スムログ(マンションブログ)

マンションのモデルルームがあるとたとえ外国でもふらふら入ってしまったり、管理組合の理事会には思わず立候補する人って多いですよね。多いはず!! それなのにあんまり管理組合の苦労とかのブログって見ないので立ち上げてみました。世の中に多い管理士系ブログとは一味違う、理事会側から見たマンションの運営を中心テーマに書いていこうと思ってます。

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理事会役員の賠償責任と規約変更  【お便り返し はるぶー】



管理組合関連の質問ですので、私はるぶーから。
ちょうどスムログ解説1周年記念ということで投下しておきます。

Disclaimer : 管理規約案件は、基本規約システム全体をチェックしないと判断できません。もし本気で組合に損失が・・とかいう案件ならプロにお金を出して頼むべきです。最低でもマンション管理士資格の持ち主、できれば弁護士をお奨めします。いずれでもない私の以下の書き込みはもし間違っていても責任はとれません。

質問は…

差出人: 悩める組合員

メッセージ本文:

規約改正について質問いたします。
たとえ総会承認された規約でも衡平を欠いたり法令に違反するものはその効果はないといいます。

当組合では、民法709条不法行為を参考にしたと思われる、規約がありますが勝手に内容を変えています。
「役員がその職務に関して故意または重大な過失により・・・損害賠償の責に任ずる」とあり重大な過失でなければ損害賠償責任はないとしています。

これは一例ですが、その他にも強行規定が変更され規約を訂正する時、特別決議が必要ですか?

管理規約は法律の一部のようなもの

区分所有法は、民法の特別法ですから、そこに定めがあるものは民法に優先して適用を受けます。全員賛成でなくても8割賛成ならマンションが建て替えできるのは区分所有法のおかげなわけです。「民法と、区分所有法の両方にでていたら、区分所有法のほうの規定が優先」というのは案外錯覚している人が多い。

区分所有法の中には実に80回以上に渡って”規約”という言葉がでてきます。そのマンションに規約があるなら、そこで決めてねと法律が決めているわけで、マンションの決まりごとの設定はできるだけその自治に任せましょうという考えかたですね。

区分所有法の中には、”規約で別段の定めをすることを妨げない”という表現も繰り返し現れます。規約も別段の定めがない場合の設定は区分所有法側に従うことになりますが、あればそちらが優先されるので、「管理規約は区分所有法の一部」のような働きをすることになります。規約に関わる裁判などでは、”そのマンションの管理規約”がどうなっているのかでの争いになることが多く、「悩める組合員」さんのところの現行の規約がどうなのか、全体を見ないと判断は困難です。

一方、区分所有法の中には、”規約で別の定めをする”ことが許されていない条文ももちろん多数あって、これは強行規定と呼ばれます。

管理規約そのものが法律の一部・延長線上としての意味合いをもつ重要性から、規約の変更はかならず全戸の3/4以上の賛成を必要とする特別多数決議の対象となっています。これは強行規定ですから、変えることはできませんし、例え無理に強行規定に反した規約を作ったとしても違法であり無効です。

”強行規定が変更され規約を訂正する時、特別決議が必要ですか?”というご質問ですが
そもそも法律の強行規定に反した規約をつくっても無効です。
一方で、規約の変更には必ず特別決議が必要であるというのは、これ自体が区分所有法の強行規定ですからこちらは常に正しいことになります。


<三井レジデンシャルサービスのHPから借用>

管理規約の理事の責任規定

実は、区分所有法には管理組合も、理事も理事会も理事長も言葉として一切でてきません(法人の場合を除く)。代わりに”管理者”がでてくるだけですから理事会に関わる規定は全て”そのマンションの”管理規約の中で決めることになります。
管理規約もマンション毎に0から作るのでは大変なので、多くのマンションで、販売時に初期設定される「原始規約」の作成の参考にするため、国交省が作成している「標準管理規約」という雛形があり、多くの新築マンションの管理規約がこれに準拠しています。

