遊休地は活用しないと損をする?有効活用するポイントと注意点を解説

遊休地の活用

遊休地とは取得してから2年間以上、何も利用されていない土地のことをいいます。「土地を相続することになったが、更地で困っている」「長年農地として利用してきたが、現在何にも利用していない土地がある」など何にも使用せず遊ばせている土地について困っている方も少なくないでしょう。

遊休地をそのまま所有していても税金が毎年かかってしまったり、手入れが疎かになって管理責任を問われてしまったりと、よいことはほとんどありません。

そこで、本記事では遊休地の有効的な活用方法事例を中心に、遊休地の活用について解説していきます。余っている利用していない土地をどうしたらいいのか分からなくて困っている方は、ぜひ本記事をご覧ください。

この記事からわかること
  • 遊休地はそのまま放置していると損する
  • 遊休地の活用方法を決めるのに大事なのは目的をはっきりさせること
  • 人の流れが全くない遊休地は売却を検討するのも一つの手

1. 遊休地を活用した方がよい理由

遊休地を活用する理由

遊休地を放置するのはデメリットが多く、場合によっては大きく損をしてしまう可能性があります。以下で理由を詳しく解説していきます。

1-1. 所有しているだけで税金がかかる

土地は所有しているだけで、毎年固定資産税、都市計画税など税金がかかります。さらに、空き家は固定資産税と都市計画税の割引がありますが、更地は税金の減額が行われません。そのため、建物が建っている土地より、更地の方が税金が高くなってしまいます。

遊休地を活用せずに費用が毎年かかってしまうより、税金分だけでもまかなえるよう有効活用した方が経済的負担を減らすことができます。

1-2. 活用しないと土地の評価額が下がる

地方であればあるほど、遊休地の価値は下がる傾向にあります。特に再開発などが検討されている土地でなければ低くなる場合が多いです。

建物を建設したり整地したりすると付加価値を高められるので、遊休地のままにしておくより売却額が上がる可能性があります。何もせず更地のまま放っておいて税金がかかるだけになるよりは、少しでも有効活用しておく方が損失のリスクを最小限にできるでしょう。

1-3. 管理しないと近隣のクレームに繋がりやすい

更地は人の管理が行き届いていないと、害虫や雑草などが発生する可能性があります。また不法投棄の温床にも繋がりかねません。

そういった状況になってしまうと、近隣の方からクレームが発生することも考えられます。遊休地にしておく時間が長ければ長いほど、近隣トラブルの可能性は高くなっていくばかりです。

遊休地に頻繁に訪れることができる距離であればまだ管理はできますが、所有者が高齢者であったり遠方に住んでいる場合は、管理は困難です。

2. 遊休地の活用事例7選

遊休地の活用事例

ここからはおすすめの遊休地活用事例7選を紹介します。それぞれどんな土地がその活用方法に向いているかも解説しているので、所有している土地と照らし合わせて確認してみてください。

2-1. 賃貸住宅経営

こんな土地におすすめ
  • 20坪以上の広さがある土地
  • 人の流れがある

戸建て、アパート、マンションなど広さによって用途は異なりますが、戸建てなら20坪以上、アパートなら30坪以上、マンションなら100坪以上あると十分な広さを有しているといえます。

初期費用は高額ですが、節税対策になるのが大きなメリットです。固定資産税、都市計画税、相続税は遊休地にしているよりも安くなります。

収益性が高い方法で長期的な運用を視野に入れている方には特におすすめです。都市部やターミナル駅に近いところであればあるほど、空室リスクが少なく安定した経営ができるでしょう。戸建てに関しても長期契約されることが多いので、経営としてはリスクが低い方法といえます。

2-2. 駐車場経営

こんな土地におすすめ
  • 変形していない土地
  • 観光地などの人の出入りが多い土地

駐車場経営は、舗装方法によっては安い初期費用で運営を始められる方法です。あまり大きな工事をする必要もなく、収益化までの期間も長くかかりません。また、自分で経営するのもよいですが、駐車場経営をしている法人企業に貸し出しするのも一つの手です。

遊休地の周辺が住宅街、オフィス街の場合は、月極で運営するほうが向いています。観光地などの人の出入りが多い場合はコインパーキングの方がよいでしょう。月極は安定した収入を見込めますが、コインパーキングは回転率によっては効率よく稼げるので大きく収益を望みたい方に向いています。

2-3. 太陽光発電

こんな土地におすすめ
  • 周辺に高い建物がない広大な土地
  • 日照時間が長い地域にある土地

太陽光パネルを遊休地に設置し、そこで発電された電力を電力会社に売って収益化していく方法です。

周りに高い建物がなく、日光が当たりやすい場所であると最適です。田舎や地方でも有効活用できるのが魅力です。特に日照時間が長いとされている群馬県、山梨県に遊休地を所有している方にとってはおすすめの活用方法です。

