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マン点

マンションアナリスト。11年間で5,000枚のマンション・チラシを“読破”したマンション・チラシ研究家。一級建築士。

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マン点流!不都合な真実を解説(不動産テックによる相場価格)

マンション価格を可視化するサービスは、どの程度使えるものなのか?

不動産テック各社が独自のアルゴリズムを駆使して推定しているという中古マンションの相場価格を比べてみた。

【もくじ】
マンション価格を可視化するサービス一覧
比較ケース1:WコンフォートタワーズWEST
比較ケース2:シティタワーズ豊洲ザ・ツイン サウスタワー
相場価格を推定できるという幻想

 

マンション価格を可視化するサービス一覧

最近、国内でも不動産テック系のベンチャー企業が増えてきた。

VRやIoT、シェアリングやマッチングサービス、・・・・・・。なかでもマンション価格を可視化するサービスは、消費者にとってお役立ちだ。

※詳しくは、「国内の不動産テック(Real Estate Tech)一覧」をご参照。

今回比較対象とした不動産テック9社のうち5社は、特定の中古マンションに対して、階数、専有面積、リビングの向きに応じて、住戸の相場価格を算出することができる。そのうちの4社は角・中住戸の設定も可能だ(次表)。

不動産テック各社の推定価格算出入力条件一覧

比較の対象としたのは次の2物件。
  • Wコンフォートタワーズ WEST
    (45階建て、総戸数476戸、2005年2月竣工)の23階・85.35m2・東向き住戸。
  • シティタワーズ豊洲ザ・ツインサウスタワー
    (48階建て、総戸数1063戸、2009年2月竣工)の37階・80.93m2・西向き住戸。

これらの物件を比較対象に選んだ理由は、総戸数が多く、取引実績が多いと考えられるため。

比較ケース1:WコンフォートタワーズWEST

SUUMOに掲載されていた「WコンフォートタワーズWEST」の23階にある2LDK東向き住戸(85.35m2、5,880万円)を対象に、不動産テック9社が推定した価格をまとめたのが次のグラフ。

同じ物件であっても、推定価格に結構なバラツキがあることが分かる。

最も低いSmoola(スモーラ)60.0万円/m2に対して、最も高い「ふじたろう」71.4万円/m2。最低と最高で1.19倍の幅がある。
専有面積85.35m2に戻すと、5,121~6,098万円の幅になるから、1千万円近い差である。

Wコンフォートタワーズ

ちなみに、LIFULL HOME’Sのライスマップについては、「参考価格算出ロジック」の概要は開示されているが、算出された参考価格(5,297万円 〜 6,895万円)に幅があり過ぎる(1.3倍も違う!)ので参考にならない。

比較ケース2:シティタワーズ豊洲ザ・ツイン サウスタワー

二つ目の比較対象ケースは、SUUMOに掲載されていた「シティタワーズ豊洲ザ・ツイン サウスタワー」の37階にある2LDK西向き住戸(80.93m2、7,280万円)。結果は次図。

最も低いHowMa(ハウマ)83.9万円/m2に対して、最も高い「ふじたろう」95.9万円/m2。最低と最高で1.14倍の幅がある。
専有面積80.93m2に戻すと、6,788~7,760万円の幅になるから、こちらの物件も1千万円近い差となった。

シティタワーズ豊洲ザ・ツインサウスタワー

相場価格を推定できるという幻想

今回の2物件を対象とした調査では、6社の推定価格のかい離が最大で1.2倍以内に収まったとはいえ、金額にすると1千万円近い開きがあることが分かった。

各社の推定方法は、「独自アルゴリズム(ふじたろう)」とか「独自の計算ロジック(Smoola)」といったように、いずれも独自手法によるものとされていて、具体的な手法はブラックボックス。なかには、HOME`S プライスマップのように、「マサチューセッツ工科大学不動産研究センター研究員」の名前を出して、権威づけ効果を狙った表現も見られる。

推定方法の違いによって1千万円近い開きがあるうえ、具体的な手法がブラックボックスのままでは、ユーザーは算出結果の妥当性について判断できない。

中古マンションの価格は、株価と同じように市場原理によって決定される。株価が複雑系で短期的な予測が困難であるのと同様、中古マンションの相場価格も、本当は正確な予測などできないのではないのか

実際に取引される成約価格と、不動産テック各社が推定する相場価格との乖離はどの程度あるのか?

過去に取引された成約価格と不動産テック各社の相場価格との乖離を検証した結果を数値で提示してもらえれば、どの会社の手法が優れているのか判断のしようもあるのだが。レインズ(Real Estate Information Network System)に登録されている成約データを利用できないと検証作業は難しいのかもしれない。

不動産テック各社が「ビックデータ」や「人工知能技術」を用いて、相場価格を推定できるというのは幻想なのか。

まあ、消費者としては当面は、「不動産テック各社が推定する相場価格は2割程度の誤差がある」くらいに認識しておけばいいのではないか。

おまけ

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