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第167回「モデルルームに一目惚れ」のリスク



このブログは居住性や好みの問題、個人的な事情を度外視し、原則として資産性の観点から「マンションの資産価値論を展開しております。

5日おき(5、10、15・・・)の更新です。

 

本ブログの第9回「モデルルームの魔法を解く」https://www.e-mansion.co.jp/blog/archives/3739/

を併読していただきたいですが、今日は痘痕も笑窪になってしまうことの危険についてお話ししようと思います。

 

●痘痕も笑窪

辞書によれば、痘痕も笑窪とは「恋する者の目には、相手のあばたも笑窪のように見える。ひいき目で見れば、どんな欠点でも長所に見えるということのたとえ」とあります。

 

新築マンションの購入を検討するときも、「痘痕も笑窪になってしまう」ことがあります。建設地が「普通で嫌悪感がない」ときに起こるようです。個人の性格や感性の問題なのかどうか、ときどき「盲目の検討者」にお会いすることがあります。

 

建設地を確認して気持ちが後退してしまうような場合は冷静になれるものですが、建設地の雰囲気が特に印象に残らない「普通の場所」の場合は、モデルルームを見て感激し、一気に購買意欲は盛り上がるようです。

 

印象に残らない普通の場所なら、買ってしまったとしても大きな失敗にならないかもしれませんが、雰囲気が良いだけでは良い立地とは言えませんし、建物もモデルルームが素晴らしいだけでは価値あるマンションとは言えないのです。

 

しかしながら、モデルルームを見るのが初めてだったり、初めてでなくとも前のモデルルームとの違いに大きな感動を味わったりすると、舞い上がってしまい他が見えなくなるものです。

 

「こんな素晴らしい人に会ったのは初めて」と感じた瞬間に恋心が沸き上がるのと同じで、素晴らしい演出がなされたモデルルームを目にしたとき、将に痘痕も笑窪状態になる人は少なくありません。

 

●見かけだけで決めない慎重さ

マンションの価値を決めるのは、室内の設備やインテリアではないのです。無論、それも価値の一部ではあるのですが、もっと大事なものがあることを「うっかり見落としてしまいます。優先順位は別のところにあるのです。

 

自分たちの感性にフィットするモデルルームに一目惚れして買うことをいけないとは言いませんが、結婚相手を決めるときに大事なことは見た目の良さだけでないのと同じで、買おうとしているマンションの何処を見て買えばいいのかを忘れてはなりません。

 

しかし、痘痕も笑窪状態に陥り盲目になっている自分に気づかない人は、営業マンの押しの強さに負けてふらふらと契約をしてしまったりします。契約してしまったら手遅れです。解約するには手付金を棄てるしかありません。

 

気に入って買い、快適に住んで行けるなら何も問題はないのです。つまり、痘痕ではないのですから、ことさら記事にするようなことはありません。ところが、契約してからしばらくして間違いだったかもしれないと気づく人も多いのです。中には、建物が完成して内覧会に至って気付くこともあります。そして後悔します。

どんな後悔でしょうか?例を挙げてみましょう。

*こんなに天井が低いとは思わなかった

*ルーフテラス付きのマンションを買ったが、使い道が少ないと分かった

*男の子がいるので1階の部屋を選んだが、庭が意外に狭く、目隠しの植栽も鬱陶しいと感じた

*隣の家の壁がこんなに近いとは思わなかった

*エレベーターの速度がとても遅いと感じた

*裏を走る電車の音が反響して来るとは思わなかった

*契約後に調べたら、管理費が随分高いことが分かった

*長期修繕計画書をもらったが、あとで良く見たら、20年後の修繕積立金が5倍に跳ね上がることを知った

*管理費が安いのは魅力と思ったが巡回管理だった

*駅前で便利だけど若者がたむろする場所があって夜はいつも騒がしい

*駅から5分の高台にあるのはいいが坂道なので夏はいつも汗だく

*感動が薄くなった高層階の景色

*広くて豪華なロビーが子供の遊び場になってしまった

*北向きマンションの冬の寒さ

*角部屋の欠点は家具が置けないことでした

*角住戸比率が高いので価値があるマンションと信じたがペンシルビルだった

*ホテル並みの内廊下設計というフレーズが心地よかったが、できたマンションの廊下は狭く豪華さからは遠いと思った

 

