    「たすけてやろ〜う」神が言った!
    すると・・

  16. 17 匿名さん

    17歳
    幸 「クソババー、ここからだせよ〜。薬くれよ〜。」
    ママ「・・・」
    パパは実家に帰ってしまいました。

  17. 18 匿名さん

    18歳。
    あれからどれ位経ったのかしら。
    どれくらい閉じ込められていたのかも記憶にないです。
    ただ、パパが警察の人といっしょに来て、出してくれたそうです。
    ママは、神様から貰ったものは麻薬だったそうで、逮捕されたそうです。
    気が付いた時は病院で、しばらく麻薬の治療を受けていました。
    今はパパが戻ってきてくれたので、2人で生活しています。
    お花屋さんでアルバイトを始めました。

  18. 19 たまこ

    19歳。

     すっかりバイトも慣れたわたし。
     最近は、お花屋さんの仕事の延長で、アレンジ教室にも通うようになったんだ。
     そこで、偶然にもばったり一緒の教室にみっちゃんがいたので、びっくりしたんだ。
     最初は、お互い気まずかったんだけど、みっちゃんの方から話しかけてくれて、
     思わず、涙腺がゆるんじゃったよ。

     ただ、みっちゃんが昔の話を避けるのがわたしには、辛かった。
     辛いっていったって、まるっきり覚えていないから、どっちでもいいんだけどさ…。

     あ、ごめん、みっちゃん、早く帰らないとパパ、待っているからさあ。
     そんな感じで、みっちゃんとは教室だけのおつきあいでいる。

     パパは、一生懸命わたしの為にって、働いてくれたおかげで、
     なんか最近、すっかり老け込んでしまったみたい。
     ごめんね、わたしのせいだよ。

     パパ、わたし、これからはパパに精一杯、恩返しするから!

     そんな平穏な日々を送っていたわたしたちの生活に、
     再び、暗雲がたちこめることを、このときは、まだ知るよしもなかった。
     

  19. 20 ちゃぶだい

    20歳
    今日は、ママが出所してくるのでお祝いです。
    母方の実家に預けられていた妹もいっしょに暮らせるようになりました。
    久しぶりに4人で夕食を食べます。
    楽しい夕食を期待していたのですが、妹はお友達と別れるのを嫌がり、
    実家に戻りたいと言い出すし、ママは鬱病で、自分の殻に閉じこもっちゃっています。
    私はどうしたらよいやら、ただテーブルの周りをウロウロするばかりでした。
    そして、パパは今夜も会社に戻って徹夜だそうです。
    だいじょうぶかな〜。
    パパはここ半年ばかり、週に2.3日は会社に泊まりこみでお仕事しているので、
    心配です。

  20. 21 匿名さん

    21歳
    今日も姉妹げんかしてしまいました。
    ただショックだったのは妹の一言です。
    「おねえちゃんなんか他人のくせに!」
    「何馬 鹿な事言ってるの」
    「私、私学校で習ったんだから、A型の家族にB型のおねえちゃんは生まれない。
    おねえちゃんが問題起こすたびにおばあちゃん家に預けられて。
    挙句の果てには、ママは病気になっちゃうし、だからパパは他所に女作ったん
    だから。
    私のパパとママを返してよ〜!」

    妹は部屋を飛び出したままです。
    私は頭の中が真っ白になりました。
    何時間たったでしょうか、気が付くと、もう夕暮れ時です。
    そういえば、ママ方の祖父母もパパ方の祖父母も、いつも私のことを疎ましく
    思っているようでした。
    行くところがなく、パパのお兄さん、おじさんのところへ行くことにしました。
    電話をして駅で待ち合わせすることにしました。

    叔父「とうとう知ってしまったんだね」
    叔父の話はよく分かりませんでした。
    今のママはパパの後妻だそうです。
    本当のママは強姦に合い、私を身ごもったそうです。
    それでもママを愛していたパパは実子として私を受け入れてくれた。
    だけど、私が2歳の時、道路に飛び出たところをママがかばって事故死。
    パパはその後、家によく遊びに来ていたママの親友と再婚。そして妹が生まれた。
    そのパパも、今はどこかの女のところへ通っている。

    あんなに愛してくれたパパもママも他人だったなんて。
    そして、私が原因でみんなを不幸にしてしまった。
    私なんて生まれてこなければよかった。
    私はどこへ帰ればいいのだろう・・・

  21. 22 匿名さん

    22歳 心機一転ライブドアに入社する。

  22. 23 匿名さん

    23歳
    ピピピピピ、目覚ましが鳴る。今日も頑張ってお仕事しよう♪
    トーストを焼きながら夕食の残りでお弁当。
    ホリエモン社長には本当に感謝しています。
    あの日、自殺しようとしていたところホリエモン社長に助けられ、
    その上会社の社員にまでしてもらいました。
    仕事はコピー取りやお茶酌みでなれないけれど、先輩方が教えてくれました。
    現在手取り12万円です。
    4畳一間のアパートだけど、借り上げ社宅なので1万円。私のお城です。
    制服支給なので生活費4万円。
    家への送金2万円。
    残りは全て持ち株会に使っています。
    同僚は財形や保険に掛けたりもしているようだけど、
    持ち株会は会社の補助があるから、財形よりもず〜っと有利です。
    いつか両親のために1戸建てを建ててあげるのが夢です。

  23. 24 匿名さん

    24歳
    社長が逮捕されるなんて。。。
    社長のいないライブドアに未練なんかないわ。
    辞表出して、無職になる。

  24. 25 匿名さん

    25歳
    最近、話題のニートになる。

  25. 26 バカレンジャー

    26歳
    失業手当の支給も終わり、何気に職業訓練校で
    PCインストラクターの資格を取って再就職をしました。

  26. 27 たまこ

    27歳

    PCインストラクターとして再出発したわたし。
    インストラクターといっても、ほとんど毛が生えた程度のキャリア。
    それでも、必死になんとか形になりました。
    そのおかげで貯金も少しずつたまってきた感じ。

    今のアパートもいいけれど、いつまでもアパート暮らしもなあ。
    マンション欲しいなあ。

    マンションを買うとして、頭金にはまだまだ足りない。
    もっと、もっと仕事をがんばらなくっちゃ。

    今のわたしは、仕事と貯金に夢中。

  27. 28 ちゃぶだい

    28歳
    ライブドア株はただの紙切れとなってしまって以来、絶対株には
    手を出さないと決めている私。
    最近気になるチラシがあるの。
    チラシを配るだけで副業になるというもの。
    チラシを見て購入した人の支払い金額の1部が入ってくるの。
    全財産を叩いて代理店になっちゃった。
    最近は、休みの日はチラシ配りです。

  28. 29 さる

    29歳
    ================================
    私は幸の祖父です。
    いや幸は覚えてはおらんでしょう。
    幸が2才のときに死んだ実母の父でございます。
    幸の母親は、私どもにとってたった一人の愛娘でした。
    その一人娘を交通事故で亡くしてしまってからというもの、
    妻は、ふさぎこむようになり、外部との接触を一切絶ちました。
    娘の3回忌でした。妻は近くの県道に飛び出して、
    大型ダンプに轢かれて死にました。まだ55歳の若さでした。
    妻の体は悲惨な状態で見る影もありませんでしたが、
    顔だけは、なぜか、無傷でした。
    これは私だけだったと思いますが、その顔が、娘の顔そっくりだったのです。

    以来、私は、妻と娘の思い出だけを糧にして、生き長らえてまいりました。

    すみません。こんなお話をするつもりではなかったのですが。

    実は、幸が昨日私を訪ねてきたのです。
    驚きましたが、すぐに幸と分かりました。
    彼女は、去年から始めたアルバイト先の社長という人を伴い、
    大きな澄んだ瞳でまっすぐ私を見つめ、長い沈黙の後こう言いました。
    「この人と結婚したいの。パパやママや妹やじいじやばあばには
    もうずうっと会ってないの。私は私を生んでくれたママだけしか、
    信じられないの。だからおじいちゃんに会いに来たの。」
    幸の瞳から、つうっと一筋の涙が落ちました。

  29. 30 ちゃぶだい

    30歳。
    私騙されてたの。
    社長が会社の経営のためにお金を借りるので、連帯債務者になってほしいと言われ、
    サインしたら、社長が行方不明。
    アルバイト先の会社に行っても誰もいないし、アパートには督促状がいっぱい来るし、
    どうしたらいいか分らない。
    とりあえずPCインストラクターの仕事で利息だけは納めているけれど、
    元金が全然減っていかない、どうしよう。

    今更両親には迷惑かけられないから、今夜から夜のアルバイトに行くことにしました。
    お酒を注いで話を聞いていればいいからということなので、私でも
    出来るかもしれない。

  30. 31 スレ主ちゃん

    31歳。
    私はは現在危機に瀕しています。いわゆる空腹という危機に…
    意気揚々と店に向かったはいいが、行くべき道を見失い街中を彷徨っているという現状。
    「何か食い物…」うわ言の様に呟いていた。
    泳いだ視線が捉えたのは地蔵…ではなくその手前のお饅頭。
    「神の恵みだ!」思わず叫んでいた。一応拝んだ後に饅頭に手を伸ばすと、”べしっ”
    「いてっ!」なんだ!?
    「これこれ小娘」
    手を押さえながら顔を上げると地蔵が笑っていた。
    「広い世の中じゃわし見たいのも珍しくはなかろうて」
    そ、そういうもんなのか、世界は広いな。いやそれよりも今は!
    「あの…その饅頭食べちゃダメですかね」
    「おぉ、食え食え」
    「じゃ遠慮なく…」
    ”べしっ”
    「痛いって!」、地蔵は笑っている。「食っていいんじゃなかったんですか?」
    ちょいちょいと地蔵は持っていた杖ですぐ隣の木を指す。木には何やら文字が彫ってある。
    『此処に供えられし物は地蔵に出来ぬ事を示してから頂け…』地蔵はにんまりと笑う。
    「つまり出来ない事言えたらくれると」
    地蔵はうんうんと頷いている。ふっ、それぐらい大した事ない。
    「よ〜しやろうじゃないですか」んでもってさっさと食事にありつくとしよう。
    「そこから歩くとか」
    地蔵は笑顔で俺の方に歩いてきた。
    「じゃあ空を…」
    言い切る前に俺の顔の高さまで浮いて来た。くっ、流石にこの程度ではダメか。
    問答は数十にも至ったが、いまだ私の手に饅頭はなかった。
    「日本狼を呼び寄せてみろ!」
    これならどうだ!
    地蔵がトントンと杖を突くと何処からか犬っぽい容姿の獣がわんさか集まってきた、しかも敵意丸出しで…
    「い、今の無し、無しにして!」
    言った途端に犬達は茂みの中へ帰っていった。
    「び、びびったぁ…」
    「ほれ次は何じゃ」
    この絶対に負かしたる!目的と方法の位置がずれ始めていた

    そのとき私の中にある考えが浮かんだ。
    「じゃあその饅頭を私に寄越すってのは出来ますか?」
    …沈黙数秒。。。「…かっかっか」、笑われてしまった…
    「旨く考えたな小娘、いいだろう持って行け」にひっと笑い返す。
    「んじゃあ遠慮なく」、口の中に放り込むと餡の甘い味が私を満たした。
    なんとなくだがこれで何とかなる気がした。
    「私はもう行くね」手を振って歩き出し、見えなくなった辺りで思いついて、振返り叫んだ。
    「出来ない事なんてこの世にないと思うよ!」
    地蔵に聞こえたかは解らないが、私は満足して家に向かって走り出しました。。。。

  31. 32 スレ主ちゃん

    途中で切れたので、残りを書きます。

    「私はもう行くね」手を振って歩き出し、見えなく
    なった辺りで思いついて、振返り叫んだ。
    「出来ない事なんてこの世にないと思うよ!」
    地蔵に聞こえたかは解らないが、私は満足して家に向かって走り出しました。。。。

    ・・・・・・う〜〜〜ん、いいお話だぁ。

  32. 33 ちゃぶだい

    33歳
    会社に夜のバイトがばれて首になってしまいました。
    とうとう、電気ガス水道も止められました。
    大家さんからは立ち退き命令が出されています。
    もう私も30代、お水商売では指名がつかず、着る物に出費ばかりです。
    今まで何とか手をつけずにいた貯金を下ろし、滞納していた家賃その他を整理して
    おじいちゃん家に来ました。
    おじいちゃんは何も聞かず、私を向かいいれてくれました。
    うれしかった!
    今までの生活のことを話し、おじいちゃんちに置いてもらう事にしました。
    朝は新聞配達、昼間はスーパーのレジ係、夜はコンビニでバイトです。
    こんなことでくじけてなるものか!

