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第182回 基本のキ「中古マンションの価格を左右するのは何?」



このブログは5日おき(5、10、15・・・)の更新です。

 

新築マンションは、原価(土地代+建築費)と販売経費+事業者利益で販売価格が決まるものですが、中古マンションは【⓵物件固有の条件】+【②市場動向】+【③売主の事情】によって決まると考えられます。

新築の価格を決める「原価+販売経費+利益」は中古マンションの価格決定要素には存在しません。

⓵~③をそれぞれ詳しく説明しましょう。

 

●中古マンションの価格はこのように決まる

⓵物件固有の条件

立地条件及び建物の築年数やグレード、住戸の広さなどによる評価の合計が中古住宅の価格を形成しています。この中で最も比重が高いのは立地条件です。地域的要因と言い換えることができます。

評価が高い地域的要因を挙げると、都心にアクセスが良い、駅に近い、人気エリア内にある、公園が目の前、スーパーが隣、眺望が圧巻な場所にある、ブランドマンションであるといったことです。

②市場動向

市場動向に関係があるものとして、売りやすい社会的要因が挙げられます。

国内景気が上向きである、マンション市況も良い、価格の上昇傾向が見られる、金利が低い、政策的支援があるといったことです。

こうしたマクロ的な要因も当然影響を与えますが、個別のマンションの価値を左右するのは地域の市場要因です。

新築マンションの発売が多い地域では、マンションを探している購入希望者が新築に流れ、中古は値下りしやすくなります。また、同じマンション内でいくつも売り出しが続くと値崩れしやすいものです。

一方、地域内で売り出しが滅多にない人気マンションは強気な売値が通用する場合があります。最上階のルーフテラス付きなどの特別な住戸も高く取り引きされることが多いものです。

③売主の事情

買い替え先の支払いや移転時期などの都合で売却を急いでいるとき、売り出し価格を低めに設定される場合があります。高めに設定しても時間がないときは、途中で価格を下げて来ます。

中古マンション取引の実情を見ていると、相場より価格が高過ぎるケース、急いでいるためか安く売り出されるケースがあります。また、値引き交渉が比較的たやすい売主、反対に強気で交渉が難しい売主があります。

新築住宅は予め販売価格が設定されていますが、中古の場合は売り出したあと、購入希望者との交渉で最終的な価格が決まる場合が多いのです。

 

売主が何らかの事情で早く売りたいと考えている場合には、安く買えるケースもありますが、反対に、見学希望者が多数あるようなときは、買い手同士の競争が激しくなって、売主の言い値で成約に至ってしまうようなこともあるのです。

 

●損得分岐点の認識

5000万円で買った自宅マンションが10年後に5000万円で売れた。損か得かとある人に尋ねたら「手数料の分が損だ」という答えが返って来ました。この答えは正しいでしょうか?

 

筆者の答えは「大儲け」です。何故なら、10年間の家賃分がそっくり、少なくとも手数料の3%だけで住むことができたことになるからです。

 

厳密な計算は別ですが、そもそもマンションを買う人の動機のひとつに「家賃が勿体ない」にあるからで、家賃との対比で損得が比較されます。雑誌の記事には、30年とか50年間のシミュレーションで損得を算出していますが、そこに途中の買い替えは想定されません。しかし、現実は10年とか15年で買い替えが発生するものです。

売却して儲かればいいですが、損するマンションを買ってしまったら「賃貸マンションにいた方が良かった」となりかねません。まあ、マイホーム取得は金銭的な損得ばかりではないので、前向きにマンション購入を考えるべきですが、できたら儲かるマンションを買いたいものです。

 

筆者に届く物件の評価依頼のメールには、表現の仕方は違いますが、ほぼ例外なく「残債割れは起こらないか・損はしないか」が書き込まれています。

話を戻しましょう。毎月の負担で泡と消えるのはローンの金利です。元金部分はマンションという実物資産に置き換わりますから費用には当たりません。しかし、元金も支出であることには変わりません。

賃貸マンションと異なる出費は、固定資産税や修繕積立金です。金利・元金を含むこれら支出の合計が賃貸マンションを借りた場合の家賃と同額と仮定したら、実物資産として残る部分がトクになります。

 

ところが、10年後に売却したら購入時から25%も安くなってしまった場合はどうでしょうか? その場合は、実物資産として残ると期待したマンションが1銭のキャッシュも残さない無の資産となってしまうのです。

(25%というのは、35年ローンを組んだ場合の10年後の元金減少割合を指しています)

 

もし35%も下がったら、10%のマイナス資産になります。これが「残債割れ」というやつです。そんなことにならないような物件選びが常に大事です。

 

「常に」と書いた理由はこうです。

マンションは売らなければ損も得もないですし、ローンが完済する35年後は、仮に購入額の30%程度しか売れなかったとしても、キャッシュを生み出すので、購入は「ずっと賃貸マンション」よりメリットは大きいのです。

 

しかし、35年も長く住み続けるということは考えにくいとしたら、いつでも売却ができて売却後にキャッシュが残る可能性の高い物件選択に留意すべきと思います。「常に」の意図はここにあります。

 

●値上がりが期待できる中古マンションの条件

では、どのようなマンションが中古になっても値下がりしにくいのかについて説明しましょう。

 

中古マンションが新築と同額で売れるということは本来あり得ないことです。築3年、5年と若い物件でも、買い手から見れば手垢がついた建物なので、機能は変わらないとしても心理的な価値のダウンが避けられないからです。

