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三井健太

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第60回 築40年マンションを選択する英断



このブログはマンション業界OBが業界の裏側を知り尽くした目線で、マンション購入に関する疑問や諸問題を解き明かし、後悔しないためのハウツーをご紹介・・・・原則として、毎月5と10の日に投稿しています

 

新築マンションが品薄の現在、新築にこだわって探しても、購入までは骨が折れそうです。

 

しかし、流通在庫の多い中古なら簡単に見つかるかというと、それも結構なエネルギーを要し、簡単ではありません。

 

優良な中古は新築並みに高く、再度新築に目を向けると昨今は数年前の相場から2割高、3割高の価格で当たり前のように出て来る始末です。

 

その中でも幾分は安いと気付く物件に辿り着き、見学に行ってみると、立地がどうも気に入らない。そこで、再び立地の良い物件を検討するが、今度は面積や階の妥協を迫られるのです。

 

決心がつかずに見送り、中古と新築を行ったり来たりしながら、マンション探しに漂流する状態を続けることになってしまった人は少なくありません。

 

数年前から筆者は「中古に真剣に目を向けるべき」と主張して来ました、その考えは日増しに強くなって今日に至っています。以下は、マンション探しの旅を終わらせる方法のひとつとして提唱するものです。

 

タイトルからご想像いただけるように、古くて安い中古(ただし耐震基準をクリアしている物件)の選択についてお話しします。

 

 

●マンション探しは大胆な割り切りが必要なとき

中古マンションに抵抗があり、候補に入れても築浅の物件、大体10年以内を狙う人が多いのですが、これまでそうして来た人は、思い切って築30年以上の物件に目を転じてはいかがでしょうか?

 

35年以内なら新耐震基準に準拠しているので、最低限の安心感を持てますが、旧耐震でも耐震診断を実施し、安心を得られるマンションなら40年でも対象にできそうな物件があります。

 

築浅の物件は人気が高く、売り出されるとたちまち買い手が付いてしまう傾向が強いので、依頼していた仲介業者から物件紹介が入ったら即日見に行くくらいのフットワークが必要な場合も少なくありません。

 

しかし、仕事を持っていれば見学に行けるのは早くて週末です。そうそう早くは動けない人が多いことでしょう。

 

業者から貰った資料で興味を覚え、見学希望を出してみたものの、実際に行ってみると想像と違っていたり、日当たりが悪かったりと落胆してしまうことも多いので、それを何度も何度も繰り返してしまうと、疲労感だけが残るというのが実態です。

 

新築のように何か月も前に予告広告が開始され、販売開始までに数か月の余裕があるなどという中古はありません。

 

そんな中、築年数の古い物件は、例外もありますが、比較的ゆっくり検討する時間が持てることが多いようです。

 

古い物件は見栄えが悪く、新築のモデルルームを見たときの高揚感を味わうことはないでしょう。 買いたいという気分が湧いて来ない場合も少なくないはずです。 しかし、最初から期待をしないので、ある意味で冷静に値踏みすることが可能です。

 

しかも、築年数が古いほど価格は安く、リフォーム費用を計算に入れても予算に余裕を持てる場合が少なくないはずです。

 

外観や共用部分の古臭さは覚悟し、購入住戸の中をどのように手直しすれば快適なマイホームになるかを想像しながら見学するのです。

 

 

●何年そこに住むかを考えてみよう

古くて安い中古マンションの一番の不安は、買ってからあと何年住めるのだろうか、といったことです。前回のブログで書いたような問題点があるからです。

 

築30年のものを購入して20年住めば、そのマンションは築50年になります。築50年のマンションって、どうなっているのでしょうか。現在、築50年に達したマンションはまだ少ないので、購入したマンションが築50年になった時どのようになっているか想像ができない人が多いはずです。

 

考えられるケースとしては、①見映えの悪さなど、ある程度我慢すれば快適に暮らすことができる、②かなりボロボロで快適に過ごせる状態ではないが、建て替えるに建て替えられず、半分廃墟状態という感じの二種類でしょうか。

 

前者は、管理状態が良く、周期的な大規模修繕も実施して来たので、故障も不具合も少なく何とか住んでいられる状態を期待するものです。

 

後者は、修繕積立金が足りなく、臨時徴収や銀行借り入れなどの調達を検討しても、管理組合の合意ができず、結局は適時適切な修繕ができないために劣化に任せる状態となり、逃げ出す居住者も増えて空室の多い、廃墟寸前の状態をイメージさせるものです。

 

前者なら結構ですが、選択する物件は20年住んだら後者のようになるかもしれないと覚悟しておくことが必要です。

 

筆者が提案するのは、思い切って、賃貸マンションに住むよりメリットがあるという計算の元に、あまり程度が良いとは言えない中古を購入する策です。

 

とにかく安いマンションを購入して、10年以上住めば元が取れるくらいの感覚で、「賃貸に住み続けたよりは得した」と思えるような買い物をすることです。

 

理想は20年以内のローンを組むことです。当然のことながら、借入額は少なく抑えます。そのマンションを、もし借りたら家賃がいくらか調べましょう。そして、その家賃並みのローンを組むのです。

 

ちなみに、インターネットで検索してみると、中央線・中野駅から徒歩10分。築45年の65㎡3LDKという売り物件が3480万円と出ています。これを頭金350万円、住宅ローン3130万円で購入するとします。