区分所有法や、民法など他の法令に違反していなければ、管理規約はどう作っても自由です。これもとても誤解されることが多いのですが(最近話題になった”コミュニティ条項の削除”では日経新聞と読売新聞が記事中で間違えていました)、標準管理規約は区分所有法に無矛盾に利用できるサンプルを一つ示したものにすぎなくて、その通りに準拠しなければならないという義務はありません。実際に私のマンションでは、区分所有法で別段の定めが可能な(規約留保のある)条文に関連して、標準管理規約からはずれる方向に何点か規約を変更してきました。

マンションの数だけ答えがありますというのでは回答にならないので、ここでは「悩める組合員」さんのマンションの規約と標準管理規約との違いを確認しましょう。

標準管理規約には、”役員の誠実義務”(37条)の規定はありますが、質問中に書かれているような”役員全体にかかる損害賠償”に関する規定は存在しません。

質問された方のマンションは、わざわざ「損害賠償」を「役員全般」がするという規約条文をとりいれていますから、それだけ役員の責任を重く考える規約をわざわざ設定していることになります。

私は、必ずしも法律に詳しいとは限らない一般の人が勤めることが多い理事会役員全員に、わざわざ個人の損害賠償を問うことがあるといった条項をつけることは否定的です。私のマンションは法人化していますが、故意に損害を与えたといった場合以外で極力個人責任が問われることが起こりにくいように、管理組合から”管理者”を廃止するのがその変更の主目的でした。
さらに管理費からの拠出で、役員賠償責任保険(D&O保険)にも加入して、理事が訴えられた場合に、保険請求で対応できるように役員を護っています。1戸あたり年100円ほどですが全戸でお金を出してもらっているわけです。

役員に過度に大きな責任を押し付けるのは?

法人化されていない管理組合の規約では、その殆どに(標準管理規約38条2項)「理事長は、区分所有法に定める管理者とする。」という条文があり、リンク先の区分所有法には、管理者の権利義務は委任に関する規定に従うとなっています。実際には殆どの決定を理事長は理事会にはかって決める必要のある規約規定が普通ですから、この規定を経由して理事長と、理事会役員にも一定の責任は発生しているとは思います。

但し、賄賂でもうけとって故意に組合に損害を与えたなどの故意か、重過失(≡わずかな注意さえすれば、たやすく違法有害な結果を予見することができるのに、漫然とこれを見逃した)などの場合以外で、より軽い過失の場合ですら、役員の個人賠償が発生する可能性を規約にわざわざ取り入れるのはどうでしょう?

常識的な範囲内で注意を払って役員として働いていたのに、個人賠償が発生するかもしれないとなったら誰も理事はやらなくなる気が私にはするわけです。少なくとも私はやりません。当たり前ですが、組合より自分のほうが大事です。

一方、不法行為については、それを立証する義務が訴える側に生じますが、故意に組合に損害を与えたような場合、別に管理規約になにも書いてなくても、犯罪にあたるようなものは当然犯罪です。いわば”汝殺すなかれ”と規約に書きこむようなもので、私にはそもそも不要な条文に思えるわけです。

規約知識は”理事会を護る”ために使おう

法令に関心があって、かつ正義感の強い人がいろいろ区分所有法や規約について勉強した結果、管理規約について不満をもって、理事会に対して要求を出すケースは、実は理事会の役員側を長く勤めているとかなり頻繁に経験します。

私は、規約などに関する管理士試験に合格するような深い知識は、”理事会を護る”ために使うものであって、”理事会の特に役員を外から攻撃する”ために使うべきではないと思っています。例え訴訟でもして勝てたとしても、手に入るのは誰もでてこないので成立すらしない理事会だけですから、結果として誰一人幸せになることはないからです。

自分が理事会の中に理事や監事などの形で入って、自らと自分の仲間を護るために使ってこそ法律や規約の知識は生きるのではないかな・・・と私は固く信じています。

規約について多数の要望をだされる方には実は2通りあって、理事会の側からみるとただ一つの質問で瞬間に区別がつきます。
”では一緒になって規約改定を手伝ってください!”
とお願いして受けてくれるかくれないかです。

「悩める組合員」さんも是非とも理事会の中から、規約について考えられるとまた一段深い理解ができるのではないかなと思います。

!! 重要 !!
本ブログの内容は、著者の個人的見解であり、著者の所属するマンション管理組合、勤務先、RJC48も含めその他所属する一切の団体の意見、方針を示すものではありません。

 


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  1. >その自治に任せましょうという考えかたですね

    そうではないですね
    ヂベロッパが都合よく建設販売できることを優先しましょうという表れですね


    >理事会の側からみるとただ一つの質問で瞬間に区別がつきます
    >”では一緒になって規約改定を手伝ってください!”