  33. 34 ちゃぶだい

    34歳
    田舎では車が運転できないと不便だからと、じいじが教習所へ通わせてくれ
    ました。
    休みの日は、じいじの作った野菜を集荷所へ持って行きます。
    今年は特に豊作だそうです。
    夜になると、じいじの友達が集まってきます。
    タクワンの漬け方や、栗ご飯も作れるようになりました。
    「じいちゃん、幸ちゃんをちょっと貸してくれや。
    まごがテレビ電話つうやつ買ったと言うんで、わしもしてみたくてな、
    幸ちゃん選んでくれや」
    「幸ちゃん、うちのカラオケ音が出ないんだけど」
    最近は、週末の夜となると近所のじいじやばあばが尋ねてきては、
    お手伝いをするとお小遣いを貰えます。
    借金も少しずつ返せるようになりました。

    しかし、暮れに来て、野菜が豊作すぎて、価格調整のため廃棄
    処分が決定されました。
    じいじは一気に老け込んで、一段と小さくなってしまったようです。

  34. 35 たまこ

    34歳

    おじいちゃんの家から再出発。
    人生をもう一度、やり直すの。
    もう、いい加減、自分のいたらなさに嫌気がさしたけれど、不思議と前向きになれるのは、
    おじいちゃんのおかげ。
    肉親の愛を初めて知ったような気がする。
    今までのわたしの人生は、いったい何だったんだろう。
    がむしゃらに生きてきたわりに、虚無感だけが残る。
    生活に落ち着いたせいか、自分を振り返る余裕も出来てきた。

    わたしも、もういい年だもん。そろそろ、ちゃんとした大人にならなくっちゃ。
    生活のためだけじゃなくて、自分も磨かなくっちゃ。

  35. 36 匿名さん

    おいおい34歳が二回あるぞ

    36歳

    やり直すと決めた人生楽しく生きなくちゃ。
    「みんなから喜ばれる料理を作れるコックさんになろう」そう思った私は料理学校へ通うことに。
    私だけ明らかに年齢が違うが、同じクラスの子たちは仲良くしてくれている。
    これがとてもうれしかった。
    今日も学校へ通う日だ。
    通学途中の横断歩道をわたるときにブーっというけたたましい音が聞こえた。
    意識が遠のいてく・・・・

    享年36歳。短い人生だった。

    ————————————————————終了—————————————————————

  36. 37 匿名さん

    その時ハッと目が覚め、自分の身体を確かめる。
    あぁ・・生きてる、夢だったんだ。
    私の人生っていつも前向きになったとたん暗雲が立ち込める。
    そんな波乱万丈な人生を過してきた私はいつも不安がつきまとう。
    今は平穏無事な毎日が過ぎているのだがそれだっていつ壊れるか・・
    心のどこかでいつも怯えこのような夢を時折みてしまう。

    さて、今日も夢に向かって頑張ろう。

  37. 38 たまこ

    37歳

    「幸・・・さち・・・さち・・・」

    誰かの声が聞こえる。

    「幸・・・わたしよ」
    誰?
    だんだん、意識がはっきりしてくる。
    声の主は、
    「おかあさん?」
    「幸!ごめんね、幸〜!」
    「おかあさんなの?」
    「苦労ばっかりさせて、こんなに若いのに・・・」

    目の前にいたのは、一度も会ったことのない若い女の人。
    でも、おもかげが、まるでわたしにそっくり。
    お母さん、本当のお母さんとわたしは会っている。

    どうして?

    お母さんは、泣き崩れて、わたしを抱きしめる。

    あたたかい、やわらかい、懐かしい。
    そんな気持ちが、わたしを包み込んだ。

    わたしの頬も、いつのまにかぬれている。

    「幸、まだ、あなたはここに来るべきじゃないの」
    「ここって?」
    「あなたは、もとの世界へ戻るのよ」

    そこへ、見覚えのある地蔵が現れた。

    「ひさしぶりじゃな、娘よ。」
    「あのとき、おまんじゅうをくれた!」
    「おお、覚えておったな、感心じゃ。
     わしがまた、力を貸してやるのじゃ。感謝せい」

    えええ?意味がわからない。
    目の前のお母さんが、にこりと笑って続ける。
    「また、いつか会いましょう。幸。
     わたしは、いつもあなたを見守っているから。
     今度こそ、幸せにおなりなさい」
    「お母さん!わたし、お母さんと一緒にいたい!」
    「待っているわ、いつかね。」

    地蔵が念仏を唱える。

    わたしを大きなめまいが襲った。

    -------------------------------------再生--------------------------------------

    「さち!幸!」
    誰かの声が聞こえる。
    「さっちゃん、さっちゃん、目を覚まして!」
    「幸〜!」

    目を開けると、白い天井が飛び込んできた。
    わたしは、病院のベッドに寝かされていた。

    助かったのだ。
    生き返ったのだ。

    今度こそ、本当に、自分の人生を生きよう。
    わたしの頬は、涙で濡れていた。

  38. 39 たまこ

    げええ。また、だぶるぶっきんぐ〜〜〜〜!!!!!!!

    39歳。

     実は、わたしは、1年間植物状態で、病院にいた。

     実の母の命日に、わたしは息を吹き返した。
     わたしは、37歳のままで止まってしまっていた。
     だから、本当は、もう39歳。

     

  39. 40 匿名さん

    たまこまたやってくれたな。
    気をつけれ。37歳でこんなに若くはないと思うぞ。

    40歳

    なんとか生き返ったが下半身不随となっていた。
    医者の話では、なおる可能性はまったくないらしい。
    生活もくるしく生きるのがつらい。
    もうだめだ・・・

  40. 41 ちゃぶだい

    41歳
    新聞配達から帰り、朝食の用意をする。
    「じいじ、朝だよ〜。じいじ・・・」
    じいじは眠るように死んでいた。

    お葬式には近所のじいじの友達が来てくれた。
    与作じいさんが、生前じいじに頼まれていたことがあるので、息子の事務所に
    来てほしいという。名刺を見ると法律事務所と書いてあった。
    翌日、法律事務所に訪れた私に思いがけない話が待っていた。

    遺言
    幸に全ての財産を譲る。
    ただし、山の土地、屋敷の土地建物は亀山不動産に売り、そのお金で残った土地に
    借家を建てること。建築会社は福富建設に頼むこと。
    幸よ、全てを売っても借金は残るだろう、それよりも借家にすれば日々の生活には
    困るまい。幸せになってほしい。
                           じいじ
    「じいじ・・・」
    涙が溢れてくる。

  41. 42 匿名さん

    天国で神様たちが会議をしている。
    大きな知恵の輪がカチャカチャと神様たちの手の中で音をたてている。
    どの神様も外れることはないだろうと制限時間までを持て余す。
    その時・・・チャリー−−ン! ひとつの知恵の輪が外れたのだ。
    天に召されたじいじはハッと顔をあげ神様から告げられたのだ。
    「生き返ることはできぬが、ひとつ願いをかなえてあげよう、何がいいかね?」

    じいじは残された幸のために「幸せのキャンディ」を願い出た。
    赤いキャンディを食べると10年若返り
    青いキャンディを食べると10年年をとる
    組み合わせることで別の動物にもなれるというもの。

    さて、不思議な幸の物語はこの後どうなるのだろうか。

  42. 43 スレ主ちゃん

    42歳
    明け方の公園の片隅に、寝間着姿の幸が倒れている。
    目を見開き、歯を食い縛ったまま絶命した幸の顔や衣服には、夜半の強風に煽られて散った桜の花弁が、幾重にも貼り付いている。
     やがて上空から「お迎え係」が二名、舞い降りて来た。
    背中に小さな羽根を付けた半ズボン姿のお迎え係の片方が、幸の顔をしげしげと眺める。
    「この娘さん、花粉症だったのかしらん、目が真っ赤に充血しちゃってる」
    「ふうっ、花粉症じゃないよ。脳溢血か何かの発作だったんだろう。そんなにじろじろ見てないで、目を閉じてやれよ、鼻を拭いて、口も塞いで、唇の端を持ち上げるんだ。ちょっと微笑み加減になるように」
    「ハイハイ。死に顔を美しく、美しい天国を見つめているかのような微笑を……と。せっかくのキャンディも もう要らないな。ア〜メン」
    「また、そんなことを言って、宗教色は御法度だって言ったろう。だから呼び名も『エンジェル(天使)』から『お迎え係』に変更になったんじゃないか。エンジェルが天国に運ぶんじゃなくて、お迎え係が高次の世界にお連れするんだ。第一、この国の人間は、たいがい無宗教なんだ。神も仏も信じてない。天国も地獄も、コーランも蓮の花もないんだ。『幼い頃から苦労を重ねて、社会に出てからも借金を払うために死ぬまで働いた』ただそれだけの人生でいいんだよ。」
    「へえ、そんなもんかねえ。イロイロと詳しいんだねえ、お迎え係一号は。借金返すために働いて死ぬ人生か。最期の日、せめてこの手にキャンディを握らせてやるか。」
    「まあ、そう言うなって。この世界には、いくら働いても不幸になる人もたくさんいるし、宗教がらみで憎しみあって、戦争して、自爆する人もいるんだから、家族と金に捧げる無宗教な一生もまんざら悪いわけじゃあないのさ」
    「そんなもんかねえ」
     準備が整うとお迎え係二名は、幸の魂だけを両脇から抱えるように、ゆっくりと抱き起こした。天空から眩い光が差して来た。
    「さあ、参りましょう」
     お迎え係一号に声をかけられた魂は、二名に付き添われて、賛美歌と般若心経、アラーの祈りと法華の太鼓、デキシーランドジャズ等が分け隔てなく流れる中、光に向かってゆっくりと昇り始めた。

  43. 44 ちゃぶだい

    43歳
    夢の中にじいじが現れた。
    赤いキャンディを食べるようにと言って消えてしまった。
    目覚めると枕元には赤いキャンディと、なぜか青いキャンディも。
    じいじ・・・
    もしも、好きな人が現れたら、その時に食べるね。

    不動産屋さんも建築会社さんもじいじの友達の息子さんたちで、みんな
    親切です。
    それでも出来るだけ便宜を図るようにと、弁護士さんが毎週来て、
    私の足代わりになってくれます。
    念のためと、第3者機関を入れてくれて、建物も頑強な造りになりました。
    不動産屋さんも、相場よりも高く買ってくれて、お金に余裕が出来たので
    弁護士さんが繰り上げ返済の手続きを取ってくれました。
    設計士さんが、アパートの1室を私用に設計してくれて、車椅子でも楽に
    生活できるようです。
    じいじありがとう。
    辛かった新聞配達は卒業できそうです。

  44. 45 匿名さん

    45歳
    どうやら、幸は1年もの間、眠っていたようだ。
    幸が、眠っている間、毎日のように、
    父、母、妹が交代で見舞いに来てくれていた。

    父「幸、うちへ戻ってこないか?」
    母「そうよ。あなたがいなくなってから、寂しかったわ」
    妹「お姉ちゃん、ごめんね。私。。。」
    幸「気にしないで。みんなが私を、もう一度、家族にしてくれるなら、やり直したい」

    そうして、再び、幸は、家族のもとへ戻ったのだが。。。

  45. 46 スレ主ちゃん

    46歳

    今思えば、ジャンケンなんて勝るはずないと思った。
    一度も勝ってない。今更ながらそう思った。
    勝たないから、いいことなんて何にもない。
    全部、奪われてきた。
    …なのになんだろう。今のこの展開は、幸はその時、そう思った。。。

    「ですから、あなたがジャンケンで私に勝ったら、このかばん、差し上げましょう。」
    そこには札束の詰まったカバン。借金を返して、一生遊んでも使い切れそうに無い額。

    「私は、旅をしているのです。…そう、人を探してね。
    しかしここ数十年、見つかる気配がないのです。
    探すのをやめようか…そんなとき!私はあなたに出会った!これも何かの運命です。
    もしジャンケンで私が勝ったら私はこの旅を続けようと…。
    もし負けてしまったら、この旅をやめることにします。
    ですから、あなたがジャンケンで私に勝ったら、このかばん、差し上げましょう。
    いらない物になってしまいますからね…」

    どう考えても怪しい人。しかもジャンケンときた。

    「どちらかというと、私はあなたに負けて欲しいのです!…旅を続けたいからね。
    そう、なぜジャンケンかといいますと?私、ジャンケンでは負けたことがないのですよ。
    ですからジャンケン、しましょう?」

    はじめから勝たないってわかってるのにジャンケンするなんて?ばからし、あほらし

    「ね、運試しだと思って…、はい、じゃーんけーん  ポン!!!!」

    あ、出しちゃった。いつもの癖でグーを出す。目の前の人はチョキを出す。
    …勝った??っ勝った!!いきなりこみ上げる嬉しさ、思わず顔がほころんだ。

    「…負けてしまいましたね、でもこれもまた運命。
    差し上げましょう。そして!…私のこの旅も終わりだ。
    最後の思い出をありがとう。ではまた!」

    目の前の人は笑いながら幸にカバンを押し付けて、後ろに後ろに走っていった。

    「そこの君、止まりなさい。そのカバンを返すんだ」
    幸が振り向けばそこにはたくさんのパトカー。手には拳銃。
    「手を挙げなさい!そのカバンもよこすんだ!」
    意味がわからないまま、手を挙げる。このカバンは、何?
    一人、警察が近づいてきた。

    「君は、いい戸市を歳をして、こんなことを。二人組みだったのか。もう一人は何処へ行った!」
    訳のわからない私は何も言わずにいると、警察が無線を取り出した。
    「それでは、逮捕します。手錠は…」
    逮捕、手錠…逮捕!幸は一目散に逃げ出した。右手には、大きなカバン。

    ジャンケンして、勝ったんだよね?なんで私、こんな***みたいなの?
    やっぱり、負けってこと?

