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マン点

マンションアナリスト。11年間で5,000枚のマンション・チラシを“読破”したマンション・チラシ研究家。一級建築士。

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マン点流!不都合な真実を解説(住みたい街ランキング)



住みたい街といえば、吉祥寺や恵比寿がランキング上位にあがってくることが多い。

ところが、不動産・住宅情報サイト「HOME’S」を運営するネクスト社が2月7日に発表した、2017年首都圏版「買って住みたい街」「借りて住みたい街」ランキングでは意外な街が1位に。

「買って住みたい街」では船橋が、「借りて住みたい街」では池袋が1位なのである。

なぜ船橋が1位なのかという話。

【もくじ】
都心~近郊の新築マンションが高騰したから船橋が1位!?
調査方法を変えたから船橋が1位になった
なぜ、調査方法をコロコロ変えるのか?
SUUMOとMAJOR7「住みたい街ランキング」上位は恵比寿と吉祥寺
まとめ

 

都心~近郊の新築マンションが高騰したから船橋が1位!?

HOME’Sの「2017年 住みたい街ランキング」ページで確認してみると、「総評」のなかで、「船橋」が1位になった背景を、都心~近郊エリアの新築マンションの高騰で同エリアの駅のランキングが相対的に下がったためとされている。

首都圏 買って住みたい街ランキング 総評
(前略)首都圏で都心から近郊に位置するエリア以外の駅が1位となったのはここ3年で初めてです。
近年、都心~近郊の交通・生活利便性が確保された地域は、地価の上昇、建築資材価格の高止まり、人件費の高騰によって押し並べて新築マンションおよび新築戸建の価格が高騰しており、一般的な給与所得者では手が届かない価格帯で分譲されるケースも数多く見られることから、いくつかの例外を除き、都心~近郊エリアの人気住宅地を擁する駅のランキングが相対的に下がったものと考えられます。(以下略)

調査方法を変えたから船橋が1位になった

都心~近郊エリアの新築マンションの高騰で、船橋が1位になったという説明にはチョット引っかかる。

そこで、ネクスト社が過去2年発表してきたランキングを調べ、並べてみた(次表)。

過去2年間、1位吉祥寺、2位横浜だった。なのに今回、吉祥寺はランキング外。横浜は15位と大きくランクダウン。

首都圏 買って住みたい街ランキング

なぜ、これほどにランキングが変わってしまったのか?

実は、過去2年と今回とでは、調査方法が違うのだ。

過去2年の調査方法は、3 年以内に住まいの購入を検討している首都圏(1都3県)の居住者を対象として2日間で実施したインターネット調査(有効回答数1,030票)。

一方、今回の調査方法は、HOME’S に掲載された購入物件のうち、首都圏(1都3県)のHOME’S ユーザーからの問合せの多かった駅名を1年間(16年1月1日 ~16年12月31日)集計した結果なのだ。

だから、今回の調査結果は「買って住みたい街ランキング」を意味するのではなく、「 ユーザーからの問合せの多かった駅名ランキング」を意味するに過ぎない。

高くて買えない都心のマンションを諦め、手が届きそうな郊外のマンションへの問い合わせが増えたのであって、住みたいかどうかは別の話なのである。

「借りて住みたい街」ランキングにも、同様の事情が伺える。

※詳細は「解明!?住みたい街ランキング1位が恵比寿でも吉祥寺でもなく船橋である理由」ご参照。

なぜ、調査方法をコロコロ変えるのか?

なぜ、「買って住みたい街ランキング」と「借りて住みたい街ランキング」とで、不自然なまでに調査方法をコロコロと変えているのか?(次表)

売れ行き不振のエリアを上位に上げたかったのではないのか、と勘繰りたくなる。

なぜ、調査方法を変えたのか

調査方法はやたらと変えないことが重要だ。そうしないと過去の記録との比較ができなくなる。

どうしても調査方法を変更しなければならいない場合には、変更した事実やその理由を明記するのが真摯な態度であろう。

HOME’Sの「2017年 住みたい街ランキング」ページには、集計方法は明記されているものの、集計方法を変更した事実やその理由はどこにも記されていない。

SUUMOとMAJOR7「住みたい街ランキング」上位は恵比寿と吉祥寺

毎年「住みたい街ランキング」を公表しているサイトは、ネクスト社に限らない。主なものとしてはSUUMO(スーモ)やMAJOR7などがある。

SUUMOの3年間の「住みたい街(駅)ランキング」の1位・2位に恵比寿と吉祥寺が占めている(次表)。

SUUMO[関東]住みたい街(駅)ランキング

また、MAJOR7の3年間の「住んでみたい街(首都圏)ランキング」のほうは、2年連続で恵比寿と吉祥寺が1位・2位を占めていることが分かる(次表)。

MAJOR7住んでみたい街(首都圏)ランキング

まとめ

■ネクスト社が発表した2017年の調査結果は「買って住みたい街ランキング」を意味するのではなく、「 ユーザーからの問合せの多かった駅名ランキング」を意味するに過ぎない。高くて買えない都心のマンションを諦め、手が届きそうな郊外のマンションへの問い合わせが増えたのであって、住みたいかどうかは別の話だ。

■ネクスト社が過去2年発表したランキングと比べると、調査方法をコロコロ変えていることが分かる。でも、変更した事実やその理由は明記されていない。売れ行き不振のエリアを上位に上げるために調査方法を変えたのではないのか、と勘繰りたくなる

■毎年「住みたい街ランキング」を公表しているSUUMOとMAJOR7はともに2年連続で恵比寿と吉祥寺が1位2位を占めている。

マン点流!不都合な真実を解説シリーズ

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おまけ

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  1. ランキングは現実的でなければなりません。
    マス層が買える街で、その中で人気の街をランキングした今回のホームズさんのランキングは快挙だと思いますよ。

    ランキングに影響され、吉祥寺に住みたいあまりバス便練馬区に住むとか、狭いマンションに住むなどに、あまりよい印象がありません。

  2. 問い合わせをする時点で購入の意思(検討の余地)が多少なりともあると思うので、
    住みたいかどうかは別の話ではなく、ある程度は合っていると思いますけど…。

  3. サイトには
    「『HOME’S』で住まいを探すユーザーの検索・問合せ数をベースに算出した“実際に探されている街/駅”のランキング結果です。」
    とも記載されています。
    集計にあたっての検索数と問合せ数の重みづけは不明ですが、問合せ数だけではないようです。

    「住みたい街」ランキングというと語弊があるのであれば、「住まいを探されている街」ランキングとすればよかったのかもしれませんね。

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