●5年経って失敗だったと気付くこともある

以上に羅列した例は住んですぐ、若しくは少しの時間が経過して分かることが大半ですが、購入後3年経って小学校が遠いと気付いてショックを受けた人もあります。購入時は夫婦二人だけだったのでしょう。

 

もっと悲惨な例は、5年くらい経って「すごく高いマンションを買ってしまった」と気付くことです。売りに出す人があって、そのチラシをたまたま見たら、「うちと同じ間取りだわ。え~、こんなに安いの?」そう思った人の感想です。これは、5年くらい前に届いたお便りに何度かあった実例です。

 

ここ最近は市況が変わり、中古マンションの多くが購入価格より高くなって喜んでいる人が多いのですが、この先は逆回転して「みんなが損をする時代」になるかもしれません。

 

最近のお便りから、半分以上の人たちは「高いときに買うことになるので、将来売るとき損をしませんか?」と心配し、もう半分の人たちは「中古マンションは高く売れるものだと思い込んでいる」ことに気付かされます。

 

再開発エリアや国家戦略特区、新駅構想のある品川と田町あたりに近いマンションは2割も3割も上がると「捕らぬ狸の皮算用」をしている御仁もいるのです。

そんなとき、筆者は「危険な妄想だ。バブル期と似ているなあ」と感じています。

 

5年後なり、10年後に本当にそうなれば望外の喜びと安堵できますが、先に述べたように購入額から大きく落ち込んだ我が家の価格にショックを受けるかもしれないのです。

 

●優先順位の第2位は資産価値

このブログを最初のころからお読みいただいている方はご存知と思いますが、筆者は「マンションは必ず売却するときが来る。いつどんな時も有利に換金できるマンション、資産価値の高い物件を選択するべし」と主張して来ました。

 

マンション選びは、生活基盤を固め、快適な住生活を送るための器としての側面と、資産という側面があるのです。売らなければ、損も得もありませんが、売るときが必ずやって来ますし、優良資産をもつことはライフプランの立て方において幅が広がって来るので歓迎すべきことなのです。

 

筆者にお便りを下さる方たちは、マンションの資産価値という側面を重要視している方が圧倒的に多いのです。「高い時期だけにリセールバリューはどうなんだろう。しかし、待っても得なこともなさそうだ。どう考えるべきか教えて欲しい。10年後、15年後のリセールでどのくらい損をするのか知りたい」と悩みを打ち明けてくださいます。

 

中には、「手付金を放棄して解約したい」とまで悩んだ方もありました。急いでいたわけではないが、担当営業マンの巧みなリードに契約をしてしまった。契約後の調査・勉強の過程で「えらいものを買ってしまった」というのです。手付金が大きいので捨てるのも忍びない。ついては、10年後に売るとしたらどのようなことになるのか、「将来価格の予測レポート」を欲しいと言って来られます。

 
マンション選びは「他人目線で資産価値を考える」ことが大事です。間取りや室内の設備、インテリアの前にマンション全体の姿を、その前に立地条件(駅力や街の価値)を考えることが大事です。
 

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痘痕も笑窪状態の人には人の意見など全く耳に入らないはずです。従って、この記事を目にすることもないでしょう。この記事は、読者が今後その状態にならないとも限らないことを踏まえ、失礼ながら、転ばぬ先の杖としてお送りしたつもりです。

・・・・・今日はここまでです。ご購読ありがとうございました。※三井健太の新サービス「マンション探しのお手伝い」はこちら

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