    そう、これが、幸の 新たな長い長い旅の始まりだったのだ。

  46. 47 たまこ

    47歳

     逃亡者生活が始まった。
     パトカーの音を聞くたび、制服姿の人間を見る度、わたしは走った。
     カバンの中身は、まだ見ていない。
     中身なんてどうでもいいんだ。
     でも、なぜ、わたしは逃げなくてはならないの?

     疲れた・・・。
     ボロ雑巾のような体で、わたしは地面にしゃがみこんでしまった。

     あ・・・。
     何の気なしに、ポケットをまさぐった手に何かが触れた。

     キャンディ・・・。

     青い色と赤い色。

     そういや、おなかすいたな。
     キャンディなんて、なんの足しにもならないけども。

     疲れ果てた幸は、何もない空を見つめながら、口元にキャンディを放りこんだ。

     それは赤だったのか、それとも青だったのか・・・。

  47. 48 ちゃぶだい

    交番の前を通り過ぎる。警察官が見ているような気がする、ブルブル。
    しかし、私に気がつかない、ふ〜〜〜〜〜。
    48歳
    浮浪者生活にも疲れたわ。この冬は暖冬だからまだ良いけれど、
    これから寒くなるのに、どこで寝泊りしよう。
    カバンの中身には、相変わらず手をつけていない。
    町はクリスマス一色。おいしいものが手に入るかしら。
    何気なくガラスウィンドウを覗き込むと、え!若返った自分がいる。
    なっなんで?!
    それよりも、若しかして指名手配から逃れられる?

    そういえば借金はどうなったかしら。借家の売り上げを返済に回していたけれど。
    自動販売機の周りを探し、お金を必死で見つける。
    弁護士事務所に電話をして、返済が完了したことを知った。
    「今どこにいるの?」
    「ごめんなさい、それは言えないわ。今までありがとう。」
    早々に電話を切り、今後の見の振り方を考えた。

  48. 49 さる

    幸はガラスに映る自分を見ていた。
    赤いキャンディを3つ飲み込んでいたのだ。
    ・・・・・
    ・・・・・
    19歳。

    幸はハッとした。
    「レス番号と合ってない・・・」
    「管理人に会いに行く!」
    幸は走り出した。
    「でも管理人って何?人なの?誰?
    どこにいるの?」
    ただやみくもに走った。

    「あ!!」
    ビルの角にパトカーが2台。
    とっさに地下に潜る。
    「私とわからないはずなのにいやな習性・・・。」
    人はまばらだ。

    「私を探しているのですか?」
    後ろから肩を叩かれた。
    振り返ると、眼鏡をかけたオタクっぽいおじさんが、笑っていた。
    「私はF。管理人です。何かお力になれますか?」
    (ちょっとキモイな。この人・・)
    「はい。番号が・・・」
    「番号が?・・・・ああ、なるほど。合わない?」
    「ええ。なんとかなりますか?」
    「うーん」
    管理人はしばらく腕組みをして考えた。
    「無理です。」
    「え!?」
    「無理ですね。そんなこと。」
    「そんな。冷たい。
     このままじゃ困るんです。
     あ。
     じゃあ、枝番つけるとか。」
    「あのねえ。こないだメンテしたばっかしなの!
     だいたいここだけのためにそんな小細工できないの!」
    管理人はいきなり持っていたマジックハンドを振り回し、叫んだ。
    「ごちゃごちゃ言ってると、まるごと削除しちゃうぞ!!!!!
     この地下をよーく探索するんだな。
     おれが葬ったやつらの亡骸だらけだよ。」
    「なきがら?・・・」
    「そう。
     まあ、ゆっくり探すんだな。
     あんたの探してるもんも見つかるかもよ
     ・・・・
     じゃあな。
     見た目だけ若いおじょうちゃん。」
    管理人は髪をなびかせ走り去った。
    「あの人。
     長髪だったんだ・・・」

  49. 50 スレ主ちゃん

    49歳

    見かけが29歳に戻り、警察の目を逃れることに成功した幸は、たまたま逃亡先で知り合った地方廻り(ドサマワリ)の女剣劇一座と行動をともにするようになっていた。
    そして・・・・

    その年の秋、幸は、M−1グランプリ予選の舞台に立っていた。

    お笑いを始めたのは、座長の「さっちん、漫才やる気ない?」の一言がキッカケだった。
    見た目と実年齢の落差と、水商売で磨いた話芸は、必ずウケル。座長の目に狂いは無かった。

    舞台袖で待つ幸。
    緊張はしていたが、自ずと沸いてくる自信もあった。
    それは、練り上げたネタがベストの状態で、座長に叩き込まれた間の取り方、声の張り、舞台での動き、どれを取っても自分が一番だという自身があったからだ。

    「次はエントリーナンバー99、”一人フューチャーズ”です!張り切ってどうぞ〜!」
    司会が、幸の芸名を呼んだ。
    一瞬 表情が強張ったものの、幸は自分で自分の胸をドンと叩いて舞台へと飛び出した。

    「どうも〜、”一人フューチャーズ”です!」
    声を張り上げて叫ぶ。
    お客さんも審査員も目線は幸に釘付けである。
    「まぁねぇ、あたしがなんぼフューチャーズです!言うて叫んだところで名前覚えてくれはるお客さんいてませんわねぇ。
    それでね、今日は名前にちなんだ『あいうえお作文』考えてきましたよ。
    これは、名前覚えてもらう為の基本中の基本やからねぇ。いきまっせぇ〜。」
    「ほな、フューチャーズのふゅ〜!」
    「冬の終わりを告げる梅のように〜!」
    「フューチャーズのちゃ〜!」
    「ちやほやされたい〜!」
    「フューチャーズのず〜!」
    「ずっこけ一人芸人〜!」
    「出だしから縁起悪いわ!」
    すべてを一人でしゃべり尽くす迫力の舞台に 笑いに厳しいお客さんの口もゆるむ。
    滑り出し絶好調、その後も爆笑の渦は続いた。

    思えば、転んでもただでは起きない人生。それが幸の人生である。
    このグランプリでの優勝が結局、幸の波乱万丈人生の新たなる幕開けとなっていく。

  50. 51 ちゃぶだい

    50歳(見かけ30歳)
    例のカバンは貸し金庫に保管した。
    一躍時の人となった幸は寝る暇もないくらい多忙な生活に入っていた。
    3年先まで予定がいっぱい。
    何しろ芸風も凄い上、ミステリアルな部分も注目の的。
    トークショー番組に出ても
    「出身は?」
    「火星で〜す。移民してきました。」
    何もかもはちゃめちゃである。

    そんな時、3面記事を賑わせる事件が起こった。
    無銭飲食の容疑で逮捕された人物が実は連続強盗犯だったのだ。
    余罪の追及で4年前の郵便局強盗も自白。
    ただ、おかしなことに、4年前の犯行以後、事件は起きていなかった。
    犯人曰く、最初に出会った人間とジャンケンをし、負けたら足を洗うと言うことだった。
    犯人はジャンケンに負け、お金をその人にあげたと言っているが、真意のほどは
    調査中である。

  51. 52 さる

    52歳。
    (見かけ32歳)

    ついに出しました。
    ヘアヌード写真集。
    熟年だけど体の若さに目をつけたあのプロデューサーが、
    1年がかりで私を口説き落として。
    まあ、そろそろハチャメチャお笑いも飽きられてきた頃だし。
    今のバラエティは自分の肛門見せてるようなもんでくだらないし。
    ドラマっていったって所詮シロウト芸、底の浅さは今風の女優と大差ない。
    ここでもう一花って考えたわけ。
    契約金?
    1億よ。
    うそ?あんたばかね。
    あのね。私の写真集は1冊だけじゃないのよ。
    今後6年契約なの。年4冊の季刊誌ね。エッセイも写真集に少し載せるのよ。
    その契約金が1億円。
    年棒?
    松坂クンくらいかな。
    はははは。
    嘘よ。う・そ。
    んなわきゃないでしょ。
    でもそこそこ貰えるわよ。印税とは別にね。
    けっこう贅沢なくらしができるくらい。
    もうさ。この年になるとさ。
    お金なのよ。
    なに?その顔。
    あのねえ・・・・・・
    まいっか。めんどくさいし。

    その時、普段はめったに見ないテレビのニュース画面に
    幸は釘付けとなった。

    あ!あ!この人!
    ジャンケンの人・・・

    ・・・この連続強盗犯は、逮捕後の取り調べ・裁判での人定質問でも「ズレ主チャン」と名乗り、
    今日の最高裁判決に至るまで、結局本名を明かしませんでした。法廷での態度も同様で、人を
    くったような詩を何の脈絡もなく披露したり、自らの年齢のみならず、主人公の年齢も詐称したり、
    話の流れなどには我関せずで、周囲を混乱させるばかりでした。弁護側による精神鑑定では
    「責任能力は完璧にあり、むしろ知的能力は高くアインシュタインのベロに匹敵する。さもなくば
    ミックジャガーかジーンシモンズか、ええいそれがだめなら妖怪人間か」との、よくわからん見解を
    得ております・・・・。

    うーーーん。結局どんな判決だったの?
    あんたもわかんないの?
    そ。
    じゃ、まいっか。
    ねえ。チャンネル変えてよ。
    ちゃうちゃう。エンタの神様!
    ドランクドラゴンの鈴木が見たいのよ。

  52. 53 スレ主ちゃん(詩人バージョン)

    53歳。(見かけ33歳)

    胸元からベルトから、鎖があたしの全身をにぎやかに縛っている。
    黒いレザーのジャケットもミニスカートも、こんなにあたし似合っていたかしらん。
    痩せた白い足を編み上げの黒ブーツに通して、厚目の靴底で音高く土間を打つと、小さな南京錠をかたどったピアスが血管の透ける頬を叩く。

    そう、今日は写真集の初めての撮影会。
    プロデューサーのリリー・フランキーがテキパキと指示を飛ばす。
    たしは、命じられるままに、鏡の前で股を開いてみせる。
    パシャッ!パシャッ!パシャッ!

