マンション売却のメリット・デメリット|売却の流れや注意点を徹底解説

マンションと鍵

「マンション売却を検討しているけど何から始めたらいいのかわからない」という方も多いでしょう。マンション売却は不動産会社と二人三脚になって行います。正しい判断をするためにも売主にも基礎知識が必要です。

そこで本記事では、マンション売却の流れや売却にかかる費用・税金などの基礎知識から、売却を成功させるためのコツや注意点まで詳しく解説していきます。まず何をすればいいのか、どこに気をつけたらよいのかがわかります。

マンション売却を検討している方はぜひ本記事を参考にマンション売却に関する知識を深めましょう。

この記事からわかること
  • マンション売却には3〜6ヶ月かかることがあるので早めの始動が重要
  • マンション売却の仲介手数料は売却額によって変動する
  • もし買い手がつかない場合は不動産会社を変更して再挑戦を

1. マンション売却のメリット・デメリット

マンション売却のメリット・デメリット

まずは、マンション売却にはどのようなメリット・デメリットがあるのかを確認していきましょう。

1-1. マンション売却のメリット

マンション売却は賃貸経営と異なり、確実に現金化が可能です。また、マイホームを手放す場合は税制優遇を受けられることがあります。

現金化して住宅ローンを完済できる

マンションを売却すると大きな額の現金が手に入ります。得た収入で売却と同時に住宅ローンの一括返済が可能です。住宅ローンの残高が売却金額よりも上の場合、貯蓄などから補填します。

ただし住宅ローンを完済しないとマンションは売却できないため注意しましょう。

税制優遇が受けられることもある

マイホームを売却する場合は、後述する譲渡所得税の特別控除が受けられます。3,000万円までの譲渡所得が課税対象ではなくなる「3,000万円特別控除」や、10年以上住んでいたマイホームを売る場合に譲渡所得の税率が長期譲渡所得と比べて6.105%マイナスされる「10年超所有軽減税率」などを適応することが可能です。

1-2. マンション売却のデメリット

マンションを売却するデメリットは以下の2つです。

譲渡所得税がかかることもある

マンション購入時の金額より高値で、かつ住宅ローンの残高を上回る金額で売却できた場合、所得税・住民税・復興特別税を合わせた譲渡所得税を支払わなくてはいけません。確定申告の手続きをし、支払いを行います。譲渡所得税は、不動産の取得期間が5年以下の短期譲渡所得と5年以上の長期譲渡所得の2つに分かれています。

譲渡所得の税率
・短期譲渡所得:39%+基準所得税額の2.1%
・長期譲渡所得:20%+基準所得税額の2.1%
※平成25年から令和19年まで

売却に時間がかかる

仲介での売却方式をとる場合、すぐに買い手が見つからないなど、予想以上に売却に時間がかかることもあるのがデメリットです。売り出し価格が高い、競合物件が多いなどの理由が考えられますが、特に占有面積が80平方メートル以上になると、売却価格も高額になるうえ、居住用としては広すぎてニーズが少なくなってきます。

2. マンション売却の流れ

マンション売却の流れ

マンションをより高く、より適正な金額で売却するためにも事前準備をしっかりと行いましょう。ここでは、その事前準備にスポットを当てて紹介します。

2-1. 事前準備をする

マンションの売却から成約までは2〜6ヶ月程度かかります。そのため、売却完了目安の日程から逆算して早めに事前準備に取りかかりましょう。

住宅ローンの残高を確認する

住宅ローンの一括返済を予定しているのであれば、まずは残高がいくらあるのかを確認しましょう。なるべく、残高に近い金額で売却するためです。金融機関のネットサービスで調べるか、「残高証明書」を発行して金額を確認します。

売却相場を調べる

どのくらいの売却価格になりそうかの予想を立てるために、売却したいマンションがある周辺エリアの物件の相場を調べます。相場を調べる際は、「レインズ マーケット インフォメーション」や「土地総合情報システム」を利用すると相場価格を検索できます。

相場を把握しておくと不動産会社から提示された査定価格が妥当なのかの判断が可能です。ただし、売却価格は建物の状態や周辺環境にも左右されるので、あくまでも参考程度にしてください。

