ちょっと得するマンション選び第14回(方角による歪み②)

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「モモレジのちょっと得するマンション選び」第14回です。
こちらの投稿は約1ヶ月ぶりとなります。大変お待たせしてしまい恐縮です・・・。

前回に続き今回も「方角による歪み」について述べていきます。

モモレジのちょっと得するマンション選び第13回「方角による歪み①」

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※画像に意味はありません。画像がないと寂しいので。
先日ハロウィン期間中にサンシャイン水族館に行った時の一枚。
アシカとアウルタワーです。
むろん私にとってのメインはアウルタワー(笑)。
ここに来るとついアウルタワーを眺めちゃいます・・・。
築6年経つけどまだ売ってるんだなぁ・・・。

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ちなみに東池袋駅直結のアウルタワーの地下エントランスはハロウィン風味になっていました。
なかなか力入ってますね。

さて、今回の私の主張は凄くシンプルです(汗)。

「南南西(南南東)」と「西南西(東南東)」などちょっとしたことで日照は随分違うよということです。

うんうん・・・、当たり前ですね・・・。
今回はもう終わりでいいような気もしますが、せっかくなので頑張ってためになる話をしようかと思うのでぜひ最後までお付き合い下さい・・・。

冗談はさておき、南向き信仰の強い我が国においては、新築分譲マンションや中古物件の折込チラシでは「(全戸)南向き!」とか「(全戸)南東向き!」とかの文言が強調されていることが少なくありません。

が・・・、いざその文言に惹かれて間取り図をみたら・・・、
「これほぼ東向き(西向き)じゃん・・・」
という経験のある方はたくさんいらっしゃるのではないでしょうか・・・

デベ的には南東向きと言いたいんだろうけど東南東、いや、むしろ東向き???ぐらいの物件って結構ありますよね。どことは言いませんが・・・。

南向きと東向き(西向き)の価格差であればおおよそ5%ぐらいが妥当(眺望が強く加味されるタワマンはまた異なりますし、中低層物件でも他の要素が絡んでくるケースはむろん一概には言えませんが)と言われることもありますし、おおよそのあるべき価格差というのはレインズの取引データなどからも分かるは分かるのですが、問題は「南南東向きと南東向き」、「東南東向きと真東向き」というケースでしょう。

その微妙なレベルになるとどのぐらいの価格差が妥当なのかは誰も答えられないのではないでしょうか。正直私も無理です。

ただ、そんな私でも言えることがあるのでこのお題を取り上げた次第です。
今回の記事で私が本当に言いたかった点は、「一見同じように見える東向きでも間取りによって日照時間が全然違う」ということです。

階数や物件の建っている場所次第で日照時間が異なるのは当たり前ですが、同じマンションの同じような住戸位置でも間取り次第で日照時間が異なることは少なくありません。正確に言えば「室内の日照時間」が異なるのです。

モデルルームに行くとデベロッパーは日影図などで検討住戸に何時~何時頃まで日が当たるかをシミュレーションした結果を見せてくれますが、それだけで日照を比較するのは危険です。

日影図はあくまでその住戸の壁面部分に日が当たっているかどうかを見せているものであり、間取りによって「室内の日照時間」は全く異なる可能性があるからです。

本ブログでは頻繁に言及しているので覚えている方も少なくないと思いますが、ハーフバルコニータイプの中住戸がその典型的なケースとなります。

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ほぼ東向きなのでフルバルコニーであったと仮定した場合には室内の日照時間はかなり短いのですが、南側を向いたL字のFIXサッシが採用されているので南東方向からも日射しが室内まで入ってきます。すなわち、このようなタイプの室内の日照時間はフルバルコニーの東向きに比べると断然長くなるというわけです。

※同じハーフバルコニーのプランでもバルコニーとFIXサッシが反転した位置にある場合にはFIXサッシは北東方向の日照しか拾えないことになるのでフルバルコニーと比べた場合に室内の日照時間にはそれほど大きな影響がありません。

そして、さらに細かいことを言えば、フルバルコニーの同じ東向きのプランだったとしても室内の日照時間には差が出ます。

以下の2つの間取りを見比べて下さい。

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上の間取りはLDが北側、洋室が南側にありますが、下の間取りはLDと洋室の位置が逆でいわゆる反転タイプになります。

どちらが日照面で有利でしょうか???
私はLDが北側、洋室が南側のケースだと思っていて、その理由はLDに南東方向からの日照が入りやすく、LDの日照時間がより長くなるからです。

該当住戸のバルコニーと隣接住戸のバルコニーとの境には柱とペラボー(もしくはコンクリ壁)が存在しているので、南側にあるLDはその柱とペラボーによって南東方向からの日照が遮られやすくなってしまうのです。
人によってはLDよりも洋室に日照があった方が良いという方もいると思うのでこれは絶対ではないのですが、「LDの明るさ及び日照」というのは中古でのリセール時(内覧時)にはとりわけ大切な要素の1つですし、将来的な住み替えを想定しているケースにおいては青田売り物件を検討する時点でそこを想像して物件選びをすべきと言えます。

ちなみに、同じ物件内でこのような反転タイプが生じていることは少なくないと思いますが、なぜ生じるかを念のためご説明しておきます。
大規模物件だとこういったプランが交互に生じていることが少なくないのですが、それは隣戸同士の「LDとLD」、「洋室と洋室」を隣接させるために他なりません。洋室つまり寝室などとなる可能性のある部屋と隣戸のLDを隣接させてしまうと騒音等が問題となることが少なくないからです。
なので、こういった反転プランが数多く存在しますし、ほぼ同じタイプでも日照面での違いが生じてくるというわけですね。

なお、特に東向きというのは人間の活動時間の関係で西向きに比べ日照時間が短く感じることが多いですし、この少しの差が大きな違いとなることも少なくないです。東向きって休みの日にゆっくり起きたら、もう日当たりがないとか普通にありますし・・・。
また、リセール時の内覧て居住中の場合は売主に気を使ってそんなに朝早くから来る人いないですし、昼前のアポだと東向きはもう日が当たっていないみたいなことになるので、そういう意味でもそこの差って案外重要だと思っています(西向きは西向きで真夏の午後の内覧は微妙ですが・・・。)。

上で述べたような「反転タイプによる日照の差」が価格に反映されていることはほぼありませんので(同階の反転タイプは通常同じ価格になりますね)、これも1つの価格の歪みと言えるのではないでしょうか。

こちらもどーぞ。
間取りだけでなく、価格の傾向や価格の歪み、その他物件全般に渡り第三者的な視点から客観的にマンションを語るブログ。
2,000棟4,400室超を掲載。
マンションの間取りや価格を言いたい放題!

ABOUTこの記事をかいた人

「マンションの間取りや価格を言いたい放題!」管理人。利害関係のない第三者的な視点を徹底し、間取りや価格等について毎日記事を更新。これまでに扱った部屋数は6,300室を超える。 不動産業界の人間ではないものの、自己居住用及び投資用としてのマンション購入件数は10室を超えるプチ投資家という顔を持ち、猫とマンションをこよなく愛する。

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