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第172回 自宅は値下がりしてしまったが僕は満足だよ!!



このブログは5日おき(5、10、15・・・)の更新です。

このブログでは、居住性や好みの問題、個人的な事情を度外視し、原則として資産性の観点から自論・「マンションの資産価値論を展開しております。

 

「資産価値」に注目し、できるだけ損しないマンション選びについて述べても、それを「はかない言葉」としか受け取れない人も少なくないと想像します。

なかんずく、郊外都市、地方都市に居住する人はその感が強いことでしょう。

郊外や地方都市では、そもそも東京都心のような高いリセールバリュー(売却価格)は期待できないからです。

そこで、高いリセールバリューが期待できない場所で選択する場合の「覚悟」のような考え方をお伝えしようと思います。

 

●売却したとき手元に現金が残らない悲しさ

10数年経過し、自宅を売ろうかというとき、調べてみたら売るに売れないという事実を突きつけられショックを受ける人があります。

理由は、売却見込み額の低さもさることながら、残った借金(住宅ローン)が売却額より多いため、銀行との精算にあたっては預貯金を崩して追銭(おいせん)しなければならないことに気付くからです。

住宅ローンは35年の最長で組む人が多いと思いますが、その場合、例えば15年経過すると、2%の固定金利なら、元金はおよそ35%減ります。ところが、頭金10%・ローン利用90%で購入したような場合、自宅が50%もダウンしたら売却代金だけでは精算ができないことになります。

もし、値下がりが35%程度で済めば頭金部分は返って来る計算になるのですが、物件によっては微妙なところです。

10年しか経過していない段階で売却する人も少なくありません。様々な家庭の事情がそうさせるのですが、そのときの住宅ローンの減り方は最近の低金利なら25%程度(金利が1.0%程度の場合)です。従って、そのときの価格ダウンが25%ほどであれば頭金部分を取り戻すことができますが、売却見込み額が35%ダウンだったら、手元には1銭も残らないという結果になってしまいます。

 

まさか、そこまで下がることはないだろうと高を括っている人は結構多いようで、惚れて買ったというだけでなく、何年か住んで愛着のある我が家ゆえに自己評価を高く見積もりがちなのでしょう。

 

具体的な物件名の公表は控えますが、少し古いデータで、某調査会社が新築時価格と10年後価格の騰落率ワースト50位を発表したことがありました。ワーストトップは、何と50%ダウンなのです。これは、地方マンションではなく、東京23区内の中古マンションなのです。50位以内には、大手マンションブランドも散見されます。

最近は全体的に相場が上がっているので、騰落率も変わっていることは間違いないと推定できるのですが、それでも購入時期、売却時期によっては50%も下がることがあり得るのです。

 

ともあれ、売ったとき手元に1銭も残らない状態を想像すると、悲しくてやりきれない――そんな所有者の声が聞こえます。

 

●値下がりの許容範囲はどこまでか

1銭も手元に残らないような結果であったとき、その事実をどのように受け止めたらいいのでしょうか?

例えば10年後に売却するとき、値下がりをどこまで許容できるかという問題について考えてみることにします。

まず、購入したマンションを仮に賃借したら賃料はいくらかを調べます。例えば20万円と仮定しましょう。としたら、20万円×120か月で2,400万円の支出になりますね。

 

一方、購入額は4000万円、住宅ローンは90%の3600万円とします。これが10年後には25%減って2700万円になっていますので、25%の値下がりで3000万円が売却価格だったとしたら、差し引き300万円が手元に残る計算です。仲介手数料が約100万円なので、最終的には200万円の手残りとなります。

頭金を400万円入れたので、大きく減らす結果となりました。せめて頭金部分は回収したいと望んだら、あと200万円以上高く売らなければなりません。

 

となると、3000+200万円は3200万円なので、値下がり率は20%未満が望ましいということになります。10年で20%ダウンに留まるというのは、地方都市や首都圏郊外、23区内でも地域によっては、不動産インフレが続かない限り、非現実的な望みというほかありません。

 

