マンションの内覧会検査-2 どこを”検査”するの?

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新年あけましておめでとうございます(新年のあいさつ)

久々のブロガー記事が多いのは、長く書いてないブロガーには運営から催促メールが来てるせい。年末の忘年会で末席に座らされ、ブログを書かないやつはブロガーとは呼べない!とか湾岸裸妖精に叱責され、画面に映す価値なしとか虐められて、来期昨年比2倍!とか約束させられた年末の恐怖が蘇る。

内覧会関連でスムログむけ質問が来ていたしで、内覧会編の”続編”です。なんとその1は、書いたのが一昨年 (以後その1と呼びます)

マンションの内覧会検査-1 同行業者は必要?
https://www.sumu-log.com/archives/7686/

内覧会の同行業者が、5-6万円の依頼費用をとりかえせるような不具合を発見できるのは戸建ての場合が殆どで、マンションでは安心料だと思うならともかく無理に頼まなくてもが私の今の意見。



<全宅ツイ インスペクション倶楽部のマステ>
・・・これで指摘すると”是正が三倍速”でなされるといわれている

マンションのド派手な瑕疵は共用部

無論安心料で頼むのは自由だけど、高いお金を払うわけでその場合は”徹底的”にやらないと意味がないように思っています。徹底的というのはレーザーで部屋の中の水平垂直を測ることではありません。

完成してしまったマンションで目に見える専有部の殆どはハリボテ部分にすぎません(その1参照)。特にタワーなら触れる部分は殆ど石膏の壁だけでその垂直やら水平をレーザー計測しても殆ど意味はない。ド派手に新聞記事になるようなマンションの瑕疵は全部共用部分で起こるので管理組合マターです。

マンションヲタクで知り合いも多い私、内覧会オフ会じゃとかで15回くらいの内覧会への参加経験がありますが、経験的に業者を頼んだほうがよかったという”できが悪い”ことの多いのは、
① 3月竣工物件の高層階
② 角部屋
③ 上下階の部屋と間取りが変わる場合
④ 売主Option などを多数施工している場合
かな。ヤバい!年度内引き渡しに間に合わない!!とかで慌ててつくるなどで雑な作りになりやすい。うちは全部該当したのでプロを頼みました。

実は殆ど2年アフター対応可能

不具合には内覧会指摘がラストチャンスのものと、そうでないものがあります。

内覧同行業者を頼んでおいてよかった!みないな大きな不具合は、実際には殆どはそのあと2年の間にある”アフターサービス”指摘でも対応がなされるものが殆どです。暮らしていて困るような指摘で、バルコニーが逆勾配だとか”3年”経過してから組合にいってくるとかもう大規模修繕まで無理だなみたいな例は理事会の営繕担当者をしているととても多い。

各戸レベルで指摘してタダで直るのは殆どの箇所で2年アフターで最後です。2年以内に売り主に指摘する(専有部だと組合に指摘しても当局は関知せずと言われます・当たりまえ)のは是非覚えておいて欲しい。
『入居から2年以内に指摘を売主に対して終了して、指摘を受取った証拠を売り主からもらう』のが大事で、間違っても是正指摘したのに直ってない状態で2年アフターの終了の印鑑を押してはいけません

これは共用部も同じだから、管理組合が”売主と関係のない”プロを雇って共用部の2年アフター検査をするときに一緒に、説明会&アンケート集計までやってもらうのが正しいのですが、1期で完全覚醒した理事長さんででもない限りやってるマンションは1割とないでしょう。これは別途扱います。

殆どの購入者は、フローリングの小さな傷とか、壁紙のつなぎ目(クロスジョイント)とか、汚れが残っているとかの指摘をするのが殆どです。これはこれで意味があって、生活すれば目に見えるとこに傷は増えていくもので、後からついた傷と区別がつくのは内覧会の日だけ。

小さな傷・汚れは、内覧会指摘→是正確認を経たあとでは受け付けない(ガラス窓なんかは内覧会でのみ傷があるから交換しろとか要求できます)とされることが多いので、極端に綺麗好き?な人は、しっかり確認する意味はあり、例え内覧会同行業者を頼んでもこの指摘は自分でやるのが普通・・拘りレベルが個人で違うから・・・です。実は私は壁紙とかフローリングは一切指摘しません。どうせ消耗品と割り切ってます。

どこを確認するの?

ちいさな傷はまぁ指摘すれば直してくれるし誰でも確認できます。
業者を頼まないとして他に重視すべきところはどこでしょう?