    これって、十代の頃にやってたアルバイトとおなじジャン。あの時から家族がバラバラになっていったんだよなぁ。

    窓の外から表の歩道を通り過ぎる子供たちの無邪気な笑い声。そして、かすかに下校のチャイム。
    あたしが捨てたものたち。
    巻きつけた鎖がちゃらちゃらと鳴って、じっとしていられなくなる。
    勢いよく立ち上がったので、急に高くなった視界に目が眩んだ。

    こんな人生、大嘘だ。

    撮影を終えて、スタジオを出ようとした時、かたわらの植え込みにうずくまる作業服が振り返った。
    あたしは反射的に目をそらす。男は少し困ったような笑顔になる。
    「サチさん、カバンを返してもらいにきましたよ。」
    えっ?
    息が詰まる。
    あたしは、タバコの封を開けて、青白い指先でタバコを取り出し、グロスリップで赤黒く光る唇にそれをねじこんだ。
    男は、あたしの唇からタバコを摘みとる。
    やっぱり少し困ったような笑顔。
    あたしの中から小さな叫び声がした。
    胸に下げた鎖は重すぎて、どうにもできなくて、その場からすぐにでも逃げ出したいのに、自分で巻いた鎖に繋がれて足が動かない。

    あたしの上で青い空が悠々と、はるか遠くまで広がっていた。

  53. 54 匿名さん

    53歳。(見かけは?歳)

    生きとし生ける者は全て白に還る それが自然の掟。
    自らの脚でサバンナを駆け巡るライオンも、木の上でほぼ一生を過ごすナマケモノも白に還る。
    その身の骨を曝け出し、生きていた証と屈強さを残す。
    白に還る前に、全ての者は紅い血を遺す。
    その鮮血は他の者の生きる糧となるだろう。

    サチは、一年前、あのズレ主ちゃんに呼び止められた時、恐怖のあまり、タバコを吸う振りをして、赤と青のキャンディを1個ずつ口に放り込んだのだ。
    次の瞬間、サチは、ライオンに変身し、ズレ主ちゃんに飛び掛った。
    男は、抵抗する間もなく、咽喉を噛み裂かれ絶命した。
    ワオオオオオォォォォ〜〜〜〜
    夕闇迫る街角に彼女の咆哮がこだました。

    やがて、通報により出動した警察隊がライオンになった彼女を麻酔銃で撃ち、眠らせて捕獲した。
    日本政府は、この事件をうやむやに葬るためによく調べもせず、サチを眠らせたままワシントン条約に基づき、ライオンの故郷アフリカへ送りつけたのだ。

    一年間、サバンナを走り廻ったサチは、すでに百獣の王として君臨していた。
    しかし、、、、その時は近づいていた。

    サチは、ライオンの姿のまま、誰に言うともなしに、語り始めた。
    フウウウゥゥゥゥ、ワタシも長い間生きた。
    アフリカのサバンナでは、他の者を狩り、それらの肉で腹を満たし、また次のを狩ろうとする。
    それの繰り返しだった。
    その生きた中で一度だけ、死を覚悟したことがある。
    狩りができる体力が無くなり、動けない状態だった。
    3頭のハイエナが此方の方へ向かってくるのがわかった。
    その時、ワタシは本当に死を覚悟したのだ。
    いくらワタシが強靭な牙を持ち、洗練された爪を持っていたとしても、それを動かす体力がないのでは、兔と同じだ。いや、兔より下だ。
    3頭の蒼い眼のハイエナが近づいてくる、ワタシを見つけた様子で案の定、取り囲んだ。
    「おい、なんだこいつ もうくたばりかけだぞ 」
    「喰っちまうのもいいが、こんな肋骨が丸見えなの喰っても美味しくなさそうだ 」
    「確かに、こんなんじゃ腹の足しにもならねぇな 」
    「おい、じゃあ行くぞ 」
    その直後だった、一瞬だけ力が甦り、1頭のハイエナに飛びついた。
    死力を振り絞り、ハイエナの体に噛み付く。
    鮮血が滲み出、大地に滴る。
    その時のワタシは理性を完全に失っていた。
    その後見たものは大地に付いたまだ乾ききっていない血と肉片の一片も付いていない骨だけだった。

    そして、サチは今度こそ死のうとしていた。
    自然の則に従い、還るために。
    この後サチは、ゆっくり還る、時間をかけて白に還る。
    百獣の王ライオンの姿のままで。今度こそ。。。。。

  54. 55 匿名さん

    この世にはほんとにひまじんがいるんだな

  55. 56 さる

    56歳。(見た目36歳)

    この世にはほんとにひまじんがいるんだな・・・
    サチはつぶやき愛用のマックを閉じた。

    もういい加減にして欲しいわ。
    いままでさんざんあんたたちの言うとおりに生きてきた。
    援助交際もしたし、シャブもやった。
    株もやったし、ニートにもなった。
    半身付随で新聞配達もやりました。
    PCの先生になったし、おみずもやったよ。
    連帯保証人にもなったし、田舎暮らしもした。
    あ、ホームレスもやったわね。
    指名手配までされちゃって。
    ホリエモンとか地蔵とかジャンケンのズレチャンとかオタクの管理人とか
    変わった人たちともたくさん遭遇した。
    漫才師から芸能界で一斉風靡もして裸の写真もいっぱい撮ったよ。
    お金だってどれだけ出てってどれだけ入ってきたのか、わかりゃしない。
    メルモちゃんのまねごとまでやっちゃって。
    だいたいあたしは何回死にかければいいのよ。

    ・・・まあいいわ。そこまでなら。
    でも、なんであたしがライオンになんのよ。
    白いライオンならジャングル大帝じゃん。
    メルモちゃんといいレオといい、手塚先生に申し訳ないわ。
    ほんと意味わかんない。
    しかも白くなって死の目前だって?
    冗談じゃない。
    あしたのジョーじゃあるまいし。
    おまえはホセ・メンドーサか。
    力石徹が死んじゃった時はホントに葬式出したこと知ってんの?

    ぜーったいイヤだかんね、こんな死に方。
    ライオンで逝っちゃうなんて。
    反則覚悟で、知り合いの管理人ちゃんに頼んで削ってもらうかな。
    あ、いやいや、ありゃそのまま置いといた方が面白いか。
    うーん、どないしょ。

    ま、いっか。
    あとは野となれ山となれってね。
    あたしの人生、まんまです。

  56. 57 匿名さん

    57歳。(見た目57歳)

    日差しが眩しさを通り越して網膜を焦がす。
    瞼は開いているのか、いないのか。
    あれからすぐ魔法が解け、サチは人間の姿に、本来の年齢に戻っていた。
    しかし、衰弱した体は、動かず、死んだように横たわったままだった。
    何もかもが曖昧になり、脳味噌の中の自我が蒸発していきそうに感じられたとき、視界の隅っこが小さな黒点を感じた。
    「…人…助かるのか……」

    「たいへんじゃったぽう。何があったんだぽう」
    村の小さな民家には、原住民の女が一人いるだけだった。
    「亭主はぽう、狩に出てる。明日には帰るぽう。そしたら町まで送ってもらえるぽう。
    それまでゆっくり休むが良いぽう」
    不思議な訛りのある女は、サルサル族の「モンモンキッキ」と名乗った。
    彼女は明朗闊達だった。
    「それを食べたらぽう、ゆっくり眠りなさいぽう。奥の部屋にぽう、床とっといたでぽうぽう」
    女は、腹いっぱい食わせて、寝かせてくれた。

    「……あれえ、帰りは明日じゃなかったのんかぽう……ああ、お客があって……」
     どれくらい眠っただろう、隣室の物音に気付くと「モンモンキッキ」の声が聞えた。
    「……可哀想じゃ……そりゃあ、そうだけど、薬は入れたから、大丈夫だぽう…」
    「久しぶりに宴会だ。たらふく食えんぞ」
    亭主の低いだみ声が終わると、二人の忍び笑いが長いこと続いた。
    サチは、すぐに逃げようとしたが、手足が痺れて自由が利かない。
    よほど強力な薬を盛られたのだろう。
    舌も根元から痺れて、声も出ない。
    消耗した体力の所為か、薬の作用か、意識は再び遠のいていった。

    「ひ、人喰い人種、はっはっはっはっ。オラ達がそんなもんに見えましたか。こりゃあ面白い」
    町に向かう馬車の上で、亭主が快活に笑った。
    全ては極度の疲労と緊張が生み出した幻聴だったのだ……と安心した刹那、後頭部に激痛が走り、意識が遠のいた。

    馬車は高い煙突のある町に着いた。
    モンモンキッキと亭主が”獲物”を抱えて到着すると、たくさんの人が出迎えた。
    「よく太らせた獲物が安心して喜んでいる瞬間に捌かないと、肉にエグミが出てしまう。〆方が難しいのよぼう。」
    彼らは、声を合わせて笑った。

  57. 58 さる

    58歳。

    う。う。うううう。
    暑いな。
    暑い・・・。
    ・・・うん、あつい。
    あつい?熱い?
    ・・・・・・・・・・・・
    ・・・・・・・・・・・・
    え?
    ・・・・・
    アジーーーーーーーーーーー!!!!!!!
    アチアチアチアチアチアチッ!
    うわ!なんじゃこれ!

     サチは猛烈な熱さの中で覚醒した。
     目の前は火の海だ。

    なに?火事?
    えーとえーーと、うーんと、なんだっけ。えーーと、
    ひゃくとうばん!
    いや、そりゃあかん、一番かけちゃいかん所だ。
    じゃなくって、ええと、106!
    そうそう相手に料金払ってもらえるからな。
    ってコレクトコールじゃ!
    そうじゃなくて!
    あ!そうだ!119!

     ひとり漫才の癖が抜けないあほである。

    あれ?手が動かない。なにこれ?

     サチはロープでぐるぐる巻きされていた。
     後ろ手にしっかり縛り付けられて、おまけに南京錠まで。
     まわりをぐるりと見渡すと煉瓦造りの炉のようだ。

    どうすりゃいいのよ、あたし焼けちゃうじゃん。丸焼けじゃん。
    やだやだやだやだ、やだーーーーー!!!

     サチの叫びは轟音でかき消された。

    ん?
    そういえば・・・・・・・・。
    これ。
    やったことある。
    いつだったか、ナイナイといっしょにやった番組の、あれよ。
    そう!
    大脱出!

     サチは何年か前、お笑いのナインティナインと大晦日の夜中に、
     猛然たる火炎の櫓から脱出するというテレビ番組をやったことがある。

    あれと同じじゃん。

     サチの手とからだが動いた。

    ・・・・・・数分後・・・・・・・・・

    「おおおおお!!!!」
     サルサル族が声を挙げ、次々と地面にひれ伏した。
     真っ赤に焼けた炉の向かい側に掘られた井戸の中から、食うはずだったサチが、
     つるべと共に昇ってきたのである。
     サルサル族に神が降臨した瞬間であった。

  58. 59 スレ主ちゃん(詩人バージョン)

    59歳

    夏至の太陽を十数える年になると、サルサルの子どもは大人になる支度を始める。
    焔鳥の革で自分の凧を作るのだ。
    風の恵み豊かな日は、大人たちは凧を掲げて神の山の尖った頂に立つ。
    焔鳥の革は生きていた時のままに風を孕んで熱を持ち、凧は空へ舞い上がる。
    村人は崖に巣を作る焔鳥を狩り、岩に根を張るハルカアオイの熟した甘い実を採る。
    神であるサチに捧げるために。
    神の山に湧く僅かな泉を守る砂漠の村の、それが暮らしであった。

    一年がたった。
    サルサル村の神にも飽きたサチは、日本へ帰る方法を探していた。しかし。。。

    何しろここは、サハラ砂漠の真ん中、盗賊もパリダカも近づかぬ、偵察衛星からも砂嵐によって隠された、地図にも載っていない秘境中の秘境。
    日本に帰るには、巨大な飛行生物でも捕まえて、それに乗って砂漠を一息に飛び渡る以外に方法は無さそうだった。
    そして、そのチャンスは、意外にも早く訪れた。

    予兆である蒼の満月は尖った墓標のような岩壁の遥か高みをわたり、光届かぬ谷の底で横たわるサチは灰色の上着を掻き合わせる。
    サルサルの村の夜なら、そこはかとない獣の息遣いや砂の流れる音が子守唄となるが、この竜の谷で夜に蠢くものはない。
    裸の足に触れる砂さえも硬く冴え冴えとして、棺の中にいるように一切の音がなかった。
    組んだ細い腕が懐の短刀に触れた。
    永遠を思わせて凍りついた谷の夜がまばゆい地平の光に破られ、一年で最も大きな太陽が姿を見せた。
    力強い日差しが、遠く東へと広がる砂の海と鋭く切り立った岩を金色に染めあげると、足元で砂が騒ぎ出した。
    どおんと大きな音がして大地が沸き返る。
    たちまち十以上もの竜が姿を顕し、黒々とした節が幾つも連なる胴を空に向けて艶やかに伸ばした。
    サチは一番に頭を出した大きな竜に駆け寄り、節の間を狙って短刀を突き立てた。
    竜はものともせずに身をうねらせて空へ昇る。
    サチは柄を握りしめて竜の背にとりついた。
    指の太さほどもある黒い剛毛を掻き分け、短刀と節を手懸りに這い登る。
    幾度も突かぬうちに刃が折れた。
    サチは折れた短刀を咥え、硬い毛を掴んでまた登り始めた。
    手の皮が赤く剥ける。
    歯をぎりっと噛みしめて耐えた。
    砂と血の味がした。
    一際黒く光る頭に辿り着くと、風が轟々と頬を切りつけた。
    今や遥かなる天をおよぐ竜の複眼の上で、サチは幾つもの黒い波を従えて東の日輪へと巡航していた。
    金に輝く砂の地平にゆっくりと夏至の蒼茫が降りていき、光に洗われた新しい世界が生まれる。
    サチは折れた短刀を、空へ高く突き上げ、そして、東の空に向かって飛ぶように竜に命じたのだ。
    日本へ向かえと。。。

  59. 60 スレ主ちゃん(詩人バージョン)

    竜はサチを載せたままサハラ砂漠を飛び越え、アラビア半島上空に到達した。
    しかし、そこにはアメリカ軍が湾岸戦争時に、イラク軍が発射したスカッド・ミサイルを撃墜するために配備したパトリオットミサイルが残されたいた。
    射程の延伸、対ECM性(ECCM)やジャミング機構の向上、低高度目標撃墜能力の付与といった機能向上がなされたそれらは、レーダーシステム連動で認識信号を出さない飛行物体を 自動的に攻撃するようプログラムされていたのだった。。。。