●最後は割り切り方か

値上がりが期待できそうにない場所で選択するほかにない人は、やはり経済的損失を被るかもしれないと思うべきかもしれません。

しかし、「ものは考えよう」と言いますが、同じマンションの同じ間取り、同じ階であったとしても、購入する方が賃借するより充実感は大きいはずです。なぜなら、賃借では得られない周囲の賞賛などから来る満足感、快適な暮らし、幸福感、老後の安心感などを手に入れることができるからです。それがマイホーム購入の最大のメリットでもあるのです。

 

こうしたものを筆者は「精神的利益」と言っているのですが、これは経済的利益(得失)とは比べようがない、測り知れない大きな価値と考えます。最後はこう割り切るしかないのです。というより、ここにこそマンション購入の目的を見出すべきとも言えましょう。

 

ある経験者は言いました。「思った以上に安いのでがっかりしたけど、家族がマイホーム生活に満足してくれたのが何よりだと思う。自分の家を持ったことで得られたものも数多くあるので、僕は満足だね」と。

 

●残債割れを避ける買い物

本稿のテーマは、「値下がりしても満足の条件」ですから、ここから脱線しますが、残債割れ覚悟で買うことができるものでしょうか?筆者に届くメールの中には、残債割れするおそれはないか」という質問は少なくありません。つまり、残債割れは避けたいと考える人は一定割合で存在するのです。

 

ところが、筆者が残債割れの可能性がある物件なのになあと感じる物件を検討していて、何故か「全く想定していない」どころか、反対に「どのくらい上がりますか?」という質問すら見かけます。

 

賢明な読者は決してそんなことはないと思います。何故なら、「随分高くなっているようです。こんなときに買って大丈夫ですか?」という質問と、筆者が提供している「将来価格の予測レポート」を求めて来る人も多いからです。

 

郊外や地方のマンションは残債割れするケースが多いと述べた筆者は嫌われてしまいそうですが、そこでお伝えします。大事なことは、値下がりの大きいと予想される地域で買う場合は、その街の一番人気のエリアを選択すること、仮に複数の売り物が同エリアに販売中であれば、建物価値で良い方を選ぶことがコツです。

 

スケール感、デザイン性(格好良さ)、眺望、広さと間取り、設備などで優れた物を選択することです。一言で言えば「地域一番のマンション」です。

 

最後に付け加えます。地域一番というのは中古も含めてのことです。過去10年くらいまで遡って地域一番物件を選ぶのが理想です。販売中の新築より立地が良い中古を選ぶことです。しかも、価格は新築より安いので、リセール価格と購入額との差異は、新築を購入した場合より小さい可能性があるからです。

 

新築に住みたいという気持ちは分からないでもないですが、中古を買って少し手を入れて住むという選択肢は10年後、15年後に「結果よし」になることをお伝えして今日はここまでとします。




・・・・ご購読ありがとうございました。   三井健太

 

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将来の価格を当てるのは簡単なことではありませんが、三井健太のマンション相談室では、あなたの購入マンションの価値及び価格の妥当性を評価したうえで、将来価格をズバリ予測、根拠とともに精緻なレポートとして提供しています。

マンション選びで大事なことは、購入価格の妥当性もさることながら、リセールバリュー(将来価格)の視点を外さないことです。

長く住むつもりでも、いつ売却の必要が起こるか分からないからです。

そのとき、我が家は売れるのだろうか、売れるとしても購入価格を上回る可能性はあるか、下がるとしても、どのくらいを見込めばいいのか、住宅ローンの残債を超える価格で売れるだろうか。賃貸の方が良かったという結果にならないだろうか。損得計算はどうなるだろうか。 こうした点を検討項目に加えておきたいものです。

将来価格を決する要素は、建物価値とそれを維持する管理・改修、そして立地条件、加えて市況などです。これらを客観的に評価・分析し、将来を予測してお答えするのが本サービスの骨格です。

このようなことを具体的な数字で知っておきたいと思いませんか? その予測レポートは、購入を後押しするのか、それとも慎重な再検討に向かわせるのか、いずれにせよ、マンション選びの羅針盤となる価値あるサービスと確信します。

 

 


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