 

20年ローンを組むと、毎月の返済は1.1%の固定金利で146,000円ほどです。

 

この物件を仮に賃借するとしたら、賃料は古いので安いのですが、それでも15万円以上はするのです。上記返済額とほぼ同じか賃料の方が高いのです。

 

このような物件に20年住んだのちに売却したら、たとえ1000万円にしかならなくても、何も残らない賃貸マンション住まいよりは得になるわけです。

 

いかがでしょうか? リフォーム費用を別途見積るとしても、これなら予算も減らすことは可能なのではないでしょうか? 手持ち金をあまり使わずに、かつ毎月の返済額も抑えた買い物になるはずだと思います。

 

得なのは、それだけではありません。住んでいる間、持家なりの精神的メリットはたくさん得られるはずです。

 

 

●築60年マンションの売却は可能か?

さて、40年マンションを買って、20年後に売却するとして、築60年を経たマンションは売れるのでしょうか? その疑問に対する答えを見つけるのは、さほど難しくありません。

 

今でも、築60年はともかく、50年の中古取引は成立しています。つまり値はついているのです。昔のマンションは立地条件の良いものが多いので、二束三文にはなっていません。上記の例は、45年で3480万円でした。状態にもよりますが、20年後に半値になったとしても1700万円です。

 

20年後の中古相場が今と同じとは思えない(上昇している)ので、うまく行けば買い値より下がったとしても、2500万円か3000万円くらいで買い手を見つけることができるかもしれません。

 

維持管理に不安を感じたときは、20年住み続けず、10年くらいで売却することも検討するべきです。逆に言えば、10年は確実に住めそうに思える物件を選ぶことが重要です。

 

上記モデルで、10年後のローン残高は約1650万円です。物件は築55年になっていますが、2650万円で売却できたとするなら、手取りは1000万円です。

 

仮に手数料差し引き1650万円でしか売れなかったとしても差し引きで損も得もないことになるでしょう。

 

ここに、10年間に支払わなければならない固定資産税や管理費・修繕積立金、賃貸ではありえないリフォーム費用などを計算に入れておくことも必要です。そして、どの辺りまで値下がりしても大丈夫か、つまり損益分岐点を計算します

 

その後に、検討マンションが10年後または20年後などの時点で売却価格がどのくらいになるかを予測して行くのです。

 

●築40年マンションを検討するときのチェックポイント

マンションの建て替えは合意形成に時間がかかり、事実上不可能です。今後は、管理放棄によって全室空き家になるのを待つだけのマンションか、適切なメンテナンスを行うことによって、80年、90年と持たせられるマンションとに分かれてしまうかもしれません。

 

いずれにせよ、60年、70年と存続して行く可能性はあるのです。ただ、快適に暮らしていけるかどうかは物件ごとによるので、購入に当たっては慎重に検討しなければなりません。

 

耐久性の問題は新築マンションも無縁ではありませんが、ここまで築40年を超えるマンションを購入する場合のことに限定して述べました。

 

築35年以上のマンションを検討するときのチェックポイントをまとめておきましょう。

 

耐震診断を実施済みであること。無論、補強工事が不要または工事完了物件であること(仲介業者にヒアリングします

 

②修繕積立金が潤沢であること(直近の大規模修繕をいつ実施したかにもよりますが、1軒あたり100万円以上はあること。仲介業者に調べてもらいます

 

過去の改修工事が適切に行われて来たこと(修繕履歴をチェックします

 

④その他(賃貸住戸の比率・管理状態のチェックなど

 

 

 

今日の話は大胆な戦略転換についてでした。 築40年の中古なんて、とても考えられないと感じた読者も多いことでしょう。 新築のモデルルームばかり見学して来た人なら、特に大きな抵抗があるものと思います。

 

だから転換なのです。発想の転換は、ときに大きな成功をもたらすものです。

 

●マンション購入時の5大視点

以下は根本の問題として、マンション選びの原点を整理したものです。新築マンションにせよ、中古マンションにせよ、必須のチェックポイントというべきものです。

 

迷ったときの羅針盤になればと作成しました。お役に立つと幸甚です。

 

1:住みやすさの視点

□通勤・通学・街の雰囲気・街の賑わい

□環境(騒音・公園・道幅など)

□自治体の支援策にどのようなものがあるか?

□住戸(設備・日当たり・眺望など)

□間取り(日当たり・寝室のプライバシー・廊下幅・家具配置など)

 

2:安心・安全の視点

□耐震性は問題ないか?

□地震の揺れの軽減策は?

□防災対策は万全か?(防災備品・防災拠点・防災訓練など)

□治安は大丈夫か?(夜道は問題ないか?)

□セキュリティシステムは大丈夫か?

 

3:予算策定の視点

□広さと予算の組み合わせで選択可能な地域・駅は希望条件と合致するか?

□新築・中古どちらになるか?

□予算の上限は?

□繰り上げ返済の可能性は?

□長期のフィナンシャルプランに問題はないか?

 

4:転勤や転職の視点

□貸しやすいか(いくらで貸せるか)?

□住宅ローンの返済額より高く貸せるか?

□損なく売却できるか?

 

5:資産形成の視点

□貸しやすいか?

□売りやすいか?

□10年後に、どのくらいで売れるか?

 

 

・・・・・・・今日はここまでです。ご購読ありがとうございます

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