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三井健太

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第75回 マンションの管理価値が表面化するのは築後20年?

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買ったばかりのマンションも、やがては風雨にさらされて汚れ、時々やって来る地震に揺さぶられて傷つきます。また、使用者が汚し、傷をつける、ルールを守らない住民が増えて秩序の良くない住宅になって行く。こうした現象はすべてのマンションで起きる可能性があります。

 

しかし、住民たち(管理組合)から委託を受けた管理会社と管理人によって「経年劣化」のスピードを遅くするための努力が行われます。

 

清掃・整理・整頓・修繕をこまめに実施することで、劣化を防ぐわけです。その結果、マンションの寿命は、50年、60年と続きます。

 

日本でコンクリート住宅が誕生してから80年くらい経っていますが、分譲マンションとしての歴史は60年余で、今も使用されています。しかし、かなり「くたびれている」印象を持ちます。

 

人間に例えると車椅子の生活を強いられている感じです。しわもシミも増えて、見た目はすっかり変わり果ててしまいました。時々入院したり、掛かりつけの医師に往診に来てもらったりする必要もあります。

 

マンションの寿命は人間の寿命より短い、そんな気もします。

 

建て替えが難しいマンション。朽ち果てる一歩手前まで住み続けるか、逃げ出すしかないのかもしれません。

 

日本では人口減少と高齢化社会が着実に進んでいます。すでに空き家の増加が社会問題化していますが、住宅戸数は随分前から世帯数を超えていました。戦後の焼野原から再出発した日本では、雨露をしのぐための住宅建設が焦眉の急でしたが、数だけなら目標は達成していたのです。

 

20年も前から、量より質へ国の方針も変わりました。箱だけでよかったマンションは、「より快適な家」へ、便利な設備や高い天井、広いバルコニー、DKからリビングルーム中心の間取り、そして長寿命のマンションへと進化してきたのです。

 

しかしながら、優れたマンションも手入れを怠れば確実に劣化・老化します。それを食い止める(劣化・老化のスピードを遅くする)維持管理こそが文字通り生命線になっています。

  

「マンションは管理を買え」とか、「マンションは管理を見て買え」は、もはや死語に近いほど言い尽くされてきた格言なのですが、実感している人は少ないのかもしれません。

 

資産価値を極力長く保つことができるマンションかどうか、購入の重要ポイントに「維持管理」を改めて重視するべきなのではないか。最近は特に強く感じています。そのきっかけは、ご相談者からのお便りでした。次のような例が増えているのです。

 

●繕積立金が不足に陥っているマンション続々!!

(事例1)自宅マンションの問題点は、修繕積立金の少なさです。築22年を超えていますが、このほど再来年度の大規模修繕に向け調査したところ、積立金残高5000万円に対し、大規模修繕に必要な費用は約6500万と、1500万円の不足が見込まれています。

 

原因は東日本大震災以降に起きた工事費の高謄にもありますし、もともと積立金の額が少ないマンションだったのです。管理組合は1年半のあいだ修繕積立金の1戸平均7500円から一気に4倍強の31,000円に増額し不足分を埋める決議をしたものの、一時しのぎの対策となってしまいました。3年後からの修繕積立金は改めて決めるとし、現在未定です。

 

(事例2)中古を5年前に買って住んでいます。少しお金をかけてリフォームをしたので、設備に不満はありません。騒音トラブルもなく、快適なマンションライフを送っています。ただ、懸念点は管理組合がダメなことです。修繕費があきらかに不足しており次回の大規模修繕ができない、そのための修繕積立金の値上げも検討されていないのです。築年数が経過すると売却できないリスクを感じます。いまが売り逃げ時かと悩んでいます。

 

●年齢をごまかせないときが必ずやって来る

人間でも同じですが、大病をしたことのない人でも年を取ると体力の衰えは隠しようがありません。いえ、体力だけではありません。見た目の衰えも着実にやってきます。

 

日ごろから体を鍛え、ケアも怠らないアスリートも、年齢を重ね、やがては引退を決断する時が来ます。

 