    60歳
    撃墜されたサチは、見知らぬ国に不時着した。

    その国には、料理にうるさい王様が住んでいた。
    彼は王宮に世界中の優れた素材を集め、名高い料理人を雇い、毎日贅沢な料理に舌鼓を打っていた。
    しかし、満足できず、更なる料理を求めてお触れを出した。

    『世界最高の料理人よ、集え!わしを満足させた者には、背負い切れぬ程の名誉と天の星々に匹敵する富を与える』

    集まった料理人はおよそ百人。
    会場はお祭り騒ぎ、その料理の数々は、居合わせた人々の期待と涎を集めることに成功した。
    その様子を満足気に眺めると、王は早速料理人を呼ぶことにした。
    一人目の料理人の口上が読み上げられた。
    「海山の秘宝、全ての大地より取り寄せし、一流素材の料理でございます。陛下の御心を深く揺さぶること間違いなしでございます」
    しかし、それはいつもの食事と変らなかった。

    王は少し不満げな顔をすると、次の料理人を呼んだ。
    「ここに揃いしは、奇妙奇天烈にして究極の珍品で作られた料理でございます。恐れ多くも陛下であっても、口になされた物がないと自負しております。」
    恭しく捧げられた料理を見て、確かに口にしたものがないと王は思った。
    ただ、それらを料理と呼ぶには、あまりにも冒涜的であり、結局、彼は一切口にせず、次の料理人を呼んだ。
    だが、その次もその次の次も、王を満足させる料理はなく、食べただけ期待が減り、減った分だけ料理が腹に詰めこまれただけだった。

    最後に一人の女料理人が現れた。
    「今まで、さぞやご満腹……いや、ご立腹でしょう。私の料理で陛下の期待に応えたいと存じます」
    もうあまり期待もしていない王の前に出された料理は、なんの変哲もないおにぎりだった。
    怒る気力もなく、機械的におにぎりを口に運んだ王の目に驚きの光が宿った。
    ただのおにぎり。
    しかし、それは今まで王が体験したことのない新鮮な味がした。
    「こ、これは、一体……女、なにを入れたのだ?」
    問われた女料理人は微笑を浮かべると一言。
    「一さじの愛情でございます」

    こうしてその女料理人は、背負い切れぬ程の巨大な名誉と天の星々に匹敵する富、そしてアラブの王の后の椅子を手に入れたのだった。

    そう、その女料理人こそ、サチその人であった。

  60. 61 匿名さん

    長文は読むのがつらい。
    もちょっとわかりやすい物語にしませんか?
    次の主人公の100歳物語に期待します・・

  61. 62 ちゃぶだい

    62歳.
    365番目の后となった幸は、時間を持て余していた。
    王の部屋には入れるのは1年に1度。
    そこで、幸は王にある提案をした。
    「クルージングで世界1周をしたいわ。」
    王は快く受け入れ、幸をはじめ、行きたい者を船旅へと送り出した。
    しかし、太平洋で嵐に合い,船は沈没。
    救命ボートで脱出した幸は、ボートから振り落とされ,気が付いた時は
    小さな無人島へ。

  62. 63 匿名さん

    63歳
    腰が90度曲がった。

  63. 64 スレ主ちゃん(詩人バージョン)

    64歳

    その島は、五月だというのに冷たい風が駆け抜け陽の光を遮る笹の葉を落とす。
    笹の葉は地に着く寸前で地を這う突風に拾われ弧をかいて舞う。
    無人島を調査に来たその男、茶武台は説明のつかない恐怖を覚えた。
    島の頂上辺り、道の側にそびえる松の根に独りの女が倒れている。
    女は派手な模様の入った着物を身に纏い傍らにキャンディーのビンを抱え木の根に寄り添うように倒れていた。
    「如何なされました?」茶武台は駆け寄り声をかける。
    その声で女はだるそうに目を開いた。
    そして言った。
    「早くこの島を去りなさい。ここは人の来るべきところではありません」
    「どうして横たわるあなたを捨て置きここを去ることができましょう」
    そういうと茶武台は女を抱え上げようとした。
    しかし女は見た目よりひどく重く体を起こすことすら出来なかった。
    「おやめなさい。私はここに留まる。運命に抗い深き罪を補うために」
    「深き罪?」
    「そう、私は人を食ろうた」
    「人を…」正重は思わず言葉を失った。
    「私とて食らいとうて食ろうた訳ではない。しかし、ここの場所を取り巻く悪しき運命は私を自然の摂理から引き剥がした。それがなければ私はただ花と戯れ一生を終えていたであろうが、私は生きる
    ために多くを奪わなければならなくなった。そして人を食ろうた」
    女は茶武台とは目を合さず傍らのビンを撫でながら話した。
    「私はサチという。不幸の幸という字だ。不幸にも何も知らずここに踏み入れた者たちにこの悪しき運命に呪われた峠に踏み込まぬよう伝えてくれ。」
    「わかりました…」
    茶武台は女を抱きかかえるのを諦め独り立ち上がった。
    「しかしあなたをこのまま野垂れ死にさせる訳にも行かぬゆえせめて近くの小川で水を汲んできましょう」
    これに対しては女は何も言わなかった。
    女はただ微笑んで、目を閉じた。
    茶武台が水を汲んで戻って来たとき女はいなかった。
    同じ場所には見たこともない牛ほどもありそうな異常に大きな蜂がキャンディーの入ったビンを抱えたまま横たわっていた。
    この運命に翻弄されたのであろう蜂は最後には運命に抗えたのだろうか。
    茶武台は水の入った竹筒を蜂の傍らに置き、地を這う風をかき分けながら海岸へ向かって歩き出した。

  64. 65 ちゃぶだい

    65歳
    幸の周りには草一つ生えていなかった。
    手の届く範囲のものは全て食べつくしてしまった。
    幸の周りには、ただ風が舞っているだけ。遠くで波の音が聞こえる。
    キャンディのビンは、蜂となった幸にはあけることが出来なかった。
    幸は考える。本当に私の人生は不幸だったのだろうか、
    だが、じいじとの生活は貧しくても楽しかった。
    芸能界、王室での生活、一般人には出来ない生活もした。
    私はここに留まる。運命に抗い深き罪を補うために。
    しかし、一目日本に帰りたい・・・
    意識が遠のく中、笹の葉の音がしていた。

    気がつくと幸は人間の姿に戻っていた。
    しかし、やせ衰え、手足はまるで90歳の老婆のようだった。
    這うようにして川まで行き、一口水を飲む。
    ふ〜〜〜、まるで生き返ったようだ、お水がこんなにおいしいなんて。
    波打ち際まで行くと幸はキャンディを一握り口に入れ、静かに波に飲まれていった。
    幸はシャチになった。
    波の音と笹の葉のこすれる音だけがしていた午後だった。

  65. 66 スレ主ちゃん(詩人バージョン)

    66歳

    シャチのサチ(洒落でっか?)は太平洋還流に乗一路日本を目指していた。。。。

  66. 67 ?1/2??±

    67歳

    シャチのサチは、鮭のようにただ本能のおもむくまま、泳ぎ続けた。
    その体は、しなやかで力強く、とても67歳の生命体とは思えぬ泳ぎであった。

  67. 68 匿名さん

    68歳

    そうだ,名古屋城に向かって泳ぐんだぁぁぁl

  68. 69 ちゃぶだい

    69歳
    しかし、いくら泳いでも島から離れることは出来なかった。
    気が付くと海岸へ戻ってしまう。
    幸は亀の長老のところへ行った。
    「フォッ、フォッ、フォッ、さては陸のものを食べたな。
    北の入り江にブラックパールが沈んでおる.ブラックパールには名前と人生が
    掘り込まれているそうじゃ。
    自分のブラックパールを探し、それを飲み込むと呪縛から解き放たれると聞いたことがある。
    フォッ、フォッ、フォッ。」
    幸は、北入り江へ向かったが、自分のブラックパールが見つからない。
    老眼か・・・

  69. 70 さる

    70歳。

    泳ぎが達者なシャチのサチは、古希をむかえても、
    筋骨隆々で、色浅黒く、
    伊勢の海女のごとく、光り輝いていた。
    からだにオイルでも塗ってポージングすれば、
    タイミングよく合いの手がかかりそうである。

    一人で生きることも、漫才があるから、飽きることは無い。
    しかし、目の衰えはいかんともしがたく、サチの老眼はますます
    ひどくなっていた。

    海中深く潜る。
    「今日は何を食うか。
    そういえばシャチになってから果物を食べてない。
    でも無理だな。きっと。」

    呼吸のため浮上し、
    しばらく入り江を探索する。

    「あれは?」
    岩場に張り付き赤く群生する貝のようなものを見つけた。
    「なんだろう?」
    齧ってみる。
    ガリッ。
    「硬いっ。」
    少し割れて中から透明の内臓がシャチのサチの口に滑り込む。
    「あ、これ、ホヤじゃん。」

    昔バラエティのロケで行った仙台を思い出す。
    国分町の一杯飲み屋だった。
    「あれなんだったがなや、あのさげ、名前忘れたべ。んだばウマがったなや。」

    また思い出した。
    「ホヤって海のパイナップルだって店のおやじが言ってたな。
    「果物だ。」
    味わっているうちに、涙が出た。
    「なんであたし泣いてるんだろう。」

    最後の一房が岩に張り付いている。
    殻を思いっきり噛んだ。

    「あいたたっ!」
    サチの両目にホヤの殻が刺さっていた。
    今度はあまりの痛みに、滝のような涙が流れ落ちた。

    目にホヤの殻が刺さったまま七日間が過ぎた。
    シャチのサチの目に変化が起きていた。
    「あら?見えるのか?」
    近いものでもはっきり見える。
    ホヤの殻が老眼レンズになっていた。
    ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
    ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
    日本のレンズメーカー誕生の一巻。

    おそまつ。

  70. 71 ちゃぶだい

    老眼レンズを付けた幸はブラックパールを探す。
    しかし、なかなか自分の名前のパールが見つからないので、内心あせってきた。
    「昨日はここまで探したから、今日はここから。
    何々、さる?、スレ主ちゃん?、この辺は変な名前が多いのう、はてはて・・・」

    何ヶ月経っただろうか、やっと自分のブラックパールを見つけた幸はそれを飲み込み、
    今度こそ一路日本を目指した、日の出ところへ。
    71歳、まだまだ現役!
    夕日が沈み、海が赤く燃えていた。

  71. 72 スレ主ちゃん

    71歳

    幸はようやく日本近海まで辿り着いた。
    しかし、紀伊半島沖でタイチ漁港の定置網にかかり、港の生け簀に囚われてしまった。
    そのまま数ヶ月。
    声を出せないシャチの幸は自分が人間だと周りの人に知らせる事ができないままだった。
    なんとか、判ってもらおうと考えた幸は、いろいろな曲芸をして見せることにした。
    足し算、掛け算わおろか、氷川きよしの物まねさえやって見せた。

    メガネをかけた物真似天才シャチ現る!
    日本中のマスコミが騒ぎ始めた。
    そして、ついに正月放送の恒例隠し芸大会の中で、特別番外編として、堺正章との隠し芸対決が決定した。

    シャチになったとはいえ、堺正章は、かつて漫才師として芸能界デヴューした時以来の憧れの大先輩である。
    久々に幸は、燃えた。
    出し物は、ホヤ貝のグリグリメガネを生かして東海林太郎の物真似に決定。
    さっそく猛練習が始まった。

  72. 73 ちゃぶだい

    満72歳(スレ主ちゃん、年齢がスレ番号と違ってる〜)
    あれからというもの、来る日も来る日も幸は猛練習を繰り返していた。
    そして元旦の朝を迎えた時、幸は人間に戻ってしまっていた。
    「折角の猛練習が台無しじゃわ」
    陸に上がった幸は、腰は曲がりよぼよぼの老人だった。
    倉庫で作業服を見つけ、それを着て、首にはキャンディの瓶をぶら下げ、
    宣伝旗の棒を杖代わりによぼよぼと田舎を目指して歩いていった。

    世間では、突然のシャチの失踪に対し、誘拐説、敵前逃亡説などが上がったが、
    人の噂も75日。いつしかシャチのことは忘れ去られていった。

    73歳
    幸はやっとの思いで田舎にたどり着くことが出来た。
    しかしアパートは既に住んでいる人がいるらしく、庭に洗濯物が干してある。
    幸は考えあぐねた末、じいじのお墓参りに行った。
    お墓は、お寺さんが掃除してくれていると見え、きれいになっていた。
    墓前に花を手向け、
    「じいじ、帰ってきたよ。じいじのおかげで楽しい人生じゃった、ホホホ」
    しばらく墓前で、独り言をぶつぶつとつぶやき、そして幸はまた旅立っていった。
    自分の財産を取り戻すために。

