第18回 女性が望むエリアの物件価値は高い

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 このブログは、マンション業界OBが業界の裏側を知り尽くした目線で、マンション購入に関する疑問や諸問題を解き明かし、後悔しないためのハウツーをご紹介・・・原則として毎月5と10の日に投稿しています

 

 

 単身を含む女性からの評価やご相談のある物件には、ある種の共通点があります。

それは、「都心への交通便の良い立地」、「駅から5分以内」の2点です。ご依頼の女性は、例外なくフルタイムの仕事をしている人です。単身者が比較的コンパクトな間取りタイプを、共働きの場合は、概ね70㎡をという広さの違いがあることだけです。

 

「購入物件の評価サービス」を始めてから、女性からのご依頼が多い傾向は感じていましたが、5年を経た今、ご依頼の女性の大半は専業主婦でないと断定できそうです。

 

女性の社会進出が活発になって、世帯年収も増えたのでしょう。さらに、近頃の金利低下によって、サラリーマン家庭でも億ションに手が届きつつあります。単身女性では、都心の50㎡クラスを5000万円で購入するというケースのご依頼も少なくありません。

 

数年前に比べて、購買力は2割から3割は高まったように思います。

 

単身者のご依頼では、対象物件の立地が日本橋エリアや中野エリアが際立って多くなっていますし、共働きの場合は特定地域に偏っていないものの、都心ダイレクト沿線の主要駅と山手線に近いエリアが圧倒的に多くなっています。

 

女性のご依頼が多い理由を考えてみると、夫は妻に任せているということなのか、それぞれの家庭の事情までは分かりませんが、仕事と主婦業を兼務するだけに妻主導・妻中心ということのようにも思えます。

 

その兼業主婦、または単身女性にとって、ニーズは何をおいても立地条件が優先すると推測することができます。

●女性の活躍する社会へ進展

今後の日本は女性の活躍なしでは衰退するしかないと言われます。人口が減り、高齢化がますます進展して働き手が少なくなるのですから。

 

女性が活躍できるようにするには、待機児童の問題、夫の育児参加と職場の理解が深まることなど、課題が多い現状にありますが、それらが次第に克服されるにしても、女性が遠距離通勤するというのは過酷なものがあるはずです。

 

だから、冒頭で述べた2大条件がマンション購入の優先順位になるのです。そして、長い目でみれば、ますますこの条件を満足するマンションの需要は増え、相対的な価値が高まると予想できることになります。

 

筆者に届く評価依頼の物件位置だけで判断するのは、部分から全体を推定するということですが、当たらずとも遠からずと思っています。専門誌の記述などからも確信を持つところです。

 

マンション選びは、それぞれの家庭の事情によって一定の制約を受けるのが当然です。東京都心に職場を持つ人が圧倒的に多いとはいえ、郊外都市に居を構え郊外都市の職場に通勤する人も多数あるのです。従って、郊外マンションに対する需要も間違いなくあり、将来のリセールを念頭においたとき、買い手がいないなどということはありません。

 

しかし、その郊外都市においてもリトル東京的な視点が必要になるはずです。つまり、働く女性に支持される「便利な物件」が人気を集めることになるのです。

 

●長期的な視点で

長期的に考えると、人口の減少による住宅ニーズの減少、すなわちマンション市場の縮小という課題を背負うことになります。地方では「コンパクトシティ宣言」を発表した都市も出て来たようです。

 

コンパクトシティは、住宅、職場、店舗、病院など、生活に必要な機能を中心部に集めることで、マイカーに頼らず、公共交通機関や徒歩で暮らせる街にするというものです。

言い換えると、行政サービスの効率化のためと、民間を含めた生活関連施設の有効活用のために、駅前など一定地域に施設を集中させようというものです。

 

これを性急に実施することが良いことかどうかは異論があるものの(事実、早くも構想が頓挫している都市もあるようですが)、いずれはそうならざるを得ないのだろうと思います。

 

とすると、集約するエリアの外にある住宅は不便極まりないものというレッテルを張られてしまい、誰も見向きもしない代物となるリスクを負うことになります。

 

人口が減れば職場そのものも減ります。職場がなければ、近隣他市へ通勤するほかなくなります。職場への通勤が不便だからと転居する人も増えて行くことでしょう。人口は一段と減り、街は衰退します。

 

昨今、東京だけが人口増の傾向を見せている事実は、この裏返しと見て間違いないようです。

 

2年前、日本創成会議・人口減少問題検討分科会が推計して「消滅可能性都市一覧」を発表しました。2040年(24年後)日本各地で市町村が多数消えるというのです。東京都でも、何故か「豊島区」が含まれていました。ご記憶の方も少なくないと思います。

 

ともあれ、人口が減ることによって立ち行かなくなる公共・民間施設、民間企業、商店などが続出することは必至です。住宅需要は減り、空き家も増えることでしょう。

 

住宅の資産価値は低下し、極端なことを言えば、二束三文でも売れない事態となるのです。地方都市の老朽化したマンションが100万円などという悲しい現実もあり得るのです。

 

売らずに済むなら、価格が安かろうが高かろうが生きている間は何も問題ないのですが、空き家になると困るのが残された相続人です

 

 

その昔、夫は通勤2時間を我慢しながらも庭付きのマイホームを家族のためと割り切って求めました。しかし、時代は変わりました。かつて高度成長を支えた団塊世代は子供が巣立った家を持て余しています。その中に、より便利な暮らしを求めて駅近のマンションに移り住む人も多いと聞きます。

 

そして、働く女性のニーズも便利な立地のマンションへ向かっています。長い目で見ると、価値あるマンションの条件は「今以上に便利な立地であること」が絶対的になると考えるべきでしょう。

 

具体的には、「駅が徒歩5分程度と近い」、「スーパーマーケットをはじめとする買い物施設が徒歩圏内に豊富に揃っている」、「子育て支援施設が近い」こと、更には、都心通勤も可能なエリアであるなら、「特急・急行停車駅であること」などです。

 

マンション選びは衰退しない都市、衰退しない街、衰退の方向にある都市であるとしても、「便利な立地」を必須条件としなければならない時代になったようです。

 

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