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第110回 安く買ったマンションが値下がりし、高く買ったマンションが一段と値上がり・・・この差は何?



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(パターンA)100で買ったマンションが150に上がり、80で買ったマンションが60でしか売れない。このような例は多数あります。

 

(パターンB)100で買ったマンションが120に上がり、80で買ったマンションも90になる。このようなこともあるのが不動産取引の実態です。

 

このような差はどうして生まれるのでしょうか?今日は購入したマンションが将来どのような値動きを見せるかについて「価格決定メカニズム」をお話ししましょう。

 

 

1.中古マンションの価格決定メカニズム:需給関係

中古マンションの価格は、どのようにして決まるのでしょうか?

 

新築住宅の価格は土地代、建築費、諸経費・利益から成り立っているのに対し、中古住宅は少し事情が違います。

 

周辺の市場動向】【物件個別の条件】【売主の事情】=中古価格と考えられます。

 

以下、市場動向を【需給関係】と【新築価格の動向】に分解して説明して行きます。

 

中古マンションの価格は需給関係で決まります。新築の供給が少なければ、中古が取引の中心になり、上質な中古物件は新築並みの価格になるものです。人気の高い街や駅周辺では、新築の供給が何年も途絶えていたりすると、過去の新築相場を超えてしまう高値の中古マンションが生まれます。

また、ある面積帯の物件が稀少という場合、その面積帯だけが高い価値をつけることもあります。

つまり、需要が多く、供給が少なければ価格は上がるという当たり前の経済法則がマンションにも当てはまります。

人口が東京一極集中と言われたとき、地価は高騰し、住宅価格もどんどん高くなって行きました。このため、都区内の一戸建ては手が出なくなって郊外へ押し出されて行ったのですが、時代はさらに進んで一戸建ての代替品として大衆の前に登場していたマンションも都心から郊外へ建設地が移動しました。人々は購入可能なマンションを求めて郊外に移って行ったのです。

 

ところが、昨今は郊外マンションの人気が低下し、新築はともかくも中古になると買い手は少なく、従って20年も経った中古は新築の40%どころか30%以下でも買い手がつかないという街も見られるようになっています。

 

都心でなくても、人気のある住宅地では、新築も高いが中古も高いという市場を形成しているのです。新築供給が50しかないのに需要が70とか80といったふうにあふれているのですね。このために、「中古でも」という買い手も多く、結果的に中古マンションの価格は高くなっています。

 

中古の中には、新築より立地条件がよいとか、建物も新築よりはるかに立派なものであったりすると、10年くらいでは新築を上回って当然という取引も出て来ます。

 

需給バランスが価格を左右するというわけです。

 

2.中古マンションの価格決定メカニズム:新築価格の動向

マンションは買った(完成した)瞬間から劣化の道を静かに歩み始めます。 平均的には20年もすると新築相場の半値くらいになるもの (都心では30~40%下のレベル) ですが、タイミングによっては需給バランスが変わり、高値になったり安値に戻ったりするのです。

 

都心の高額マンションや郊外でも人気の駅・街のマンションは、中古になっても新築並みの取引が現実に行なわれていますが、条件の悪い立地・不人気の街の場合は築20年で、その時点の新築相場に対し半値以下になってしまうのです。

 

新築価格を100として築年数別に取引価格がいくらであったかを、少し前の(異常時の最近ではなく平時の)数値で見ると、築5年以内は88、築6~10年が75、築11~15年は64、築16~20年:50、築20~30年:41、築30年以上41という調査データがあります。

上記データはあくまで首都圏全体の平均です。言うまでもなく、エリアによって大きな格差があるのです

 

20年もすると、新築価格の半値になると書きましたが、上記のデータでは購入価格の40%です。しかし、これは100で買ったものが40に下がったということではありません。購入時の新築相場が100でも、20年後に200に上昇していれば200の40%は80なので、購入時から見れば値下がり率は20%だったとなるわけです。

 

過去を振り返ってみると、手許のデータで2003年から2016年までの14年間に首都圏の新築価格は46%上昇した、つまり100から146になったのです。築16~20年マンションは平均で新築の50%でしたから146の50%は73です。つまり、27%の値下がりに留まったわけです。

 

最近10年間だけを取り上げると、新築マンションの値上がりが急だった関係で、築10年以内のマンションは平均すると新築購入時から10%も値上がりしました。

 

物件(とりわけ立地条件)の差で、購入価格から10%上昇になったものから50%も高い価格で取引された例もあります。

 

今後の何年かは、この逆になるかもしれませんね。つまり、新築相場が仮に100から80に下がってしまったら、何年か先の中古の我が家は確実に値下がりする理屈です。

 

中古マンションの価格は、新築価格に連動します。新築が上昇中のときは、割安な中古に需要が向かいます。すると、やがて中古も値が上がるのです。

 

3.中古マンションの価格決定メカニズム:物件固有の条件

 

マーケット全体の動向とともに、物件固有の条件が中古マンションの将来価値(リセールバリュー)を決めるものであり、その条件とは次のように考えられます。

 

将来価値を決定する要素は、①立地条件(利便性と環境)、②スケール(存在感)、③外観・玄関・空間デザイン、④建物プラン(共用施設、間取り、内装や設備など)、 ブランド、⑥管理体制です。

この中で一番比重が高いのは①の立地条件なのです。立地さえ良ければ建物は何でもいいという単純なものではないのですが、大きな要素であることは確かです。逆に、どんなに素晴らしい建物でも立地条件の悪さを補うことはできません

 

購入の検討に当たっては、以上の点を意識し、加えて稀少価値の高い土地かどうかの観点も大事です。

 

<もう少し分かりやすく解説すると>

新築時に相場の100で購入したとします。20年後、新築相場が200に上昇しました。そのときの中古(築20年)相場は新築の価格に対して半値とするなら100です。100は、新築購入の価格とイコールです。

 

20年後の新築相場が150ならどうでしょうか? 20年中古は75の評価になるわけですから、購入価格の100からみれば25%値下がりしたということになりますね。

 

では、仮に新築時に相場の2割高という高値掴み(120で購入)してしまったらどうでしょうか? 20年後に新築相場が150になったとするなら、相場の半値となるような平均的な中古物件は75となり、これは購入価格120から見ると、38%の値下がりになってしまいます。

 

次に、この中古物件が20年後に新築相場に対して80%くらいに高く評価されるような優良なものだったとしたらどうでしょうか?新築相場150×0.8=120ですから、購入価格120と同じです。結果から説明すると、120で買っても、高値掴みとは言えないわけです。

 

結局、平均点以上の優良な物件(特に好立地の物件)を選ぶことと、そして他力本願的ですが相場が上がってくれること、この二つの要因によって購入マンションの将来は高い資産価値が期待できるということになります。

 

4.中古マンションの価格決定メカニズム:売主の事情

 

中古マンション取引の実情を見ますと、価格が高過ぎるケース、急いでいるために安く売り出されるケースがあります。また、値引き交渉が比較的たやすい売主、反対に強気で交渉が難しい売主があります。

 

新築住宅は予め販売価格が設定されていますが、中古では売り出したあと、購入希望者との交渉で最終的な価格が決まる場合が多くなっています。

 

そのため、売主が何らかの事情で早く売りたいと考えている場合には、かなり安く買えるケースもあります。買い替え先の事情で期限が迫っているといったケースはよくある例です。

 

反対に、見学希望者が多数あるようなときは、買い手同士の競争が激しくなって売主の言い値で成約にいたってしまうようなこともあるのです。

 
・・・・・・本日はここまでです。ご購読ありがとうございました。
 

 

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