希望条件を決めておく

いつまでに売却を完了しておきたいか、希望する売却価格の目安、値下げ価格の許容範囲などの条件を決めておきましょう。条件を整理しておけば、売却活動時に不動産会社に提案できます。

必要書類を用意する

マンション売買に必要な書類を役所に取りに行くなどして準備しておきましょう。主な書類は以下の通りです。

  • 権利証(登記識別情報)
  • マンションの管理規約や使用細則
  • 固定資産税評価証明書(固定資産税通知書)
  • マンションの間取り図

特に権利証は手元にないと所有権移転ができず、かつ紛失した際の再発行もできません。失くさないようにしっかりと管理しておきましょう。

2-2. 複数の不動産会社に査定を依頼する

査定を依頼する場合は1社だけでなく、複数の不動産会社に行います。複数社に依頼することで、より高く売却してくれる不動産会社が見つかり、売却価格の相場もわかるためです。複数社への査定依頼は、一括査定サイトを利用すると手間が省けて便利です。査定は簡単な机上査定の後で、売却を担当してもらいたい不動産会社を絞り、訪問査定をする流れになります。

机上(簡易)査定を依頼する

机上査定では、売却予定のマンションがある地域や物件名、間取り、専有面積などの情報を一括査定サイト上で入力して、複数社に査定を依頼します。あまり多くの不動産会社に依頼すると各社の比較に時間がかかったり営業の連絡が多くなるなど、かえって混乱してしまう可能性が高いです。情報を比較しやすく、かつ、ストレスなく対応できる3〜6社に収めるのがいいでしょう。

訪問査定を依頼する

机上査定をしてもらった不動産会社の中から2、3社に絞り、訪問査定を依頼します。担当者が実際にマンションの状態を確認してより詳細な査定を行います。このときに提示された査定額も重要ですが、担当者の対応や自分との相性などもチェックしておきましょう。

2-3. 媒介契約を結び売り出し価格を決める

査定額や担当者の印象などを加味しながら、最終的にどの不動産会社に売却活動を依頼するかを決め、媒介契約を結びます。以下の3種類の媒介契約の中からどれにするかを決定します。

  • 一般媒介契約

    仲介する不動産会社を1社に絞らずに売却活動ができる方法。担当者のモチベーションにより売却できるかが左右されやすい。

  • 専属媒介契約

    仲介する不動産会社を1社に絞り売却活動を行う方法。担当者のモチベーションも維持されやすく売却につながりやすい。

  • 専属専任媒介契約

    仲介する不動産会社を1社に絞って売却活動をし、かつ売主自身が買い手を探すことはできない方法。囲い込みが発生する可能性があり、売主にとってメリットにならないこともある。

売り出し価格は住宅ローンの残高を踏まえて決めましょう。

2-4. 売却活動を行う

売り出し価格が決定したら売却活動に進みます。不動産会社から提案される不動産ポータルサイトへの掲載内容や広告の内容などを確認します。そのほか、内覧の準備と対応を行い、購入希望者から質問された際には真摯に答えるようにしましょう。

2-5. 売買契約を結ぶ

購入希望者が決定したら、購入申込書を受け取り、内容や条件に納得できたら売買契約を行います。重要事項説明書の説明や記名・捺印、契約書の説明や記名・捺印などを経て契約を締結します。

2-6. 決済・引渡しを行う

住宅ローンが残っている場合は一括返済をし、金融機関にて抵当権抹消の手続きを行います。決済日には所有権移転登記や買主の抵当権設定登記などの登記手続きを行い、マンションの鍵と鍵の受領書や引渡し完了書などの書類を受け取り、引き渡しが完了します。

2-7. 確定申告を行う

マンション売却により利益を得た場合は確定申告を忘れずに行なってください。その際の利益を譲渡所得といい、譲渡所得税が課税されます。

なお、譲渡所得は以下の計算式で求められます。

譲渡所得の計算式
譲渡所得=(売却価格-売却時の諸費用)―(購入時の価格+購入時の諸費用-減価償却費用)