しかし、初期費用に関しては高額なのがデメリットです。さらに廃棄費用、メンテナンス費用の負担も準備しておかなければなりません。また費用回収は10年単位でかかるので、短期的な経営をしたいと考えている方には向いていないでしょう。

2-4. トランクルーム・倉庫の経営

こんな土地におすすめ
  • 津波や洪水、がけ崩れなどの災害発生リスクが低い土地
  • 住宅地、都心部、郊外

トランクルームや倉庫は需要が高まっています。トランクルームとは利用者が一時的に荷物を預け、それを保管するサービスのことです。

コンテナや倉庫を設置するだけなので、初期費用も抑えめで運用を開始できます。法人の利用も考えられるため都心部の需要はもちろんですが、住宅地、郊外でも十分運営しやすいのが魅力です。

個人で一から集客するよりは、トランクルーム会社と契約して経営を行っていくのが効率的でしょう。

自然災害リスクに注意
お客様の荷物を預かるので、洪水など自然災害リスクが発生しやすい地域には向いていません。水漏れや土砂崩れなどで、荷物が破損してしまうリスクが高い海沿いや山地近くなどの地域は避けた方が無難です。

2-5. 借地・定期借地

こんな土地におすすめ
  • 都心部、再開発都市など人の流れが多い土地
  • 100坪以上の土地

借地とは、事業者に土地を貸し出す方法です。定期借地は最初に貸し出しする期間を定め、その期日になったら返却してもらう方法です。土地を貸し出すだけで、建築代などの初期費用は所有者側には一切かからないのがメリットです。リスクを負わずに安定した収益が見込めます。ただし、定期借地の契約締結には収益が望める土地でないと、事業者側も借りたがりません。

つまり、将来的に収益が出せる都市部や再開発都市などでなければ、なかなか借り手は現れないでしょう。そのため、契約締結に至らないケースがよくあります。

また、事業用として運営を考えている借り手であれば、広さも重視すると考えられます。最低でも100坪以上はあると契約の可能性も上がるでしょう。しかし、上手く契約を結べてもローリスク・ローリターンな収益になるので、効率的で大きなリターンに挑戦したい方にとっては向いていない方法です。

2-6. 土地信託

こんな土地におすすめ
  • 都心部、再開発都市など人の流れが多い土地
  • 30坪以上の比較的広い土地

土地信託とは、信託会社に土地を預けて代わりに運用してもらい、利益を配当金で得る方法です。

土地信託を上手く利用すると相続税を節税できます。信託会社は基本的に建物を建てて運用していく場合が多いため、遊休地のままにしているよりも固定資産の評価額が下がりやすく節税につながります。

しかし、土地信託の場合も所有者に代わって、初期費用の負担や運営を信託会社が行うので、収益として得られるものも低くなります。また、借地同様に信託会社が将来的に収益を見込める土地と評価していなければ契約は難しいため、資産価値が低い田舎の土地だとこの方法は難しいでしょう。

2-7. 店舗経営

こんな土地におすすめ
  • 人の流れが多い土地

会社に委託せずに自分で経営をしながら、将来的に大きな収益を得られるよう挑戦したいと考えている方は店舗経営という方法もおすすめです。特に今後はヘルスケア事業が都市部に限らず伸びる可能性の高い分野です。長期的に経営を行っていく場合は、長続きする分野で勝負しましょう。

経営には予測不能なリスクが付きものですが、経営に関する知識やスキルを日々蓄積していったり、いざというときは経営コンサルタントの力を借りたりすることで対処していくことも可能です。

土地活用に応じて相談先を調べたい方は、下記の記事をご覧ください。

3. 遊休地を活用する前にするべきこと

遊休地活用の前に確認

では、いざ遊休地を活用しようと思ったときに気を付けておきたいポイントを紹介します。これらを知っておくことで失敗するリスクを減らせるので押さえておきましょう。

3-1. 用途地域を把握しておく

すべての土地は宅地、農地、商業地、工業地など用途によって区分けされています。用途地域とは、住居、商業、工業などの用途が各自治体によって定められた13種類の地域の総称です。実際にその土地がどの用途に分類されているかは、自治体HPで確認できます。

用途地域によって建物の建築用途の制限があるため、把握は必須といえます。たとえば「第一種低層住居専用地域」という区分の中にある土地では、低層かつ良好な住環境を保護するため制限が付けられています。

第一種低層住居専用地域の特徴
具体的には、建物の高さは10~12mまで、店舗であれば50平米までの広さというように決められています。「第一種低層住居専用地域」は、コンビニですら建てられないのが特徴です。

