ちょっと得するマンション選び第16回(間取りによる歪み②)

スポンサードリンク

「モモレジのちょっと得するマンション選び」第16回です。

前回第15回から「間取りによる歪み」について考察しています。

ちょっと得するマンション選び(第15回)間取りによる歪み①

前回は角住戸と中住戸の比較から考察しましたが、今回はその際にも用いた「居室畳数割合」を用いてもっと純粋に歪んでいるケースを挙げていこうと思う次第です。

img_96901 ※画像に意味はありません。画像がないと寂しいので掲載しております。
全部書いてから気づいたのですが、今回は間取り図画像がありましたね・・・。

夕焼けとベリスタタワー東戸塚です。
美しかったのでつい撮ってしまいました・・・。

三菱地所に吸収される前の藤和不動産による26階建総戸数187戸で、総戸数からすると小ぶりな印象もあるかもしれませんが、下層階はオフィスであり、全体で見るとそれなりのスケール感があります。免震構造が採用されているという意味でも貴重な存在ですね。

ちなみに、ベリスタとは反対側の東口にはなりますが、東戸塚には昨年9月にキッズリパブリック東戸塚店(イオン3階。日本最大級の旗艦店)がグランドオープンし、ますます子育てしやすいエリアとなっています。

さて、いきなりですが以下の2つのプランをご覧下さい。
何㎡に見えるでしょうか???

A)
snapcrab_noname_2016-12-9_16-2-43_no-00 ①62㎡
②65㎡
③68㎡

B)
snapcrab_noname_2016-12-9_16-5-12_no-00 ①67㎡
②70㎡
③73㎡

正解は・・・

(大分下に書きましたので、ぜひ答えを予想してから先に進んで下さいませ)

Aが①62㎡、Bが②70㎡となります。
間取り図から見るよりも実際の面積が小さく感じた方が多いのではないでしょうか。
洋室の広さというのは60~70㎡台の間取りでは大きく変わることは少なく、専有面積を測る上で手がかりとなりやすいのではLDKです。
AはLDKで13.8畳、BはLDKで17畳と専有面積のわりに広めのLDKが確保されていることがこの2つのプランが専有面積の錯覚を起こしやすい大きな原因の1つと言えます。
逆に言えば、普段からそういった面で見ていなければ錯覚を起こしにくいのかもしれませんが・・・。

どちらも若干の柱の食い込み(畳数にカウントされている)こそありますが、限界まで廊下を短く出来ているので専有面積のわりにLDKを初めとした居室畳数を大きく確保出来ており、Aの居室畳数割合は約76.9%、Bはさらに高い約77.7%となります。

居室畳数割合が分からない方は前回の記事をご覧下さい。
ちょっと得するマンション選び(第15回)間取りによる歪み①

60~80㎡程度の3LDKの居室畳数割合の平均的な水準は前回の記事に書いた通りで私の経験上、中住戸で72%程度、角住戸で70%ちょっとかと思うので、どちらも平均を大きく上回っていることになります。

A・B共に収納や水回りもあからさまに少ない・小さいということはないですし、バルコニーの奥行がしっかりと確保されたプランでもあるので、専有面積から受ける印象とは全く異なる使い勝手があると言っても過言ではないのです。

Aの居室畳数を合計すると29.6畳なので、1.62(1畳=1.62㎡)をかけて㎡換算し、一般的な居室畳数割合72%で割り戻すとおおよそ66.6㎡のプランと同等、Bの合計は33.8畳なので同様の計算をすると78.2㎡のプランに近い使い勝手があるという見方も出来ますね。

マンションを検討する方の多くにこういった知識があるとは言えませんし、廊下などのあまり意味のない空間であってもそれがあることで専有部全体が広く感じることもないとは言えないので、これがそのまま価格の歪みにつながるとは言えないですし、言うつもりもないのですが、ちょっとしたプランの違いで3~4㎡の差が逆転する、つまり、300~400万円をほとんど意味のない空間に払っているというケースが何ら珍しくないことを覚えておいて損はないと思います。

特に角住戸は前回の記事で書いたようにプランバリエーションが豊富であり、プランによって有効面積に大きな差が生じます。
実際、私もかなり欲しい物件だけどリフォームすることを想定しても専有部形状的にどうしても廊下が長くなることが避けられず(流石にその3LDKを1LDKとかにしてしまえば廊下はグンと短くは出来ましたが・・・)、断念したという経験もあります。
その専有面積の3LDKであれば普通はLDだけで15畳ぐらいは確保できるはずなのに、その物件はLDが12畳ぐらいしかなくてどうにもなりませんでした・・・。LDの印象って凄く大切で、1畳程度ならまだしも2~3畳の差になってくるとちょっとね・・・。

次回も「間取りによる歪み」について考察します。
乞うご期待!

こちらもどーぞ。
間取りだけでなく、価格の傾向や価格の歪みを記述し、累計2,050棟4,500室超達成。
毎日読んだら少しずつ相場感が育まれるはず(笑)の本ブログ。

マンションの間取りや価格を言いたい放題!
昨日は恒例の間取り総集編を投稿しています。

ABOUTこの記事をかいた人

「マンションの間取りや価格を言いたい放題!」管理人。利害関係のない第三者的な視点を徹底し、間取りや価格等について毎日記事を更新。これまでに扱った部屋数は6,300室を超える。 不動産業界の人間ではないものの、自己居住用及び投資用としてのマンション購入件数は10室を超えるプチ投資家という顔を持ち、猫とマンションをこよなく愛する。

メインブログはこちら
「マンションの間取りや価格を言いたい放題!」