    そうまったくその通りなのです

    どうみても真剣に悩んでいない質問者さんは.....
    顔洗って。....................

    わらわら(*^_^*)

    1. まとめて

      法律のほうは”団体法理”の概念だけ作っておけば、あとは規約でできるだけ自由に決めてくださいとしておくほうが、理事会からみると縛りが少なくてよいことは確かです。自分で自分の規約を代えることもできないような管理組合あるいは理事会であれば、まぁ原始規約のまま使っていくしかないわけで、そんな組合が半数くらいなのかもしれません。

      そこは私のブログあるいは、私が主催している理事長の団体RJC48のカバーする範囲外になります。そんなレベルの組合の理事長さんが私のブログをわざわざ読みにくるとかありえないですし。規約が悪いのは、理事会が代えないなんま放置したからであって、売主のせいだとか、管理会社のせいだとか他人せいにして口にしているようだと、先進的にガンガン特別決議を繰り返して進化していくマンションに取り残されるだけだと思います。
      なので私は”標準管理規約”の出来栄えが悪いからとか、原始規約が悪かったからとかは実は全く気にしません。代えちゃえばいいだけですから。

      私はマンション管理ってのは、首都圏であれば時給4000-5000円の人が、時給1000円の人を使って、自分がお掃除するとかの時間を買うゲームだと思っているので、自主管理ってのは、基本的にはマンション管理の本道ではないと思ってます。なんでも自分たちでやるなら、戸建てでいいじゃんとか思うんですよね・・・自主管理って、何人ものリタイヤした年輩の人とかが集まって初めて可能になるもので、もう60定年でいいじゃんくらいを提唱している、ばりばり現役の人による理事会運営でのほうが望ましいとする私のスタイルとは対極にあるものです。

      ただこれはあくまでも私の個人的私見ですから、自主管理する人を否定するものではありません。大変だろうなぁと思うのとそれに見合うメリットがあるのかな(誰か少数だけに苦労を押し付けるスタイルでなく)とは思います。

  2.  管理規約は、管理組合と管理会社で認識の差があり、それが原因で各種の問題が発生しています。
     特に、一部の管理会社では、役員の一部を特別な表現で呼ぶことがあり、完全自主管理では発生しない問題が、管理会社を使うことにより発生しています。
     

    1. 自首管理の苦労人さん


      小規模マンションの組合で裏方理事長(表は4回)を10回務めています


      >管理規約は、管理組合と管理会社で認識の差があり

      それは管理組合というより組合員各位のとの間でもというほうが正確かもです


      >一部の管理会社では、役員の一部を特別な表現で呼ぶことがあり

      そもそも”役員”という表現自体が特別な表現です
      それは会社組織で上位管理者権限者を示すもので管理組合での立場にふさわしくないものです
      つまり管理会社が理事(長)をおだてるものです


      それもこれも含めてはるぶーが言っていることが正しい方向性であるのです
      つまり管理規約は変えられるのであって正しいと考える方向に変えていけばいいのです
      他人任せに(もしくは苦言文句を言うだけでは)しておくのではそれはちょっとというわけです


      >匿名 より:

      名前を入れ忘れた裏方理事長10回目です

      >どうみても真剣に悩んでいない質問者さんは.....
      >顔洗って。....................

