スムログ(マンションブログ)

マンションのモデルルームがあるとたとえ外国でもふらふら入ってしまったり、管理組合の理事会には思わず立候補する人って多いですよね。多いはず!! それなのにあんまり管理組合の苦労とかのブログって見ないので立ち上げてみました。世の中に多い管理士系ブログとは一味違う、理事会側から見たマンションの運営を中心テーマに書いていこうと思ってます。

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お便り返し-9 シェアハウスの禁止規約【はるぶー】



私が主催しているマンション管理組合理事長勉強会(RJC48)の理事長さんなどが取材協力している ダイヤモンドMOOK 「マンション管理&修繕完全ガイド 2017」が今日発売になっています。今日のブログのお写真はその表紙です。



理事長の会の怖そうな優しそうな理事長さん6人ほどが顔出しでの座談会をしている5ページほどど、標準管理規約の話、管理組合の法人化のお話で、全部で10ページほどのゲラチェックが回ってきましたので、結構私やRJC48の理事長さん多数がでていますからよかったら是非読んでみてください。

案内と購入はこちらから (ダイヤモンド社さんのMOOK紹介ページ)
https://www.diamond.co.jp/magazine/650412417.html

個人的には、いろんなメディアに取材を受けて、何回強調しても載せてもらえなかった、「標準管理規約は、区分所有法に違反していない一つの規約のひな形にすぎないんだから、別のその通りに準拠する義務などなくて、マンション独自の規約をどんどん作ってね」って発言が使われていて嬉しいかな。これ、コミュニティ条項の削除関連とかで、錯覚している人が新聞記事レベルまで含めて無数にありましたから。

宣伝はこの程度で、管理からみの質問がいくつか溜まってきているのでお返事編をあっさり。

さて質問は…

差出人: Oさん(実名と思われるお名前なので伏字に)

メッセージ本文:

はるぶー様
マンションの2階の4LDKの住戸一室を区分所有しているF氏が、その住戸の4つの部屋を、それぞれ4人に賃貸するという、「アパート業」を始めると工事を始めました。賃借人はすべて寝たきり老人で4人に貸すことは可能だといいます。
行政等に相談しましたが、工事の中止を言うことはできないとのことで、社会福祉法人団体の力を借りて工事を阻止しました。
今、このようなことが再び起こらないように、規約の禁止事項にしておきたいのですが
できるでしょうか。できるのなら、どのように規定すればいいでしょうか

シェアハウスの禁止規約のむずかしさ

シェアハウスや、民泊を規約でどう禁止していけばいいかというのは実はとても難しい問題です。マンションの自治で、禁止するなら禁止して構わないというのには誰も異論はないと思うんですが、実際には、”何を禁止するのか”を規約内で定義することがとても難しいのが理由です。

多くの分譲マンションがひな形として使っている”標準管理規約”ではその第12条で、

(専有部分の用途)
第12条区分所有者は、その専有部分を専ら住宅として使用するものとし、他の用途に供してはならない。

とあるので、どうみても”専ら住居”であるとこで、旅館業法に対応する事業とか無理でしょとか思っていたら、国家戦略特区法とかで、”住居”でも民泊やっても構わんとなりかねんとかで、旅館業法に言及しててダメよと書いてあったうちの規約も4月の総会でパッチをあて直す予定です。

昨年11/11に”特区での民泊”についての通達が国交省からでていますが、この通りの規約をもっているマンションへ、”民泊を許容する場合”でも”民泊を禁止する場合”でも条文を追加しろとかでその推奨例がでていますが、今のまんまだったらどうなるのが不明とかの混乱ぶりです。
(こちら http://www.mlit.go.jp/common/001152253.pdf )

参考になる読み物

今回ご質問の件では多人数を滞在させる”シェアハウス”への規約対応だと思いますが、結論からいえば、この標準管理規約第12条に対応する規約条文を、総会の特別決議で改定することがお奨めになります。