私が大事だと思うのは以下の3点です:

① 窓やサッシ、玄関などの開口部
・・・窓やサッシは、取り付け先が完全に平行垂直がでていないのを調整できるようになっているのですが、きっちり気密がとれてない例は結構みかけます。換気とかでちょっと部屋を負圧にするとすぐにしゅーしゅーいうのですぐわかる。複層サッシで、冬に別に中で暖房を使ってないのに検査で見てみたら結露しているとかはサッシの調整が悪くて隙間風が吹き込んでいたなんて例がうちも含めて2-3回経験あり。

② バルコニー・ポーチなどの”専用利用される共用部”
・・・①もそうですから、家を買うわけですから”雨露をしのぐ”ことがちゃんとできているのは最低限です。バルコニーなどは軽視されがちなのですが直接風雨を受けている場所ですからしっかり確認すべき。故障があった場合に、【自分だけしか困らないけど、共用部だから管理組合に言わないと直してもらえない】部分はなかなか解決しないことが多い。専用利用される共用部の代表格がバルコニー。バルコニーの不具合確認には打診棒の出番ですが案外指摘点が多いものです。

③ 設備系・水回りは全部実際に動かして確認する
・・・ガスが開通してないとかで検査させようとかな売り主は論外です。風呂があるならちゃんと沸かして、水を流して捨てるとこまで時間も測って1回はやるべきですし、給湯などもチェックしないといけない。水を流せるとこは全部流してみて、水漏れしてこないよね?はチェックしないといけません。当然売り主もチェックしているものですが、案外抜け落ちがあるもので、普通に蛇口をひねったときの水量(調整できます)がおかしいとか、風呂を沸かしてぴったりの水量になる範囲に設定ボタンで調整しないと合ってないとかの例は見たことがあります。

持参すべきもの

七つ道具とかいえるものですが、まぁメジャーはもっていきますよはいいとして、案外もちこいみとか用意をさせ忘れているもの

① 足を養生してある脚立・(LEDライト付きの)点検鏡
・・・ハッタリで構わないので、室内に存在する点検口は全て開けておけと指示するのが内覧会の基本?です。業者の人は大抵依頼してますしね。案外高くて手の届かないとこの不具合の有無は確認しにくい。脚立は用意しておけというと必ず売り主さんが脚を養生したのを用意してくれます。
建具の上端とか、織り上げ天井の織り込んだ先まで壁紙ちゃんと貼ってあるかとか点検鏡もあったほうがいいです。よくある例では、洗面所で収納扉が空けるとダウンラトの下と通る例。真下で止めると火事が怖いので、扉の上端に勤続板で遮熱対策を要求するとかの場合に点検鏡がないと確認しにくい。

② 空のペットボトル
・・・上に書いてあるようにバルコニーの勾配が逆になっていて水が切れなかったり、酷い例では、排水溝が流したい方向と逆勾配になっていた例とかある(って今住んでいるうちなんですけど)。排水勾配の確認は水を流せばわかりますから、ペットボトルでじゃーっとやればいいわけです。この検査くらい前もって売主やっておけよとか思わないでもないですが。

③ 打診棒
・・・手の届く範囲の外壁タイルの浮き、バルコニーやポーチに貼ってある長尺シートの浮きや、逆梁のマンションなどでは、逆梁上面・側面の下地補修モルタルの浮き、排水溝のウレタン防止下地の浮きなどはこれでチェックすればすぐわかります。
うちはまともにできているとこが一か所もなくてぶかぶかでした。バルコニーは左官仕事から全部やりなおしになっているはずで、再検査までには直してました、うちのためにゴンドラ吊ってるのを目撃したくらいで2度つくったようなものですが、2年アフターまでに追加の指摘は1箇所もなし。

<これらは全て打診棒ではありません>


<うちのマンションのゆるきゃらだって持ってる打診棒・多分日本人なら皆もっていると思われる>


その3に続く

内覧会にきて打診棒で暴れる人というイメージをもたれると、いろんなデベのブラックリストに載りそうで怖い。実際にメジャー7のうち2社にはそこにお勤めの方からデータべ―スで私の名前を打ち込むと ”はるぶー”とか”やばいやつ”とか書いてあったとの証言を得ています。残りは怖くて訊いてない。

なのでこれ以上悪目立ちするのもなぁで”うち”の内覧会ってのはブログにしたことはなかったのですが、何かがふっきれたというか、もう都内新築に住み替えられる気もしないので赤裸々にもう少し書いていきましょう。

うちの内覧会は、内覧会オフとしてマンションヲタク数名、ほかうちのマンションの購入者7名のチームから2人ほどを動員して楽しく実施しました。数か月の間施工会社の人はうちのキッズスタジオに常駐してアフター補修をしていたのですが、そのホワイトボードにうちと、うちを手伝いに来ていた同じマンションの建築士さんの部屋番号が2つだけ書いてあって、ちょうど用事ででかけた私(初代理事長になることは内定していた)が”これなーに??”とか聞いたら、”あぅあぅ”とか言いながら慌てて消していました。

その3に続く

!! 重要 !!
本ブログの内容は、著者の個人的見解であり、著者の所属するマンション管理組合、勤務先、RJC48も含めその他所属する一切の団体の意見、方針を示すものではありません。

 

 

ABOUTこの記事をかいた人

マンションのモデルルームがあるとたとえ外国でもふらふら入ってしまったり、管理組合の理事会には思わず立候補する人って多いですよね。多いはず!! それなのにあんまり管理組合の苦労とかのブログって見ないので立ち上げてみました。世の中に多い管理士系ブログとは一味違う、理事会側から見たマンションの運営を中心テーマに書いていこうと思ってます。

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