      失礼しました
      毒舌なものでしてご容赦ください


      はるぶーさん

      >>その自治に任せましょうという考えかたですね

      >そうではないですね
      >ヂベロッパが都合よく建設販売できることを優先しましょうという表れですね

      基本的にははるぶーが言うのが正しいのですがAKBにだれもがなれるわけでもないのと同様に

      RJC48にも誰でもなれるわけでもあーりません

      で法律があるのであって

      憲法改定ではないですが

      やはり全体底上げといいますか

      ヂベロッパが都合よく建設販売できることを優先しましょうということを阻止できるように

      区分所有法でも不動産業でもなんでもいいのですが

      そういった先進マンションRJCは取り組んでいただきたいと願うのです

      自分たちだけなんてずるい(^^♪


      わらわら(*^_^*)

      1. RJC48は極めて閉鎖的にやっていて、例えば会員であっても”勉強会の資料”は、実際に足を運んで参加した人にしか公開していません。単に掲示板みたいにネットで簡単にあるマンションが苦労した奥義が手に入るかもって人は他いってくださいで対象にしていないんですよね。
        多くのマンションが、管理不全によってスラム化に向かってくれないとむしろ困るわけです、その中で生き残る差別化のために努力しているわけですので、有能な理事長と、そうでない理事長の間で、明確にマンションに結果としての価値の差が生じる方向にしか運動はしようがないわけです。

        これが、例えば”マンションコミュニティ研究会”などと決定的に違う部分で、他に同じ方向性の団体がないかなど、綿密に調査してからスタートしてますから、コンセプトかぶりしないわけですね。

  3. おんにゃ( ´∀` )

    質問者は後ろからグサのタイプか



    まあ私はロボットではありませんが面倒だわな

    質問したことはないが

    質問にはロボット認証はないの?


    わらわら(*^_^*)

    1. 別に刺してはいないですよ。
      結構そこそこは、法律や規約に関心のあるタイプに見えたので、もう少し勉強したら
      理事会に入って”中からの改革” に参加されないかぎり、クレーマー化しやすいタイプの
      方に思えたので。外から理事会役員批判をする人は、本人も幸せにはなれませんからね

  4. 裏方理事長10回目さんへ

    >小規模マンションの組合で裏方理事長(表は4回)を10回務めています

    表と裏とはなんですか?
    正規の理事会以外に不法な闇理事会でもあるのですか?
    それと「わらわら(*^_^*)」とは人をおちょくってるのですか?

  5. いろいろコメントをいただいた質問者です。
    皆さん誤解されているのではないでしょうか。私は総会の承認を受けた規約でもその効果はないとされている規約が、実際に総会に提案された場合の具体的な処理方法をお聞きしました。
    確かに提案した当時の理事会にも問題がありますが、多分私も当時承認した組合員です。
    その例題として、賠償責任規約を挙げたまでで、問題の規約はほかにもあります。
    総会で理事会に批判的な発言をすると「文句があるなら理事になって出てこい」とかクレーマーだといいうのを苦々しく思っていますが、同じような理事会が多いようですね。私は永年役員を経験していますが、規約により連続して6年をこえて務めることはできません。現在休養中で決して無責任に理事会批判をするものではありません。

    1. 明確に違法でない限りは、組合の総会で承認された規約は有効だと思います。

      今回書かれている条項は、不要だとは思いますが、書きだされている部分だけをみて違法だとは言い切れませんよね。 不法行為の規定は実際に使う段には立証が困難だとは思うのですが。

      法律に違反している規約であることが明らかであれば、実際には規約は無効ですが、修正には例え誤植修正でも総会の特別決議を要します。理事であれば訂正を提案すればいいですし、一オーナーであれば、理事会に指摘して対応するのを待つことになりますが理事会の人も仕事など無数の他のことをこなしながらなのでこの1条文くらいで代えてくれないから怪しからんというのであれば理事長にでもなって代えればいいのに・・・というのが理事会側の論理で、なぜこの怒っている人は自分でやってくれないのかな(理事でないにしても具体的な解決策の起草は可能ですね)とか私でも思うだろうなと。
      ブログに書いた通り、私ならくだんの条文は単純に削除ですけども。

      組合の役員として理事会法務の経験を持たない人だろうと決めつけ回答したのはもうしわけありませんでした。

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