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マンションアナリスト。11年間で5,000枚のマンション・チラシを“読破”したマンション・チラシ研究家。一級建築士。

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マン点流!不都合な真実を解説(賃貸vs購入)

SUUMO首都圏版5月31日号の特集は「賃貸vs買う」
160602賃貸vs買う よくあるテーマではあるが、100人にアンケートした結果を示しているところがチョットだけ新鮮。
ただ、いつものことであるが、お約束は「賃貸vs買う」の勝敗を明記しないこと。これを”大人の事情”という。

間取図」に続く、「不都合な真実」第2弾「賃貸vs買う」を以下に解説しよう。

【もくじ】
財務的な観点で評価すれば、どちらもイーブン
財務的な観点だけでなく、他の観点からも評価したらどうなるか?
「賃貸だと老後が不安だ」という声はたしかに多いが・・・
むしろ購入派のほうが老後を心配したほうがいいのではないのか
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財務的な観点で評価すれば、どちらもイーブン

実は「賃貸vs買う」の結論はハッキリしている。
財務的な観点で評価すれば、どちらもイーブン。

もし、どちらかに経済優位性が存在すれば、裁定機能が働き、優位性の歪は縮小に向かうからだ(実際のマンション市場は、株価と違いそこまで厳密に裁定機能が働かない場合があるかもしれないが)。

財務的な観点だけでなく、他の観点からも評価したらどうなるか?

たとえば、気軽に引っ越しできるという「自由度」からみた評価。

全面改訂 ほったらかし投資術 (朝日新書)」や「難しいことはわかりませんが、お金の増やし方を教えてください!(文響社)」など、歯切れの良い解説でベストセラーを連発している山崎元氏は、「全面改訂 超簡単 お金の運用術 (朝日新書)」のなかで、「住宅も利回りを考えるべき『資産』だ」という経済評論家らしい一般的な説明をした後、筆者の価値観であると断ったうえで、不動産を買うことで失う「自由度」に言及している。

これは筆者の価値観だが、一人の具体的な人生を考えると、不動産物件を買ってしまうことによる自由度の低下は小さくないように思う。財務的な自由度も低下するし、生活の自由度も低下する。どの場所のどんな物件に住んでいることがベストなのかということは、人生を通じて変化するものだ。

(「全面改訂 超簡単 お金の運用術」P175)

さらに明快に言い切っているのは、「お金持ちになれる黄金の羽根の拾い方2015 知的人生設計のすすめ(幻冬舎)」などの投資や経済に関する本のベストセラー作家橘玲氏。
リスクの観点から、購入よりも賃貸に軍配を上げている。

不動産を借りているだけなら、地価が暴落しても、隣に暴力団やカルト宗数団体が引っ越してきても、津波で家が流されたり地盤が波状化しても、なんの問題もない。
不都合があれば賃貸契約を解除して出て行けばいいだけだからだ
それに対して不動産を所有していると、こうしたリスクのすべてに自己責任を負わなければならない。その代償として、地価が上昇したときにその果実を手にすることができるのだ。
このように考えれば、リスク耐性の高い企業やファンドが不動産を保有し、リスク耐性の低い個人はそれを賃借した方が経済的に合理的だ、ということになる。

(「臆病者のための億万長者入門」 P174)

熊本地震による建物の被災状況を知るにつけ、身動きの取りやすい賃貸も有力な選択肢ではないだろうか。

「賃貸だと老後が不安だ」という声はたしかに多いが・・・

そうはいっても、「賃貸だと老後が不安だ」という声はたしかに多い。
朝日の記事がそのような不安を助長する。

公的年金足りず、家賃負担は重く 生活保護、高齢世帯5割超
生活保護を受給する世帯に占める65歳以上の高齢者世帯の割合が初めて半数を超えた。厚生労働省が1日に3月分の速報値を公表。高齢者世帯が50.8%になった。公的年金だけではやり繰りできず、家賃の負担に耐えられなくなるケースが目立ち始めている。(以下略)

(朝日新聞 6月2日)

「老後の不安」の要因として考えられるのは、次の2つ。
ひとつは、死ぬまで家賃を払い続けなければならないという経済的不安。
そしてもう一つは、孤独死の可能性の高い高齢者は、賃貸住居を借りにくいのではないかという心配。

でも、そんなに心配することはないのでは。
死ぬまで家賃を払い続ける前に、介護施設に転居する可能性のほうが高い。
賃貸派でも購入派でも、いずれ介護施設に転居するのだから、居住費(介護施設利用料)を死ぬまで負担し続けなけらばならいのは、両派とも同じ。

むしろ購入派のほうが老後を心配したほうがいいのではないのか

分譲マンションであっても、管理費・修繕費を払い続けなければならないし、もし建て替えることになろうものなら、多額の出費を要することになる。
あなたが35歳でマンションを購入したとして、建て替えの話が出てくる40年後には、そろそろ健康寿命が尽きる75歳。決してあり得ない話ではないだろう。

また、首都直下地震(30年以内の発生確率が70%)が発生して、多大な補修費用が生じる(補修工事期間中は住めない場合もあり得る)可能性も低くない。

高齢者だと賃貸マンションを絶対借りられないのかというとそうでもない。
これからは空き家が猛烈な勢いで増えていく(住宅着工4割減、3軒に1軒が空き家という未来)。あなたが高齢者になるころには、「どうぞ借りてください」という世の中になっているのではないか。

仮に民間のマンションが借りられなくても、半官半民のUR物件や公営物件であれば、年齢を理由に断られることはないだろう。

これからは高齢化社会に向けて、これからは高齢者専用の賃貸物件も増えていくのではないだろうか。
すでに、65歳からのお部屋探しサイトなんていうのもあるくらいだ(とってもユニーク!65歳からのお部屋探し「R65不動産」)。

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