確定申告書に譲与所得や給与所得、事業所得などの所得を記載して提出しますが、譲与所得が明確にわからない場合は税理士などの相談をする方が安心です。

3. マンション売却にかかる費用・税金

マンション売却にかかる費用・税金

マンション売却には不動産会社へ支払う仲介手数料のほかに、細かな費用や税金がかかります。それぞれ確認していきましょう。

3-1. 仲介手数料

不動産会社へ支払う仲介手数料は売却金額によって変動します。おおよその相場は以下の通りです。

売却金額仲介手数料
〜200万円売却金額の5%が上限
200〜400万円売却金額の4%+2万円が上限
400万〜売却金額の3%+6万円が上限

なお、売却金額が400万円以下になる場合は、上記で記した上限に関わらず、現地調査費などの費用を加えて、最大18万円が請求されることもあります。仲介手数料は売買契約時と引き渡し時に50%ずつを支払うことが多いので、そのタイミングで金額を用意しておきましょう。

3-2. そのほかの費用と税金

そのほかに必要になる費用は、住宅ローンを一括返済する際にかかるものや売買契約時の書類に関するもの、売却金額が住宅ローンの残高より多いときに発生する譲渡所得などです。

住宅ローン返済時の費用

マンション売却とともに住宅ローンを一括返済するのであれば、登記簿謄本から抵当権を抹消しなければなりません。その際にかかるのが抵当権抹消の登録免許税です。不動産ひとつにつき1,100円がかかるため、土地とマンションを合わせて2,200円になります。

そのほか、金融機関への支払いにはなりますが一括返済にかかる手数料が1〜3万円前後必要です。

印紙税と譲渡所得税

印紙税は売買契約書に貼り付ける収入印紙によって納める税金です。売買金額によって印紙税は以下のように変動します。売買契約の日までに用意しておきましょう。

売却金額印紙税
100〜500万円1,000円
500〜1,000万円5,000円
1,000〜5,000万円10,000円

譲渡所得税は売却金額が住宅ローンの残高を上回ったときに納めなければならない税金です。マンションの保有期間によって税率が変わり、5年以下の場合は39%+基準所得税額の2.1%、5年を超える場合は20%+基準所得税額の2.1%になります(平成25年から令和19年まで)。納税は確定申告時に行います。

一棟マンションの売却に掛かる費用を知りたい方は、下記の記事をご覧ください。

4. マンション売却を成功させるコツ

マンション売却を成功させるコツ

マンション売却は戦略的に行うことが重要です。不動産会社の選び方や売却活動におけるポイント、購入希望者に物件を見つけてもらうための値下げの方法など、マンション売却のコツを紹介します。

4-1. 売却する物件やエリアに強い不動産会社を選ぶ

タワーマンションに強い、特定エリアに強い、など自分が売ろうとしている物件やエリアに強い不動産会社を選びましょう。売りたい物件のタイプやエリアでの実績があるかどうかを公式HPで確認したり、担当者に直接聞いてみたりするとよいでしょう。

下記の記事では、不動産査定でおすすめの一括査定サイトを紹介していますので、ぜひ参考にしてみてください。

4-2. ターゲットを絞り込む

売却活動はターゲットを絞り込んで行うと効果的です。たとえば、売ろうとしている物件が小学校や中学校の近くだった場合、小さな子供をもつファミリー層やこれから子供をもつことを検討している夫婦層に向けた売却活動が鍵となります。

このように、売却エリアの特色を明確にして、効果的な売却活動を担当者とともに考えておくとよいでしょう。

4-3. 値下げを戦略的に行う

もし、半年以上経っても売れない場合は値下げも検討しましょう。10万円程度の値下げでは、購入検討者に値下げをしたと気づいてもらえず効果が見られないこともあります。一方で、50万円や100万円の大幅な値下げをすると印象にも残りやすく値下げに気づいてもらえる可能性が高まります。

ただし、3,000万円から2,950万円への値下げといったように価格帯が変わるような値下げの方法であれば、10万円程度の値下げでも物件サイトで検索する層が変わり、成約につながることも少なくありません。