詳しくは私みたいな素人ではなくて、弁護士・マンション管理士で、多くのマンションで顧問を勤め、管理組合関連の訴訟経験も豊富な桃尾俊明さん(実は知り合いです;絶対敵にはしたくない・・・)のブログをまず読んでみましょう。最初に紹介したムックの座談会にもでてきますよ。

桃尾俊明さんのブログ
規約による民泊の禁止 -法令・条例等と規約との関係,「専ら住宅」条項の位置づけ-
http://momoo-law.hatenadiary.jp/entry/2016/03/25/125430

シェアハウスに対応した規約実装事例では、江東区のマンション”ブリリアマーレ有明”の管理組合がホームページなどで公開しているものが有名です。
ここからダウンロードできます。

ブリリアマーレ有明
民泊禁止について管理規約改正への経緯
http://www.mlit.go.jp/common/001121408.pdf

民泊関連では状況の動きが激しいです。シェアハウスとして小さな区画を無数に作ってから短期貸ししてインタナショナルゲストハウスですなんて名前をつける”タコ部屋型”の安宿にする民泊も多いので、禁止する場合には、シェアハウス+民泊全体で禁止することが望ましいですが、最近マンションコミュニティ研究会というところの勉強会での講演資料が充実していてポイントを抑えた解説がなされているのでこちらもリストしておきます。

マンションコミュニティ研究会 10/20 資料
激動する民泊、法改正前にするべきことはこれ!
http://www.mckhug2.com/siryou_20161020.pdf
こちらは現在の法改正にむけての動きと、規約への実装例がやはりでています。

実は規約に書いただけではだめで・・・

民泊やシェアハウスに関わる訴訟で、これを禁じようとする管理組合側の勝率は決して高いとはいえません。規約に書いたというだけでは、知らないから民泊等に利用するつもりで高額のリフォームをするなどの初期投資をもうやってしまったけど?!と言われる場合、当然に相手が知っていたと言えるかどうかは結構訴訟上でのポイントになってくることが多いようです。

最低でも

① 館内の目立つところに多国語で民泊は禁止する旨の掲示を実施する
・・・うちはサイネージ掲示板などにだしています

② 全戸(オーナーが在外の場合は郵送も含めて)に民泊禁止の
 規約に移行した通知を投函・郵送などで配布する

③ 賃貸や売買などで、仲介業者が管理会社にとりよせるそのマンションの
 重要事項調査報告書に全戸に対して民泊禁止であることを全数に記載する
 ように、管理会社に指示だしする
・・・案外やってない理事会が多いです。うちはペット飼育には細則あり
のお隣あたりに全戸記載してもらっています

の全てをまず実施するくらいは必須ではないかなと思います。
それだけの準備をしてあれば、まぁ知らなかったという主張は通りにくくなるでしょう。

!! 重要 !!
本ブログの内容は、著者の個人的見解であり、著者の所属するマンション管理組合、勤務先、RJC48も含めその他所属する一切の団体の意見、方針を示すものではありません。


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  1. はるぶー様、
    早速のお便り返し、ありがとうございました。
    適切なアドバイス、豊富な情報をほんとうに有難うございました。
    感謝の気持ちでいっぱいでございます。
    教えられるところもいっぱいです

    私は、寝たきり高齢者のケアハウスといったことでしたが、
    民泊とかシェアハウスとか いろいろな問題に含まれること
    だったんだと気づきました。

    躊躇しつつも思い切って質問して、とても勉強になりました。

    まずは、手遅れにならないように、
    「理事会で民泊、シェアハウスの問題を検討し始めた」ことを、
    理事会便りで広報しようと思います。
    今は、住人みなさんの関心は高いと思いますので、いろいろな
    意見が出ると思いますが、規約に禁止がうたえる様に少し
    頑張ってみます。
    本当に有難うございました。

  2. 大変参考になりました。各種記事も、ダウンロードさせていただきました。

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