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第109回 中古マンションの寿命は存外長いものである



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古いマンションの購入を検討する人が必ずぶつかる疑問・心配、それは「ここに何年住んでいられるか?売却は可能か?」というものです。

古いマンションとは築何年を指すのでしょうか?筆者に届く「マンション評価」依頼の中から言えるのは20年以降のマンションです。20年が分岐点かなと日ごろ感じています。

今日は「築20年以上の古いマンションってどうなの?」にお答えする記事を書こうと思います。

 

 

●最新マンションの寿命

「築20年のマンション。何年住めると思いますか?」こんな質問を筆者の方からさせてもらうことがあります。すると、ほとんどの人が一瞬驚き、ためらいの表情を見せます。

 

「考えたこともない」という答えが返って来ます。そうです。新築しか頭にない人だからです。そこで、「マンションの寿命は何年くらいと思いますか?」と質問を続けてみると、「47年(税法上の耐用年数)」とか「60年」などと自信なさげに答えが返って来ます。

 

マンションの歴史を振り返ると、「分譲」の形で最も古いのは61年でした。「でした」というのは先ごろ解体が始まったからです。しかし、当初は賃貸だったが後に分譲された鉄筋コンクリート造の集合住宅「同潤会アパート」は、80年も居住者がいたのです。

 

多くの専門家は、メンテナンス次第で100年は持つと言い放っています。マンションで100年も存続している例はまだないので証明はできないのですが、少なくとも最近15年以内に建てられたマンションの半数位、最近5年くらいのマンションなら80%近くは100年の使用可能期間があるはずです。

 

この割合いに関しては統計がありません。最近5年は80%と述べたのは筆者が調査した新築マンションの評価レポートの中にある「耐久性」項目が「劣化対策等級3」になるものが年々増えて、サンプリングしてみたら80%弱になったからです。

 

つまり、最近の新築マンションの大半は「高強度コンクリート」を用い、鉄筋の錆を防ぐ「コンクリ―トのかぶり厚」をたっぷり取った、長寿命の建物ばかりなのです。

 

長寿命とは、大規模な補修をしなくても、鉄筋の腐食やコンクリートの重大な劣化が起こらないと予定される期間がおおよそ100年と定めたものを指します(日本建築学会のコンクリート工事標準仕様書による)。

 

長寿命でなく標準の仕様でも、構造体の大規模補修をすれば、おおよその使用期間は100年となっています。

 

●古いマンションの寿命は短い?

最近のマンションは長寿命になるように設計され施工されているらしいことが分かりました。

2000年以降に販売されたマンションには「住宅性能評価書」が発行されたものがあります。法的な義務ではないので、当初はついていなかったり、ついていたりとまちまちでしたが、昨今は例外がないくらいに定着し、設計段階の評価書と工事途中で検査した(それぞれ第三者機関が行う)評価書の2通が購入者に発行されることになっています。

 

いわば宝石の鑑定書のようなものですが、これによって「長持ちマンション」と「普通のマンション」とが分かります。モデルルームを訪問の際に、または中古のサイトで「性能評価書あり」とあったら、見せてもらうといいですね。

 

では、2000年以前のマンションの寿命はどうなのでしょうか?長持ちマンションを造ろうという動きは、30年前に既にあったので、当時の「センチュリーハウジングシステム」の基準で建てられたマンションは間違いなく100年マンションですが、その比率は低く、大半のマンションは今の基準でいう「標準耐久」と推察できます。

 

つまり、構造体の大規模修繕をしないで使用できる期間が65年というマンションが圧倒的に多いと見るのが正しいのです。

 

構造体の大規模修繕とは具体的にどうするのかはさておき、仮に何もしなければ65年しか持たないのだと考えましょう。

 

としたら、築40年マンションを買ったら余命は25年ということになってしまいます。しかし、築20年マンションなら余命45年というわけです。40年以上の余命があれば、仮に15年後に売却を考えたとして、その時点からの余命は25年です。

 

何もしないということはないはずで、定期的な大規模修繕を実施し、構造体はとりわけ優先して行うはずなので、実際は「なにもしないで100年」のマンション同様の耐久性を備えることになるのかもしれません。

(もっとも、その調査をしっかり行ってから購入しなければなりませんが)

 

とすると、新耐震基準をクリアしている築30年くらいのマンションでも、余命はたっぷりということになります。新築マンションなら余命100年、築30年でも余命は70年です。どうせ100年も生きてはいないのだから、余命70年なら中古でも同じではないか。そんなふうに考えることが可能です。

 

もちろん、「新築マンションなら20年経っても、大規模修繕に要する費用は少なくて済みそうだが、30年中古を買うと、20年後には築50年に達しているのだから大規模修繕の費用は多額で、毎月のランニングコストも途轍もなく増えてしまうのではないか」このような不安が感じられましょうし、「20年後(築50年)は何かと不具合も続発してストレスになるのではないか」といった疑念も残ります。

 

築30年クラスのマンション購入を決断するには、いくつも壁があることでしょう。

 

10年住んだら売り抜けようと考える人はともかく、ご年配の方は、リタイア後から死ぬまでそこで暮らすでしょうか。50歳で購入したとして、90歳まで生きるとしたら、40年も住むことになるます。としたら、存命中に解体・再建築の必要な寿命に達してしまうかもしれません。

 

これまでの建て替え事例を見れば、30年程度のマンションが多いのは事実です。しかし、メンテナンスに対する意識改革が深まった現在ならどうでしょうか。国も老朽化対策に乗り出しています。今後は、適切なメンテナンスが行われるマンションが増加し、寿命は伸びていくのではないでしょうか。

 

このような問題については、今後のテーマとしておいおい投稿して行きますが、新築にこだわらず、また中古にしても築浅にこだわらずに検討して行くと、心配な点もある反面、選択肢は広がり、意外な掘り出し物にぶつかる可能性もあるのです。

新築マンションが品薄状態にある現在、中古も考えられたらいいのではないか。かねて筆者は主張して来たことです。

 

・・・・・・本日はここまでです。ご購読ありがとうございました

 

 

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