このように、値下げ幅の調整と実施するタイミングは、マンション売却を成功させる重要な秘訣となるため、しっかり戦略的に行うようにしましょう。

5. マンション売却の注意点

マンション売却の注意点

マンション売却を成功させるために気をつけておくべき点がいくつかあります。特に査定依頼時や売却活動中の注意点を紹介します。

5-1. 机上(簡易)査定は多数の会社に依頼しない

一括査定サイトを利用すると一度に複数社へ机上査定を依頼できて便利ですが、あまりにも多数の会社に依頼すると営業電話などが集中してしまうことがあります。また、数が多いとそれぞれの情報を整理するのに時間がかかり、比較検討もしにくいです。気になった3〜6社にとどめておくのがよいでしょう。

5-2. 実情を不動産会社に伏せたままにしない

不動産会社に希望や詳細を伝えずに売却活動を進めると的確な対応を取ってもらえないことがあります。売却理由や売却を完了しておきたい目安の日程、そのほか売却に関する疑問などあれば担当者に伝えましょう。売却理由によって対応方法も分かれます。担当者には実情を説明し、信頼関係を築くことが大切です。

5-3. 買い手がつかない場合は不動産会社の変更を

なかなか買い手がつかない場合は、売りたい物件と不動産会社との相性が悪いこともあります。

不動産会社には、マンション売却に強いところや土地開発が得意なところ、地域密着型など得手不得手があります。不動産会社のもつネットワークが売りたい物件のエリアと異なることもあるでしょう。売れないからといって売却を諦めるのではなく、不動産会社の変更を検討するか、最低でも半年以上は待つなど焦らずに売却活動を進めることが大切です。

6. 売却か賃貸どちらがおすすめ?メリット・デメリットを比較

売却か賃貸どちらがおすすめ?メリット・デメリットを比較

マンション売却を検討しているが、賃貸経営の方がよいのか迷うこともあるでしょう。マンション売却と比較した賃貸経営のメリット・デメリットを紹介するので、自分の場合はどちらが適していそうか検討してみてください。

6-1. マンション売却と比較した賃貸のメリット

マンション売却で得られる収入は一時的なものですが、賃貸経営をすると継続的な家賃収入があり、場合によっては節税効果が見込めます。継続的な収入を希望するのであれば賃貸の方が向いているでしょう。

節税効果が見込める

マンションの賃貸経営で得られる家賃収入は「総合課税」という課税方法にあたります。給与所得や事業所得、家賃収入などを合算した合計から経費を引いた金額が1年間の所得とみなされ、その合計に対して課税される方法です。一方で株式で得た所得は「分離課税」という方法が適用され、税率が20%かかります。

マンションの賃貸経営ではリフォーム代、維持・管理費用、管理会社への手数料などを経費として計上できます。つまり、かかった経費分は所得から引かれるため、分離課税よりも節税効果が見込めます。

家賃収入がある

入居者がいれば継続した家賃収入があります。住宅ローンが返済しきれていない方は、毎月の家賃収入を返済に補填できます。

6-2. マンション売却と比較した賃貸のデメリット

マンション売却と比較すると、空室のリスクや管理・維持費用は避けられません。確実な現金化を希望するのであればマンション売却の方が向いているでしょう。

空室のリスクがある

入居者が見つからなかった場合は家賃収入も発生しないので、経営状態が不安定になります。住宅ローンの返済を家賃収入に頼っていると、返済が滞ってしまう危険性もあります。

管理や維持費用が必要になる

入居者の募集活動や賃料の集金・督促など、管理に手間がかかります。また、建物の老朽化に伴うメンテナンス費用や、管理会社への手数料、ハウスクリーニング費用などの維持費も少なくありません。リフォームやクリーニングは数十万円以上になることが多いので、大きな出費になりがちです。

7. まとめ

この記事ではマンション売却の基礎知識を解説してきました。マンション売却の流れやコツなどをしっかりと把握して、希望に近い条件で売却できるようにしましょう。一括査定サイトなどを活用すると数社から同条件で見積もりを出してもらえて便利です。ぜひ利用を検討してみてはいかがでしょうか。

※この記事は2021年8月6日に調査・ライティングをした記事です。
※本記事の価格はすべて税込で表記しております。

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