第87回 期限を切られて慌てる買い手の立場で

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マンション購入を検討している買い手の立場では、前向きになった具体の住戸に関して「いつまでに返事を下さい」と担当営業マンから言われると、買いたい気持ちが強いほど慌ててしまう傾向が見られます。追い詰められると言ってもよいのかもしれません。

 

今日は、そんな場合に備えて、対応策についてお話ししようと思います。

 

●新築マンションでの「登録抽選方式」

新築マンションでは、期間を定めて「登録抽選」という購入者募集スタイルを採ることが多いものです。

 

先着順受付という募集スタイルもありますが、多くは「登録抽選」方式です。これの業者側メリットはいくつかあるのですが、ひとつだけ挙げると「期限を切る・スケジュールに客を乗せる」ということがあります。

 

「いつからお申込みが始まります。期間は9日間です。この間にもう一度お越しください。ご希望住戸の000号室にお申込み予定の方は今のところ00様だけですが、期間中に別のお客様が来られて同じ部屋にお申し込みしたいということになりますと、抽選でお買いいただく方を決めることになります」

 

「もし、初日の朝一番に来ていただきお申込みいただければ、二番手の方には違うお部屋でお申込み下さるようお願いし、〇〇様には無抽選でお買いいただけるよう努力します」

 

「ほかに買いたい部屋がないのでどうしてもとおっしゃられたら致し方ないのですが、〇〇様のご希望が強いので、何とか頑張ります」

 

こんなふうに説明されると、買い手はすっかり売り手のペースにはまってしまうようです。人間心理は面白いもので、別の客があると言われると「買えなくなる」という強迫観念にとらわれてしまい、買いたいという欲望が強まるのです。

 

強く買いたいと思っていない買い手は「そうですか。どうぞ次の方にお世話ください」とにべもなく営業マンの誘導をはぐらかすことでしょうが、百戦錬磨の営業マンなら最も効果的なタイミングでの発言(誘導の言)を心得ています。

 

●先着順方式の場合

先着順方式では、「いつから」や「いつまで」がないのです。見ようによっては、今日にでも買い手が現れて売れてしまう先着順方式は、登録方式より素早く決断を求められているとも言えます。

 

前向きな検討住戸はこれだという段階に至っていれば、売り手は「この後で来られるお客様がお申込みされれば、折角のお部屋がなくなってしまいます。よろしければお申込みだけでもいただけませんか」と誘うでしょう。

 

しかし、「今日の今日ではちょっと」と買い手は抵抗するに違いありません。

 

心得ている営業マンは、下手にそのような誘い文句は使いません。「〇〇の件を調べるよう宿題をいただきましたから、来週もう一度お越し下さるということでいかがでしょうか?」などと次回の商談チャンスをうかがいます。

 

検討住戸の確保は、営業マンの裁量で何とかできるのです。

 

そうして、いくつかの問題をクリアにし、いよいよ決断を迫る段階がやってきます。ところが、買い手には営業マンに伝えていない問題が残っているものです。

 

問題の多くはは、他のマンションも同時に検討しており、どちらも一長一短があり、迷っているといったことです。

 

「どちらも捨てがたい」と言えばよいでしょうか。目の前で売れてしまったという事実を突きつけられれば諦めもつくでしょうが、仮に6階が売れても5階があれば、未練が残るわけです。どちらも決め手に欠けるので、さんざん見て来た買い手ならば、余計に残ったマシな二つの選択に心は揺れます。

 

仮にひとつの物件に絞っていても、候補の住戸が複数あって決めかねるという場合がありましょう。それもないという人でも、別の不安を抱えていたりします。

 

このような心を見透かしたように、腕利きの営業マンは「今週末は別のお客様が来られます(中古マンションでも同じ)ので、金曜日までにご返事いただくということでいかがでしょうか?」と畳みかけて来ます。

 

●期限を切られたら

 

登録抽選方式でも先着方式でも同じことで、いつまでには気持ちを固めないといけないと買い手は思うことでしょう。

 

長くプレセールスをしてきた物件なら、おそらくは何度も現地に足を運び、ほぼ決断しつつあるという状況にあるかもしれません。先着順物件にしても、検討を急ぎつつ、決断の段階に来ているのかも知れません。

 

しかし、迷いなく決断できる物件は少なく、何かしら決断を阻む要素があるものです。

 

中古の場合も同じかもしれません。新築ほどの時間的余裕がないものですが、建物の全貌が見えるだけに(新築でも完成していれば同様です)、決断がしやすい面もあるでしょう。しかし、やはり迷う要素がゼロではありません。

 

判断を妨げる要素が「もっと見たい。比較したい。これが一番と思えるまでの時間がない。判断資料がない。何をよりどころにしたらいいか分からない」というようなことであったとしたら、「仕事が忙しいしなあ」と困惑し、「欲しい・買いたい」、「買いたいがもっと条件の良いものがあるかもしれない」と悩み、「でも、時間がない」と追い込まれてしまうのです。

 

方法はひとつしかありません。第三者の、それも専門知識と広範の情報を持つ者に意見を求めることです。筆者なら3日以内に的確にお答え(客観的な意見だけでなく、ご依頼者のご事情に沿った意見)を差し上げることができるでしょう。

 

支障のない範囲で、お困りの事情や経緯などをお教えいただければ、きっと的を射た所見をお届けできると考えます。これが、最も手っ取り早い道です。

 

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立地条件に問題があるもの、建物グレードの劣るもの、有名業者の割には品質が二流というもの、品質は申し分ないものの価格が異常に高いもの、管理態勢に疑念があるもの、管理費が高過ぎるものなど、ここで具体的は述べませんが、満点にはほど遠い物件が多いのです。

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このとき、いつも迷うことがあります。ご相談者は、既に現地を確認し、モデルルームを見学しているものの、購入にどれくらい前向きなのかが分からないため、言葉の選択に迷うのです。

基本的は、客観的、かつ具体的に所見を述べることにしていますし、それがモットーでもありますが、言葉選びを誤れば相談者の感情を害することもあるでしょうし、購買意欲を一気に覚醒してしまうこともあるでしょう。それが良い場合もありますが、購買意欲が一層盛り上がるように言ってあげた方が良い人だってあるはずです。

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単に評価ポイントを出し、短所・欠点ばかりを重箱の隅をつつくように探して「ダメ出し」レポートをお届けしても、このサービスの価値はないと考えているからです。

 

・・・・今日はここまでです。お付き合いくださりありがとうございます。

 

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