  73. 74 スレ主ちゃん(詩人バージョン)

    満74歳

    幸は財産を取り戻すための旅を続けていた。
    そして、そんな旅の途中で迎えたクリスマスイヴ。。。

    インドでもないのに、道の真ん中に牛がいた。
    あの、白黒のホルスタインではなくて、地味な和牛だ。
    さすがの幸も一瞬たじろいだ。
    牛はこちらに尻を向けている。
    時々、しっぽを振ったりする。
    「もう、なんでもありね」
    幸は小さくつぶやくと、静かに首を横に振った。
    確かにその通りだ。
    いい加減にした方がよいのかも知れない。
    しかし、話は続く・・・

    大人しい草食動物とは言え、牛はデカイ。
    生で見ると威圧感がある。
    つまり、怖い。
    普通、牛は大人しいと思われているし、きっとそうだろう。
    しかし、こんな、道の真ん中で人様に尻を向けている牛が、普通と言えるのか。
    たぶん普通じゃない。
    ことによると、ものすごく怒っていたりするのかもしれない。
    何に対して?
    もちろん、僕ら人間に対してだ。
    復讐を胸に誓って、牧場を抜け出した牛(しかも美味しそうな和牛)。
    最初に出会った人間がその復讐の犠牲者だ。
    そんな風に思ってみると、しっぽの振り方に殺意と苛立ちが…。
    「どうしよう?」
    幸は震える小声で自分に訊いてみる。
    どうするも何も、あたしは先に進まなくてはならない。
    道はこれ一本だ。
    幸は意を決して歩き出す。
    が、すぐ止まる。
    何か投げたら、あっちへ行くかもしれない、と思ったりする。
    でも、あっちへ行っても、意味ないじゃない、とすぐに思い直す。
    あたしもあっちへ行くのだ。

    さらに幸は考える。
    「それに怒ってこっちに来たら…」
    幸の顔には、滅多に見せない不安げな表情が浮かんでいた。

    「とりあえず…」
    そうつぶやいて、幸は、僕は前進する。
    実は何も考えていない。
    幸の行動は、だいたい、いつもそんなもんだ。
    注意深く近づくとかえって刺激しそうなので、出来るだけ普通に歩く。
    牛は相変わらず向こうを向いたままだ。
    幸的にはかなり接近したなと思える地点に来ても、まだ、よそ見をしている。
    と、その時、牛の耳が動いた。
    幸はぎょっとして、立ち止まる。
    牛が振り返る。
    なぜか顔の真ん中に貼り紙、貼り紙には文字。

    ”メリークリスマス。牛肉は好き?”

    この情況でそれはないだろう。
    だが、牛は幸の答えを待っている。。。。。。

  74. 75 ちゃぶだい

    75歳
    幸はとあるマンションの前にたたずんでいた。
    暖冬にも拘らず牛の毛皮のコートに毛皮のブーツ姿、乾燥された牛肉をかじっている。
    そう、これは去年のサンタさんからの贈り物。
    ここは芸能人だった時に購入したマンション。
    管理人に頼み込むと、インターフォン越しに
    「何方ですか?」
    「幸だけど。お宅の本当の持ち主よ!」
    「ね、ねえさん?!」

    幸はリビングに通され、妹は震える指でお茶を出す。
    「まさか生きていたなんて・・・」
    幸が行方不明となって、その後全財産を妹が相続していた。
    妹は結婚し、孫も出来て幸せそうだった。

    幸はお茶をすすりながら
    「きれいに使ってくれているのね。私の私物はどうなっているのかしら?」
    私物はほとんど処分されており、形見として宝石箱が残されているだけだった。
    宝石箱はカラクリがあり、隠し引き出しの中には、あの隠し金庫の鍵が
    残されていた。
    幸は考える。
    静かに、ゆっくりと時が過ぎていく。

    「いずれは私の財産はあなたが継ぐことになるでしょう。
    このマンションもあげるわ。でも、当時の預金分とアパートの売り上げは
    私に振り込んで頂戴。」
    妹は不平ながらも承諾した。

    幸は貸し金庫に賭けたのだ。
    銀行へ行き、貸し金庫を開けると、当時のままの大金が納まっていた。
    時効はとっくに過ぎている。

    幸はそのお金を少し出し、銭湯、美容院、デパートめぐりをして身支度を
    整えると、タワマンのモデルルームへと行った。

  75. 76 匿名さん

    まだ続いていたのか(`s´)

    76歳
    金の亡者となった幸は大量の札束が詰まったバックを抱えて銀行をでた。
    そこにトラックがっ!
    幸死亡。享年76歳。金に汚い幸にふさわしい最後だった。
    悲しむものは誰もいない寂しい人生・・・あなたならどう思う?

  76. 77 天才アルキ麺デス君

    77歳

    そこに現れたのが,天才アルキ麺デス君.

    ポンカラキンコンカン♪

    幸は永遠の生命を持つサイボーグとして,よみがえった.

    お金は天才アルキ麺デス君が戴くよ〜〜〜ん♪

  77. 78 スレ主ちゃん

    銀行の前でトラックに轢かれて死亡したのは、かつて「私の名前は不幸の幸って字なの。」と、名台詞を残してスレ主ちゃんを振って去っていったあの幸(ゆき)であった。

    77歳
    幸(サチ)は、元気に暮らしていた。
    購入したのは、東京都港区芝5丁目にある白亜の超高層マンションの最上階。
    鹿島建設が世界最高の技術を結集して作り上げた広さ200坪はあろうかという億ションである。

    「まあ、築10年の中古なのに、販売当時より値上がりしてるのね。」
    サチは、そのマンションを紹介してくれた不動産会社の担当者に嫌味を言い、
    「キャッシュで買うから、水廻りはそちらの負担で最新設備にリフォームしてね。」
    と言って購入したのだった。
    都営三田線浅草線から徒歩3分。JR田町駅まで徒歩7分のそのマンションは、実に快適だった。
    晴れた日には、黒く聳える六本木ヒルズから白く輝く富士山、青く静まる東京湾まで見渡せた。
    夜には新宿超高層ビル群を背景に、イルミネーション輝くトウキョウタワーを見ながら大理石貼りのビューバスに使ってシャトーブリオンの35年物を飲むのが日課になった。
    サチは幸せだった。。。。

  78. 79 アルキ麺デス君

    ↑ 勝手に人の話を踏みにじるなよ!!
    てめ〜〜の話もぶっ壊してやろうか?!!

  79. 80 スレ主ちゃん

    80歳 サチは幸せに暮らしていた。。。

    その頃、中国・国防省科学技術アカデミーは、宇宙の彼方から地球に向かって光速度の40%の猛速度で飛来する小天体を観測していた。
    長官の茶武台は、南太平洋の無人島の調査から帰還して以来、この小天体の調査に没頭していた。
    そして、ついに恐るべき調査結果が出た。

    報告書を片手に茶武台は長官室のソファーで首をうなだれたまま、しばらくの間、動こうともしなかった。
    「最悪のコースだ。サードインパクトが起こるぞ!」
    中国とアメリカ・マサチューセッツ工課大学が共同開発したスーパ−コンピューター”アルキメンデス(堅麺タイプ1号)”は、小天体が地球への直撃コースを辿っており、20年後に衝突することを弾き出していた。

    世界は、滅亡してしまうのか!?

    こののち、幸とサイボーグ幸が力をあわせて、地球の危機に立ち向かうことになるとは、この時はまだ、誰も知るよしが無かった。。。。。

  80. 81 ちゃぶだい

    79歳
    サイボーグとなった幸は、引き換えにアルキ麺デス君にかばんを取られてしまっていた。
    (アルキ麺デス君、単にダブッタだけですよきっと、大人気ないな〜)
    妹からの返金でマンションは購入出来たもののすぐに財産が底をつき、新聞配達を
    するようになった.
    体は、キャンディを使えば人間に戻れるけれど、キャンディも残りわずか。
    幸は運命を受け入れた。
    そして夜ともなるとお散歩が日課となり、ある日強姦に襲われそうになっている
    女性を助け、
    「私はSマダム」
    とだけ言って立ち去った。

    80歳
    いつしか夜の町は、Sマダムによって治安が保たれていると噂されるようになっていた。

    (これでよろしいかしら。)

  81. 82 反省アルキ麺デス君

    ?歳

    ミナノシュウ,スマソ

    と反省するアルキ麺デス君であった♪

  82. 83 さる

    83歳。

    「ぶっ壊してやろうか!」
    マッドサイエンティスト・アルキメンデスは憤怒のあまり叫んだ。
    「恐れ多くも俺様の名前をたかだかスパコンにつけるとは!」
    そもそもインスタントラーメンの名前なのに、しかもあっという間に消えた商品なのに、
    そこのところはどうなのよ、というミスターコイケのツッコミには、素直に謝っていた。
    この、手のひら返しの早さは常人では理解できない。まさに○○と天才は紙一重である。

    実はあれから3年の月日が流れている。光陰矢の如しとはまさにこのことである。

    相変わらず幸(さち)は超高層マンションで優雅に暮らしていた。
    人生でこれほど平穏な時を過ごしたことはかつて無かった。
    幸(さち)は83歳になっていた。もう人生のカウントダウンが聞こえ始めている。
    「このまま静かに余生を送りたい・・・・」
    今はゆっくりと時間をかけ静かに新聞を読むのが朝の習慣となっていた。

    どうでもいい小さな記事に目が止まった。
     昨日未明、JR北千住前のビジネスホテル20階から、男性が落下し即死した。
     警察発表によると、男性は顔面から転落したため、骨格ごと破壊されており、
     人相などは全く判別できないとのことである。また、男性の全ての指から指紋が
     無くなっており、事件と事故の両面で捜査を開始した。
     なお、男性の身元を証明するものは全く無く、氏名・年齢は不詳であるが、現場には
     次のようなメモが残されていた。
     ・・・申し訳ありません。トラックで人を撥ね殺し、その方の人生を奪いました。
     死んでお詫び申し上げます。匿名希望。(`s´)
    この記事は世間の注目を集めるでもなく、あっという間に忘れ去られていった。

    閑話休題。

    マダムSは、いつしか噂話として世の中に認識され始めていた。
    マダムSに助けられた人は、一様に、その風貌から、彼女のことを「マダムサイボーグ」
    と表現した。

    マダムサイボーグは、いつものように新聞配達から帰宅した。
    「あ」小さな悲鳴が漏れる。
    フラッシュがたかれ、テレビカメラとマイクが怒涛のように押し寄せてきた。
    「マダムサイボーグさんですねっ!」
    「取材させてください!」
    「一言お願いします!」
    幸は逃げるように玄関に駆け込んだ。

    小さな化粧台の前に座り、ため息をついた。
    幸は落ち着きを取り戻し、定期メンテナンスを始める。
    脇の端子から愛用にマックにUSBコードを接続する。
    「まったく。あの似非科学者。何でこんな前近代的なインターフェースなんだよ。」
    いつものように軽く毒づき、キーボードでパスワードを打ち込む。
    yuki-fukou-no-yuki
    メンテナンスプログラムが起動した。
    化粧台に顔が映っている。
    どう見ても20代。どこか伊東美咲に似ていた。
    「あの似非科学者、ばあさんは作る気しねえって、20代のわたし幸(ユキ)を再現したのよね・・・」
    少し遠い目で記憶をさぐった。
    「・・・あのひと、立ち直ったかしら・・・・」

    小天体はスーパーコンピューター”アルキメンデス(堅麺タイプ1号)”の計算した軌道上を
    ほぼ正確に辿っていた。

  83. 84 ちゃぶだい

    84歳
    NHK
    「アメリカ大統領が宇宙ステーション建設を20年以内に完成させると
    発表がありました。
    本来、宇宙ステーションは、太陽の終焉を迎えるための建設予定でした。
    しかし、近年の異常気象により、当初2070年に、北極及び南極の氷が全て溶ける
    計算だったのですが、溶解が加速度的に進み、この度学会での2040年との
    発表を受け、宇宙ステーションを20年以内に建設するとのことです。」

    幸はちょっと嫌な顔をして聞いていた。
    ここの海抜はどれくらいかしら?
    大手ゼネコンは、これから堤防造りで大もうけね、きっと。
    TVを消し、お茶をすすった。