このように用地地域を調べておかないと、せっかく活用方法を決めても制限がありできない可能性があるので、事前に確認しておきましょう。

3-2. 自己資金やローンの組み立て計画を確認する

初期費用が必要な場合は、今の自己資金がいくらあるのか、もしローンを組むならどのような返済計画になるのか事前に考えておかなければなりません。

ローンを組む際は、審査も必要になります。遊休地の活用方法が十分に収益を得られる方法なのか、活用にあたって準備してある自己資金の割合、借入状況、自分で経営する場合は事業計画書などを確認されます。場合によっては専門業者に相談しながら収支計画を作成するとよいでしょう。

もし、副業で運用していくのであれば、最初のうちは本業の収入で十分補える返済額に設定するのがおすすめ。軌道に乗ってから返済額を増やしていくほうが無理のない運用だといえます。

3-3. 土地の広さや環境を確認する

遊休地の活用方法を決めるにあたり重要なのは、土地の立地や広さです。都市部に近ければ人の流れが多く期待できるので、アパートやマンション、コインパーキング、商業施設などの運営も検討できます。賃料や料金設定などにも関わってくるので、周辺に賃貸住宅やコインパーキングなどがあれば相場なども確認しておきましょう。

また、ある程度長い目で遊休地の活用・運用を考えている方は、下記の情報も調べることで長期的な視野で活用方法を考えられます。

  • 将来的にその土地の地価がどうなっていく予想があるのか
  • 周辺に再開発都市地域などがあるのか
  • 初期費用が多少かかっても後々収益で回収できる可能性があるのか
  • リスクを限りなく抑えた運営が向いているのか

再開発都市については、都道府県や市区町村のHP、国土交通省の地方整備局のHPなどで情報を調べられます。

また、用途地域で定められている中から、土地の広さに合わせて建築の選択肢を絞る必要があります。広さというと単純に聞こえるかもしれませんが、活用にあたって適切な広さを知っておくことが重要になります。

3-4. 活用目的を決める

遊休地を活用する際の重要なポイントは目的を決めることです。安易に興味本位で活用方法を決めてしまうと「こんなはずじゃなかった」と後悔しかねません。

土地活用には大きく3つの目的があります。

  • 収益を大きく得る
  • 節税対策をする
  • 安定的にローリスクでローリターンな収益を得る

自分がどの目的に近いか確認してみましょう。その上で目的にあった活用ができるのか検討してみるのがおすすめです。実際に事業企画を立てたらそれに適した業者に相談してみましょう。

4. 遊休地は活用ではなく売却するのもあり

遊休地売却の流れ

「目的にあった活用をするのが難しい」「初期費用を出してまで運用する価値がなさそう」と判断した場合は、早めに売却してしまうのも一つの手です。どういった場合に売却を検討すべきか、また売却するとしたらどんな流れなのか解説していきます。

4-1. 活用ではなく売却した方がよい場合

人の流れがあまりにも見込めない地域は無理して活用するより、売却した方がよいと考えられます。物理的に僻地すぎて侵入が難しい土地も、活用方法が限られるため収益を見込んだ運用はかなり難しいでしょう。

また借地、土地信託として活用するにしても最低限契約までの手間は必要になるので、リスクもゼロではありません。このようにわずかでも労力、リスクを避けたい方であれば、すぐに売却してしまった方が向いているといえます。

4-2. 遊休地売却の流れ

では実際に遊休地を売却する場合はどんな流れで進んでいくのか、遊休地を売却するときの手順について紹介します。

遊休地の売却手順
  • 1. 土地調査
  • 2. 不動産会社と契約する
  • 3. 売却活動をしながら購入者を見つける
  • 4. 購入者が決まったら支払いをしてもらって引き渡しする

まず遊休地の売却で大切なのは事前に土地の相場を知っておくことです。土地相場は、近隣で似たような土地の取引事例を調べたり、実際に机上調査といって不動産会社のHPなどから必要情報を入力するだけで完結する調査を行うとよいでしょう。

大まかな相場を把握した上で、複数の不動産会社に見積もりを依頼し、比較検討するのがおすすめです。その後、不動産会社と契約を結んだら、売却活動を行いながら土地の購入者を探します。購入者が見つかったら、そのまま支払いをしてもらい、所有権移転後に引き渡しという流れです。

まとめ

遊休地を活用する上で失敗しないために重要なことは、活用目的を明確にして土地にあった活用方法を選択することです。そのためには遊休地の広さや特徴を正確に把握する必要があります。

遊休地は方法によっては多くの収益を見込める可能性が秘められている財産です。更地のままにしていると利益を得る機会を逃してしまうだけでなく、税金だけがかかって損をしてしまう可能性もあります。

遊休地の可能性を見極め、自分に合った活用方法を探してみましょう。

※この記事は2021年8月6日に調査・ライティングをした記事です。
※本記事の価格はすべて税込で表記しております。

TOPへ