しかし、サッカー選手の三浦知良さんのように50歳で現役という、とんでもない人もいます。イチロー選手のような大リーグで活躍する高齢のアスリートもいます。アスリート以外でも、80歳で若大将そのままの加山雄三さん、現役の舞台俳優では仲代達也さんなど元気老人がたくさん見られます。一般人でも、年齢を感じさせない若々しい人が少なくないようです。

 

日本人の寿命が90歳に近づいている今、マンションの寿命も大きな関心を集める時代がすぐそこに来ています。新築マンションの開発・供給が大きく減っている今、そして将来、これからマンションを買おうという人の過半は中古を選択することになってきますが、そのとき対象マンションの未来を見分ける目がカギを握ることになる。このことに、どれだけの人たちが気付いているのでしょう。

 

市場に流通している中古マンションは、5歳から45歳くらいまであります。当然、新築同様に美しく最先端の設備を装備し、素のままで買い手を待つものから、古着を身にまとい、レトロな雰囲気を漂わせたものまで幅は広いのです。その中から選択するのは容易なことではありません。いくつもの検討物件の中から最後に選んだのが築30年を超えるかどうかといったマンションであるとき、買い手はきっと悩むに違いありません。

 

買い手の多くは管理状態を見るはずですが、築20年くらいまでは管理姿勢による差異は、少なくとも表面的にはできにくいものです。極端な言い方ですが、若いうちは特別な手入れをしなくても、素のままで十分に奇麗なのです。格差が表れるのは、20年を超えてから。筆者はそう思います。

 

金属でも長年の使用によって金属疲労を起こし、破損しますし、コンクリートも長い間には亀裂を生じるのです。鉄は錆びてボロボロになります。塗装はいつか剥がれ、日焼けした後の皮膚のような状態になるのです。

 

こうした経年劣化を放置すれば、間違いなく寿命は40年で尽きることでしょう。

 

ほとんどのマンションが維持管理を放棄したまま20年を経たなどということはありません。1214年ころには大規模修繕(屋上の防水や壁面の補修など)も実施していることでしょうから、何事もなく20歳の誕生日を迎えるはずです。

 

問題はここからです。女性は肌の手入れを20歳くらいから意識すると聞きますが、マンションも同じではないかと思うのです。マンションで肌に相当するのは、壁や床、天井ですが、管理の対象となる共用部分の手入れを適切に行わなければ、「見映え」だけではなく、内部にガンを発症させてしまうかもしれません。ガンに気付いたときは既に末期で手の施しようがないなどと診断されてしまうかもしれません。

 

建物の劣化状態をお医者さんのように診断してくれる専門機関は存在しますが、厄介なのは、マンションの場合、購入者またはこれから売り出そうというオーナーが単独で診断を依頼することができないことです。管理組合からの発注を働きかけ、診断書を取得してから購入するなどというのは現実的ではありません。

 

管理組合ごとに維持管理に関する「性能」を判定してもらうよう義務付ける制度ができたらいいですが、それによってマンションの格付けをされてしまうことに猛烈な反対運動が起こるに違いなく、こちらも実現性は低いでしょう。

 

 

最近、中おマンション検討者のお便りに、「管理状態は良さそうだ」という感想を添えられて来ることも多いのですが、20歳を超えたマンションの場合は、それまでのメンテナンスの軌跡を辿るとともに、積立金残高のチェック(1戸当たり)、長期修繕計画書のチェックなどのほか、「管理組合総会議事録」の読み込みをお勧めしています。

 

結構な労力が必要ですが、長く快適に住むために、または資産価値が極力下がらないようにしたいならば、避けて通れない作業です。

 

見た目がきれいだったので。大丈夫と思ったが結局は後悔することになった、専有部分の美しさ(リノベーション物件)に惚れて衝動的に買ってしまい後悔している。そんなことにならないよう、転ばぬ先の杖として「維持管理を読む目」を持たれるよう、心から進言したいと思います。

 

・・・・・・・今日はここまでです。ご購読ありがとうございます。

 

 

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