  84. 85 匿名さん

    85歳
    お茶をすすりながら出会い系サイトをやっている日々。

  85. 86 スレ主ちゃん

    86歳

    サチはタワマン最上階の自室でゆったりと寛いでいた。
    突然、リビングのTVカメラ付きインターフォンのチャイムが鳴った。
    誰かしら?妹かな?
    サチが恐る恐る出てみると、TVモニターには、ヨレヨレのコートを着たモジャモジャ頭の男が小男写っていた。
    彼は、警察手帳をモニターにかざすと低いしわがれた声で言った。
    「警視庁殺人課の多摩子警部です。ちょっと、お話を伺いたいのですが・・・」
    サチは言い知れぬ不安に襲われたが、平成を装い彼をリビングに迎え入れた。
    「なにか、あたしの御用ざますか?」
    「いえいえ、マダム。実は、あたしは、33年前におきたズレ主ちゃん殺人の担当刑事でして。。。」
    多摩子警部はゆっくりと、新聞を読む振りをして、ソファで寛ぐサチを見上げた。
    「あの事件はとっくに事項のはずでは・・・あっ!」
    サチの手から新聞がパーシモンの幅広フローリングの上に滑り落ちた。
    「そうなんですよ。ご理解いただけましたか。」
    多摩子警部はソファから静かに立ち上がると続けた。
    「時効は、海外にいる間は時間経過が停止するんですよ。あの事件から33年、しかし、あなたは、アフリカに出国してから、18年間を海外で過ごしましたね。だから、今夜の0時がちょうど時効の時間。つまり、まだ事件は終わっていないのですよ。」
    静寂が二人を包んだ。
    多摩子警部はゆっくりとバルコニーに出ると、サチに背中を見せたまま、続けた。
    「いえね、あたしも、別にいまさらあなたを逮捕しようなんて気は無いんですよ。実は・・・」
    彼は、一冊の分厚いファイルを取り出しサチに渡した。
    表紙には”オペレーション SATI”と書かれていた。
    そこには、中国のスーパーコンピューター「アルキメンデス」が、はじき出した、唯一の人類救助作戦が書かれていた
    「これは、あなただけにしか出来ない。いや、あなただけが出きる人類救助作戦なんです。」
    多摩子警部はそう言い、サチに懇願するような視線を送った。
    「どうか、人類を救っていただきたい」
    サチは、少し考えたのちキッパリと答えた
    「いいでしょう。でもこれは、警察に捕まるのが厭だから引き受けるのではありません。この残った命を、人類のために捧げるのが、私の運命だったのです。」

  86. 87 スレ主ちゃん(詩人バージョン)

    87歳

    世界は終わりを告げようとしていた。
    なんの変哲もない、静かなある日に、どこかで誰かが言った。
    「なぜ、世界が終わるんだ?」
    どこかで違う誰かが言った。
    「始まりの日があるから、終わりの日があるのさ」
    そうして、世界は最後の日を迎えようとしていた。

    子供たちは笑わない。
    誰かがどこかで泣いている。
    眠らない夜。
    けたたましい笑い声が響く。
    喧騒の中で誰かが転ぶ。
    信号が変る。
    しかし、車は止まらない。
    恐怖の悲鳴。
    暗がりの中で、人がうごめく。
    道端で眠っているおとこ。
    誰かが誰かを刺す。そして、誰かが死ぬ。
    誰も気づかない。
    目的もなく、ただひたすら歩きつづける人の群れ。
    歩きつかれたように道端にうずくまるおんな。

    電灯に集まる虫たちのように、明かりに吸い寄せられる子供たち。
    感情に左右される、子供のような大人たち。

    大人になりたくない。
    子供たちが言う。
    子供がわからない。
    大人たちが思う。

    なんのために学ぶのか。なんのために考えるのか。
    なんのために働くのか。なんのために営むのか。

    なにを悲しむのか。なにを哀れむのか。
    なにを楽しむのか。なにを喜ぶのか。

    なにがそうさせるのか。なぜそうしたのか。
    だれもしらない…。

    ひとりの詩人がつぶやいた。
    ダレモシラナイ…。

    世界は静かに終りにむかっていた…。
    「おはよう」
    「おはよう」
    「よく眠れた?」
    「うん、気持ちのいい朝だね」
    「そうだね。なんだかうきうきしちゃうよ」
    「ほら、小鳥がないているよ」
    「あたたかくなってきたからね」
    「今日は洗濯ものがよく乾きそうだね」
    「にわとりの卵、とってきて」
    「ついでに真っ赤ないちごも摘んでくるよ」
    「今日は何して遊ぶの?」
    「久しぶりに、山に入ってみようか」
    「パパも一緒に行ってもいいかな?」
    「あなた、はやく卵を取ってきて。パンが焼けちゃうわ」
    温かいスープの香り。
    子供たちは楽しそうに食卓を囲む。
    母親は食器をならべながら、ミルクをそそぐ。
    父親が外に出るために、ドアを開けた。
    太陽の日差しと、緑の草むらを駆け抜ける風の香り。
    一瞬、家族がまぶしそうに目を細めて外を見る。
    「まるで、始まりの朝みたいだ…」

    サチは、ゆっくりと空を見上げた。
    澄み切った青空の中、白い雲だけがゆっくり流れていた。

  87. 88 匿名さん

    幸にまったく関係ない話になってるじゃん

  88. 89 ちゃぶだい

    89歳(29歳)
    幸とマダムサイボーグは、成田空港に到着した。
    幸は訓練のため、若返っていた。
    今までnasaで訓練をしていたのだ。つかの間の休日、与えられたのは1週間。

    幸はマンションへ急ぐと、金庫を開け、権利書番号を認識し、弁護士の下へ
    と向かった。
    「遺言を作りたいのですが。
    内容は、私の死後、全ての財産を難民の救済のために使ってください。」
    公証人役場へ行ったりして3日が費やされてしまった。
    田舎のお墓参りもしなくっちゃ・・・
    「じいじ、今日はお別れに来たよ。今度来る時は、私死んでいるかもしれない。」
    町の中を散歩したが、当時の面影はどこにもなかった。
    妹のところへ顔を出し、そして1週間が過ぎていった。

    マダムサイボーグはその頃、マンションの売買契約を交わしていた。
    私はどこへ行っても目立ちすぎる。
    この事件が終わったら、茶武台長官の下で働くことになっていた。

    成田発ロス行、最終便。
    「間に合ったわね。楽しかった?」
    どちらからともなく同じような言葉が飛び出し、2人は笑った。
    今度はいつ日本に帰ってこれるだろうか・・・。

  89. 90 匿名さん

    >>88
    激しく同意
    いいかげん内容に無理があるしもうこのスレ事態限界がきてるからね。

  90. 91 さる

    この半年ほどサチはいつも同じ夢を見ていた。そしていつも同じ場面で目がさめた。

     幼い私は縁側で座布団を積み上げ、極彩色のおはじきをはじいてる。単純な遊びが無性に楽しい。
     じいじが私の横で背中を丸めて日向ぼっこをしている。ときおりキセルをふかし、弱弱しく一つしわぶく。
     そして誰に言うとも無く独りごちる。
     じいじのその言葉の意味を私は全く理解できないでいる。
       無粋じゃのう。わしが最も蔑み忌み嫌うべき行為じゃ。
       己れの浅薄な了見を棚に上げ、弛緩した想像力は伸びきったパンツのゴム。
       受容できるキャパの狭さ。いつから日本人はこうも生半可で卑屈な民族に成り下がったか・・。
       幸よ。お前はきっと・・。
     細く冷たい目を私に向けて、じいじは厠に立った。

    91歳。
    12月24日。
    中国国家航天局(CNSA)内の地下33階の職員食堂に、中国可口可楽(コカコーラ)提供の着ぐるみに
    包まれたサンタクロースがいた。
    サチとサイボーグ・ユキは、ここ北京でクリスマスイブを過ごしていた。
    驚いたことに局内には、カラオケルームがあり、二人は党政治局員や研究員らを前にして、日本の歌を熱唱していた。
    おふくろさんから始まりアジアの純真を経て、25曲目。
    イントロが始まる。
    だが、どうもこれは古くて誰も知らないようだ。
    構わない、歌っちゃえ。サイボーグ・ユキがサチにウインクし乾杯した。

    ハチのムサシは 死んだのさ
    畑の日だまり 土の上
    遠い山奥 麦の穂が
    キラキラゆれてる 午後でした
    ハチのムサシは 向こう見ず
    真赤に燃えてるお日様に
    試合をいどんで 負けたのさ
    焼かれて落ちて 死んだのさ
    ハチのムサシは 死んだのさ
    お日様仰いで 死んだのさ
    高い青空 麦畑
    いつもと変わらぬ 午後でした

    ハチのムサシは 死んだのさ
    夢を見ながら 死んだのさ
    遠い昔の 恋の夢
    ひとりぼっちで 死んだのさ
    ハチのムサシは 向こう見ず
    お日様めがけて剣を抜き
    たたかいやぶれて 死んだのさ
    焼かれて落ちて 死んだのさ
    ハチのムサシは 死んだのさ
    たしかにムサシは 死んだのさ
    やがて日は落ち 夕暮れに
    真赤な夕日が 燃えていた

    「ハチのムサシは死んだのさ」
    作詞 内田良平
    補作詞 むろふしチコ
    作曲 平田隆夫

    ・・・・・・・・・・
    ・・・・・・・・・・

    この後のカラオケパーティは、「ハチのムサシ」一色だった。
    全ての参加者が完璧に歌いこなせるまで、サチとサイボーグ・ユキは何度も何度も歌いつづけた。

  91. 92 匿名さん

    30歳までは・・・おもしろく読めた、参加しようかと思ったけど。
    どうか年内終わっていただきたい。新春100歳ドラマに期待。

  92. 93 スレ主ちゃん

    地球に向かう小惑星の存在はすでにマスコミによってリークされ、すべての人の知るところに成っていた。
    国連事務総長ビシットチビ〜ルは、ニュウーヨ−クの国連本部において、緊急安全保障理事会を招集した。
    しかし、大国は、お互いに自国の利益のみを主張し、拒否権を連発、ロシア全権大使はミスター・ニエットと呼ばれて顰蹙を買っていた。
    結局、会議は小惑星の名前をフランス全権大使ママンにちなんで”ママン”と名づけたのみでなんの成果も上げられないまま終了した。

    その頃。。。
    東大理Ⅲの前面協力により、さらにオアワーアップしたスーパーコンピューター「アルキメンデスSD(スーパーデラックス)」は、ついに、小惑星”ママン”の地球到達位置をはじき出していた。
    そこは、日本、、、東京都港区芝5丁目。
    サチの高級タワーマンションに直撃するという内容であった。

    アメリカも中国も世界の国々も、国連さえも当てにはならない。
    93歳になったサチとサイボーグ幸は、もはや自分たちの力だけで世界を救うしかないと、決意するのだった。

  93. 94 ちゃぶだい

    94歳(地球滅亡まで、あと6年)
    世界的インフレとなっていた。
    石油、金属を中心として、価格がうなぎ登りとなっていった。
    一般家庭では、核シェルターを造るのがブームである。
    世界的には、高く聳え立つ堤防の建設、人工衛星の建設。
    地下鉄のある都市部では、緊急避難場所として地下鉄入り口に扉を設置したりもしている。
    材料の採掘、製造が間に合わず、公共乗物以外の家庭用自家用車は国が没収し、
    金属へと造り返られたりもしている。

  94. 95 ちゃぶだい

    95歳(地球滅亡まであと5年)
    多少の小競り合いはあるものの、世界は平和に時を刻んでいた。
    居住型宇宙ステーションの完成発表があるたびに、抽選で当たった家族は
    厳戒態勢の中、宇宙へと飛び立っていった。
    残された者は出来るだけ山へ、若しくは空いた核シェルターと移り住んでゆく。

    逃げよ 逃げよ 全てのジュネーブから 逃げ出せ

    ノストラダムスの大予言が流行っている。
    その時に備え、各国は巨大な防波堤を造ってはいるものの、もはや海岸
    地帯には、住んでいる者は、作業者意外いなかった。

    ある者は小競り合いに加わり、ある者は宗教に走り、ある者は昨日と同じ
    日課に励む。

    学者たちを中心とした作業班だけが、不眠不休で働いていた。
    1人でも多くの地球人を救うために。
    しかし、物資が不足のうえ、時間が足りず、地球人全員を乗せる宇宙ステーション
    の開発は不可能である。
    核シェルターに避難した場合、その後に襲ってくる氷河期。
    これをどう乗り越えればよいか、回答はまだ得られていない。

  95. 96 スレ主ちゃん

    96歳

    光速度の40%という猛スピードで飛来する”ママン”には、大国が発射する全てのミサイルは、まったく命中しなかった。
    特殊相対性理論のローレンツ変換式が示すように、この速度で飛ぶ物体”ママン”の質量は見かけの約10倍、進行方向に対する長さは1/10に縮小され、通常コンピューターの計算では補足不可能だったのだ。
    ”ママン”は、この世に送り込まれた恐怖の大王。
    まさに異次元の存在だったのだ。