ところが、周辺の新築マンションを上回る価格で買い手がつく中古マンションは現実に多数あります。一方、10年も経たないのに購入時の4割減、半減になってしまうという実例もあるのです。

 

以下は値上がりしやすいマンションの条件等について整理したものです。

⓵物件の魅力

値上がりするマンションの条件、それは周辺新築物件にない特長や利点があって、中古であることのマイナスを補って余りある物件であることです。

例えば、小型物件の多いエリアにおいて、所有マンションが大規模で様々な付加価値を有する物件であれば、その差別感や存在感が新築・中古を問わず特別なものと認定・評価され、高い価格を付けるのです。

駅直結マンションであるとか、駅に近いうえに緑濃い住宅街の中にあるとか、或いは隣が大型スーパーである、大規模公園に接している、遮るものがない一面オーシャンビュー、といった格別な立地条件の物件も同様です。

 

これらは、物件固有の条件が中古マンションの将来価値(リセールバリュー:RV)を左右するものであることを指しています。

 

その条件を分解すると、将来価値を決定する要素は、①立地条件(利便性と環境。マクロ的な人気度)、②スケール(存在感)、③外観・玄関・空間デザイン④建物プラン(共用施設、間取り、内装や設備など)➄ブランド⑥管理体制となります。

この中で一番比重が高いのは①の立地条件です。立地さえ良ければ建物は何でもいいという単純なものではないのですが、大きな要素であることは確かです。逆に、どんなに素晴らしい建物でも立地条件の悪さを補うことはできません。

築20年、築35年マンションが周辺の新築より高い実例について書いたブログはこちらhttps://mituikenta.com/?p=2415

 

②需給バランスと物件の希少価値

当該エリアで新築の供給が殆んどないとか、あっても比較対象にならない物件ばかりという場合は、期待以上の価格になることがあります。

例えば、80㎡以上の広さを求めても、新築に70㎡台までの売り物しかないという場合や、駅近の物件を探したが、徒歩15分以上の売り物しかないというとき、80㎡以上の物件所有者、あるいは徒歩5分以内など駅近の物件所有者には有利に働きます。

これらを一言で表すと、「希少価値」ということになります。

中古マンションの価格は需給関係で決まります。新築の供給が少なければ、中古が取引の中心になり、上質な中古物件は新築並みの価格になるものです。人気の高い街や駅周辺では、新築の供給が何年も途絶えていたりすると、過去の新築相場を超えてしまう高値の中古マンション取引が生まれます。

 

③儲かるタイミング

中古マンションは、平均的には20年もすると新築相場の7掛けから半値くらいになるものですが、タイミングによって高値になったり安値に戻ったりするのです。

 

新築価格が急騰している時期に売り出すと、割安な中古に需要が向かうので、中古が引き上げられる恰好となって値上がりします。固有の条件が「平凡」の域を出ていない物件であっても、期待できるのはこのケースです。

過去にも、その恩恵に浴することができた人・物件は多いのです。従って、売り出しのタイミングが非常に重要となります。

 

ただ、市場全体で価格が上がってしまうと我が家が値上がりして喜んでも、買い替え先の物件も値上がりしている可能性が高いことを忘れてはなりません。しかし、タイミングと買い替え先の選定によっては、恩恵に預かれる可能性が残ります。例えば都心のマンションが値上がりしていても、横浜はまだ値上がり前夜ということもあるからです。つまり、不動産は広域で一斉に値上がりすることはないのです。

 

繰り返しますが、中古マンションの価格は新築価格に連動します。新築が上昇中のときは、割安な中古に需要が向かいます。すると、やがて中古も値が上がるのです。

尚、築20年の中古マンションは新築の7掛け~半値程度になると言いましたが、新築相場が2倍になっているときなら、購入価格から見れば値下がりしない理屈になります。

 

④高値掴みをしないこと

最も大事な要素は「購入価格」です。価値に見合わない高値で購入(高値掴み)すれば、どれほど立地が良くても、また建物が立派でも将来価格は期待外れになります。

今(2018年)は2013年から続く高値の時期に当たっているので、例外なく高いマンションを買ってしまうことになりそうです。

 

反対に底値のような時期に購入した物件なら、次の上がり相場のときに売れば、平凡な物件でも値上がり益を得ることができるのです。

 

最近の売却者で2005年頃に購入した人は、購入価格より売れて喜んだことでしょうし、もっと極端には2012年頃(今回の上がり相場の前夜)に購入し、5年後の2017年に売却した人は20%も高く売れて(5000万円が6000万円になって)ホクホクだったはずです。

しかしながら、それでも物件固有の格差が大きかったことは事実です。

 

最近の状況は、値上がり相場に便乗して高く売りたいという強気な売り手も多いので特に注意が必要です。全般的に高い(相場が高い)ときなので、仕方ないと考えている人も多いですが、自分だけが高いものを掴まされるということもあるのです。

(新築の売主にも中古の売主にも見られる現象です)

 

*  *  *  *  *  *  *  * *  *  *

結局、平均点以上の優良な物件(特に好立地の物件)を適正な価格で購入すること、そして他力本願ですが相場が上がってくれること、この二つの要因によって購入マンションの将来は高い資産価値が期待できるということになります。

 

中古で購入した場合もメカニズムは同じで、何年か先の相場が上昇してくれれば、購入マンションも高値を付けることになり、購入価格から見ると値下がりなく売却できることがあるのです。

 

 

・・・・・今日はここまでです。ご購読ありがとうございました。ご質問・ご相談は「無料相談」のできる三井健太のマンション相談室までお気軽にどうぞ。http://www.syuppanservice.com

 

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