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「権力の私物化」「どんな権力も腐敗する」――。これらの言葉を国民に強く意識させたのが2017年の安倍政治ではなかったか。
「権力」とは何か? このテーマを論じるにあたって最も適任なのが、自由党の小沢一郎代表だ。田中角栄元首相の秘蔵っ子として育ち、自民党幹事長に上り詰め、2度にわたって自民党を下野させた。一方で、自ら国家権力と対峙(たいじ)せざるを得ない立場に追い込まれもした。
常に権力闘争の中枢にいた小沢氏が権力について語った書籍が13日発売となった。「小沢一郎の権力論」(朝日新書 税込み821円)。日刊ゲンダイの小塚かおる記者がまとめたものだ。
〈安倍総理は国家権力そのものの『意味』を理解できていない〉
〈自民党の中で権力を掌握した方が改革は早かったかなという気がしないでもない〉
〈野党にいる人にとって大切なのは自分を捨てること〉
こうした発言のほか、「貴様、何を言うか!」と怒鳴られた田中角栄についてや、衆院選での「希望の党」失速の舞台裏も明かしている。権力を見続けてきた小沢氏の貴重な証言は、今迷走している野党再編にも大いなるヒントになるだろう。