    茶武台はいがみ合う大国たちを見限り、密かにスーパーコンピューター「アルキメンデスSD」をフル稼働させていた。
    世界を救う方法はもう無いのか。
    そしてついに、「アルキメンデスSD」は、一つの答えを導き出した。
    それをなしうる者は、サチとユキのみ。
    茶武台は、すべてのデータをユキの電子頭脳にに直接メールし、計画の遂行を依頼した。
    「成功確立0.000000001%!これは、0−9(オーナイン)オペレーションだな。」
    かれは、そう呟くと夜空を、遥か何宇宙の彼方、”ママン”を仰ぎ見た。

    サチは芝56丁目の自分のマンションでユキとともに茶武台からのメッセージを受け取った。
    あたしたちには、ロケットも”ママン”の軌道を変えるミサイルもない。
    でも。キット成功させて見せる。
    彼女たちは、キッパリと立ち上がった。
    彼女たちの目の前には、港区芝のランドマークのNECビル、通称ロケットビルが青空に向かって、スペースシャトルの形をしたその姿を美しく輝かせていた。

    サチは、早速、携帯電話を持ち上げると、彼女の夫、そう、あのアラブの王様に電話をかけたのだ。

  96. 98 スレ主ちゃん

    98歳

    サチの携帯電話が鳴った。
    「は〜〜い♪ サチタ〜〜〜ン♪
    お望み通り、NECのロケットビルを買ってあげたよ〜〜〜ん♪」
    サチの夫 アラブの王様からである。
    「登記簿の書き換えは、日本の司法書士に頼んだから、後2〜3ヶ月はかかるけど、カギの引き渡しは済んだからいつでも自由に使えるよ〜〜ん♪
    来年3月までに都税事務所で確定申告すれば、所得税の還付が受けれらるし、固定資産税も今後3年間は減免されるから、忘れるんじゃないよ。え〜〜〜と♪ それから、、、、、、、、」

    ガチャリとサチは電話を切った。
    シツコイ男は嫌いなのだ。
    「ビルさえ買ってくれれば、あんたはもう用済みよ。さて、次は、どうやってこのロケットビルを宇宙まで運ぶかだが・・・。」

    その時、サチの目の前の空間がユラユラと揺れて、彼女が待ち望んでいたあの地蔵が現れた。
    「サチ、おヒサじゃ。元気そうでなによりじゃ。ワシになにか頼みごとがありそうじゃな。
    しかし、”ママン”の軌道を変えてくれと言うのは、無理じゃぞ、ワシにはそんな力はないからな。」
    「分かってるわよ。あなたに頼みたいのは、この手紙ある人に届けてもらいたいの。
    なにしろ、あそこは、手紙もメールも電報も電話も届かない、秘境中の秘境だから。」
    「では、ワシを”ギャ〜〜”と言わせることが出来たら、言うことを聞いてやるぞよ。」
    地蔵は、ニヤニヤと笑った。

    次の瞬間、サイボーグ幸が地蔵を両手で羽交い絞めにし、その首を締め上げた。
    ”ギャアアア〜〜〜〜〜〜!!!!”

    まったく、冗談の通じない連中だ。
    地蔵は、そうブツブツつぶやきながら、サチの手紙を持って姿を消した。

    「準備はできたわ。後は、多摩子警部がうまくやってくれるのを待つだけね。」
    二人は、そう言うと、お互いに顔を見合わせた。

  97. 99 スレ主ちゃん

    99歳

    多摩子警部は、海上保安庁海猿チームとともに日本海上にいた。
    狙いは、北○鮮が、中近東に密かに輸出する核兵器の横取りである。
    海上レーダーが怪しげな船影を捕えた。
    「そこの漁船!停止しなさい。さもなくば、銃撃するぞ。」
    多摩子警部の声がスピーカーから響いた。
    すると、フシギなことに漁船は素直に停止し、横付けした海上保安船に 向こうから巨大な荷物をクレーンで積み替えてきた。

    なんなんだ、これは?
    多摩子警部は、不振に思ったが、北○鮮の船員から手渡された手紙を見て、目を見張った。
    「アンニョンハセヨ、カムサハムニダ。
    偉大なる首領様である。
    わしは、百歳物語の大ファンで、いつもインターネットで拝見しておる。
    サチ&ユキの”ハチのムサシ”のコーラスシーンでは、思わず、いっしょに合唱してしまったほどじゃ。
    われわれの友情を記念して特別巨大な核爆弾をテポドンともども差し上げよう。
    わが国の核兵器開発は、人類を悪の覇王”ママン”から守るためにあったのだ。
    宇宙から無事帰還することを祈る。
    バルボニエヨスムニダ。」

    そうか、こんなところにも、百歳物語のファンがいたのか。
    「アルキメンデスSD」が、ここまで計算していたとは!
    恐るべし、スーパーコンピューター!!

    多摩子警部は、”荷物”を芝のロケットビルに搬入すると、サチ&ユキとがっちりと握手を交わした。
    さぁ、いよいよ、行くんだね。検討を祈る。

    やがて、、、、東の空に黒雲が沸き起こり、一陣の生ぬるい風が当たりに吹き始めた。
    来る!サチが身構えた刹那、雲の切れ間から、十数頭の竜がロケットビルの廻りに舞い降りてきた。
    その背中に乗って 竜たちを指揮しているのは、あの、さるさる族のモンモンキッキだ。
    「サチ神様、お久しぶりですだボウ。地蔵から手紙を渡されて飛んできたんだボウ。でも、スカッドミサイルで攻撃されるのが怖くて西回りで来たから時間がかかったんだボウボウ。」

    竜たちは、サチ&ユキと”荷物”を載せたロケットビルに巻き付き、いっせいに空に向かって飛び上がった。
    すさまじい轟音。舞い上がる埃。
    かつてのサチの上司、ホリエモンは、ただ、それを自分の住まい六本木デジデンシャルタワーから見送るだけだった。

    大気圏を出た彼女たちは改めて作戦を確認した。
    ”ママン”の軌道を変えるには、その進行方向の軸線上を逆に飛び、真正面から核爆弾を打ち込むしかない。
    横方向からの攻撃では、”ママン”のスピードが速すぎて命中させることは出来ないのだ。
    そのために、”ママン”落下地点から逆方物線を描いてわれわれは飛行している。
    迎撃ポイントは、”ママン”が大気圏に突入する10分前。
    その一瞬しかない。

    ついにその時は来た。
    テポドン照準よし!発射ぁ〜〜〜!
    しかし、テポドンは動かなかった。
    ユキが調べてみると、旧式の電気増幅器のコイルが焼き切れており、修復不可能であることが分かった。
    「LSDとまではいわないから、せめてトランジスターくらい使ってくれよ。これだからメイドイン北○鮮は、、、、」
    ユキは、天井を仰いで嘆いた。

    「時間がない。手動で核爆弾を発射してぶつけるぞ。」
    サチの怒声が、飛んだ。
    しかし、何か様子がおかしい。
    ユキが、よくよく調べてみると、核兵器と言って北○鮮から渡されたものは、実は単なる放射性廃棄物の塊であり、核爆弾とは程遠いものであった。
    こんなもの爆発するわけねーだろうが!ったく、あの国はどこまで・・・
    ユキは、最後の決断をする時が来たことを悟った。

    運命のタイムリミットは、刻々と近づいていた。

  98. 102 ちゃぶだい

    勝手に完結させるんじゃないやい、ラストはスレ主ちゃんがカキコしてくれるんだから.

  99. 103 匿名さん

    スレ主さんと、一部のコテハンさんしか、書き込みできないの?
    途中から、話についていけなくなったし、
    いろんな人が書き込みして、創作するから、おもしろいと思うのだけど。
    ラストも何も、書き込みは、早い者勝ちでないの?

  100. 105 チビットチビ〜ル

    しかしスレ主ちゃんのラストがどうなるのか
    絶対絶対知りたいのだ!!!

    番外編で「もうひとつの幸の最期」を書いてもらうのにゃ〜

  101. 107 匿名さん

    100歳

    何をして遊ぶ?」
    「かくれんぼしよっか?」
    「2人しかいないんだ、もっとましな遊び考えろよ」
    「じゃあ、お兄ちゃん、いつものように考えてよ」

    何して遊ぶか決めるのは、ほんの少し年上のお兄ちゃんの役割だ。
    弟はうれしそうに目を輝かせてお兄ちゃんの言葉を待っている。

    「よし、いい事思い付いた」
    弟は目をさらに輝かせて、お兄ちゃんを見上げた。
    「あそこにいろんな色、大きさをしたボールみたいなのが見えるかい?」
    お兄ちゃんが指差す先には確かに大小いくつものボールみたいなものが見える。
    「ルールはね、あれのどれかに石を当てるだけ。簡単だろ?」
    「あのしましま模様のに当てたら5点、あの真っ赤なやつが3点、あの真ん中にある黄色いやつは1点……」
    お兄ちゃんは手際よく得点を決めていく。
    「そして、あの青い1番きれいなのに当てることができたら10点だ。あいつらは全部あの黄色いのを中心に動いてるから、ちゃんと軌道を計算しないとだめだぞ。わかった?」
    「うん」
    もう投げたくてうずうずしてるようだ。

    「僕は、絶対10点をねらうんだ」
    そう言うと、お兄ちゃんの話もそうそうに、そこらの石を投げた。
    「えい!」
    石は他のには目もくれずに青いやつへと、真っ直ぐ飛んでいった。

    その頃地球では……
    「隕石”ままん”接近中、まもなく地球に衝突します!」
    放送されている生ニュースを世界中の人々が、流れる汗をぬぐいもせず、こぶしを硬く握りしめて見つめていた。
    「世界中の皆様、何も心配は要りません。必ず自分たちが全人類のため隕石を葬ります」
    さちとゆきは、はっきりとした口調で約束し、宇宙に向けて飛び立った。
    数時間後、大音響と共に目に突き刺さるような光が暗闇を照らした。
    さいぼーぐゆきが、自分の体内の動力原子炉を めるとだうんさせて、”ままん”の地球への衝突を防いだのだ。

    しばらくして、静けさの戻った宇宙の暗闇に無邪気な子供の声がこだました。
    「だめだぁ、0点だぁ!青いたま、はずれちゃったぁ」

    7年後、NECのロケットビル跡地にはひっそりとお墓が建っていた。
    「ママ〜、誰のお墓?」
    「このお墓はね、地球を救ってくれた人のお墓なの。」
    「ふ〜ん。僕もね、大きくなったらスーパーマンになって地球を守るんだ」
    屈託なく、幸男は笑った。

                                   完

  102. 108 さる

    【エンディングロール】

    ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
    BGMに「蒲田行進曲」※が流れる・・・・・・・


    虹の都 光の港

    キネマの天地

    花の姿 春の匂い

    あふるるところ

    カメラの眼に映る

    かりそめの恋にさえ

    青春もゆる 生命はおどる

    キネマの天地・・・・・・・・・・・・・・・・
    ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
    ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

    【キャスト】

    幸(サチ)

    サチのパパ
    サチのママ
    サチの妹
    みっちゃん
    みっちゃんのママ
    叔父
    実の母の父(のちのじいじ)

    ホリエモン
    バイト先の社長

    お迎え係
    ズレ主ちゃん
    管理人
    リリー・フランキー
    亀の長老

    堺正章

    マッドサイエンティスト・アルキメンデス
    茶武台
    多摩子警部
    国連事務総長ビシットチビ〜ル
    フランス全権大使ママン

    偉大なる首領様
    サルサル族モンモンキッキ
    アラブの王様
    地蔵



    兄弟

    幸男

    サイボーグ・ユキ(幸)

    友情出演 ミスターコイケ

    【スタッフ】

    監督 さる

    脚本 スレ主ちゃん
       ちゃぶだい
       おみそ
       たまこ
       バカレンジャー
       アルキ麺デス君
       さる
       匿名さん方
      
    協力 NASA
       中国・国防省科学技術アカデミー
       中国国家航天局
       海上保安庁

    製作/著作 マンションコミュニティなんでも雑談掲示板



    ※作詞者名, Brian Hooker/堀内 敬三 訳. ■作曲者名, Rudolf Friml.



    この物語はプロローグからエンディングに至るまで全てフィクションです。
    実在の団体や個人とも一切関係はございません。
    紆余曲折ありましたが、匿名さんの方々他多くのeマンファンの方の
    ご協力により、完結をむかえるに至りました。
    心より感謝いたします。
    なおサチとユキは百歳物語PART2にも出演しております。
    ご贔屓のほどよろしくお願い申し上げます。


    ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・皆様に幸多かれと祈りつつ・・








                                 














                                       完





  103. 109 観客一同

    最高!
    万万歳!
    ブラボー!
    トレビア〜〜ン!
    ファンタスティック!
    パチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチ(拍手の嵐)

  104. by 管理担当
    こちらは閉鎖されました。

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